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今回紹介するケーキはスパイスを使った秋のケーキです。秋のイベントと言えばハロウィンが有名ですが、イギリスでは、伝統的には11月5日のガイフォークスナイトが大きなイベントで、その前後には花火があちこちで上がります。

ハロウィンのお菓子といえば、カボチャとシナモンの味のお菓子やパイを連想する方が多いと思いますが、イギリスではこの時期には、パーキンというジンジャーケーキを食べるのが伝統的(このブログのNo.11 で以前パーキンのレシピを投稿したので良かったら参照してみてください。)らしいのですが、商業的なハロウィンのお菓子に押されているのでしょうか、一般のお店ではパーキンは殆ど見かけません。

そこで、リネットさんはこの時期にハニースパイスケーキを思いつきました。このケーキはどうやらユダヤのニューイヤー(実際の暦では9月の末頃)Rosh Hashanah のお祝いに食べるケーキのようです。

蜂蜜の香りとスパイスはとても相性が良く、あつあつのティーやミルクととても良く合います。大きくスライスするよりも、薄めにスライスしてそれを2~3切れ食べるのがおすすめです。

蜂蜜が入る分、普通のスポンジより少々固めにできるので、珍しい形のケーキ型で焼いても綺麗に型がぬけるので、どんな形のケーキ型で焼いてもOKです。クリスマスに向けた秋~冬のケーキとしても最高です。

材料(大きめの丸型ケーキ1個分)

バター (常温で柔らかくしたもの) 150g

ブラウンシュガー 60g

蜂蜜 175g

水 大さじ1

セルフレイジングの小麦粉 200g (または普通の薄力粉+ベーキングパウダー小さじ2)

ジンジャーパウダー 小さじ1

シナモンパウダー 小さじ1

クローブパウダー 小さじ1/2

たまご 2個 (常温)

作り方

1 オーブンを180度に温める。

2 ケーキ型の内側をべキングシートで覆う(または薄くバターを塗る)。

3 大き目のボウルに砂糖、蜂蜜、バターを入れ、泡だて器で良く混ぜる。

4 卵を一つづつ入れて、さらに良く混ぜ、水も混ぜる。

5小麦粉にスパイスを全部入れて、良く混ぜてからふるいにかけ材料のすべてをさっと混ぜる。

6 型に入れ、表面を整えオーブンで約45分焼いて、表面がこんがりしてきたら、竹串をさしてみて生地がついてこなければ焼き上がり。

7 型に入れたまま20分程置いた後、ケーキを型から出して金網の上にのせ冷ます。

先週リネットさんの家に一年半ぶりに遊びに行きました。イギリスでの新型コロナウイルスの感染状況は今も思ったより良くないのですが、ワクチンの接種状況は結構良くて、政府による規制もかなり緩和されました。

リネットさんの家に行くときは一緒にケーキを焼くのが普通なのですが、今回はリネットさんが午後のお茶とスコーンを庭のテーブルに用意してくれました。

リネットさん曰く、このスコーンは全く大したものじゃなくて、本当にただのスコーンだとのことです。

生地をくりぬいたりもせず、生地をまとめて適当に分けて焼いただけの不定形のスコーンに、家庭的で気取らないリネットさんの人柄が出ているような気がしました。そういえば不定形のスコーンなんて見たことがないかも…なんて思ったりして私はとても嬉しくなりました。

リネットさんが言うには、焼く前にオーブンをしっかりと温めておくことと、材料を手早くさっとまとめて、生地をこねないことが成功の秘訣だそうです。

焼きたてのスコーンはほんのり温かく、さくっと、ふわっとしていて、ジャム、クロテッドクリーム、バターとの相性もバッチりでした。用意されていたジャムは、リネットさんの手作りのラズベリージャムでした。

単に美味しかっただけでなく、なんだかこの素朴さの中に威厳をも感じてしまいました。心に残る午後のお茶でした。

基本というだけあって、応用が利くレシピなので、サルタナレーズンの代わりにすりおろしたチェダーチーズをいれるとチーズスコーンになるそうです。

材料(スコーン約8~10個分)

<生地>

セルフレイジングの薄力粉 225g(薄力粉185g、全粒粉の小麦粉40gのミックス)

ベーキングパウダー 大さじ1 (セルフレイジングでなく、普通の薄力粉を使う場合は大さじ1と2/3)

バター(常温) 60g

酒石酸水素カリウム(Cream of Tartar) 一つまみ

塩 一つまみ

ブラウンシュガー 小さじ2

サルタナレーズン (チーズスコーンにしたい場合はすりおろしたチェダーチーズ)60g

ヨーグルト(なければ牛乳) 大さじ1と1/2

<トッピング>

ジャム 大さじ3~4(適量)

バター 大さじ3~4(適量)

クロテッドクリーム 大さじ3~4(適量)

*チーズスコーンにする場合は、何もつけないかバターのみでOKです。

作り方

1 オーブンを220度に温める。

2 平らなベーキングトレイにバターを薄く塗る(またはベーキングシートを敷く。

3 サルタナレーズンとヨーグルト以外の材料を全部ボウルに入れ、バターナイフで全体を切るようにさっと混ぜる。

4 そこにサルタナレーズンとヨーグルトを入れ、生地をすばやくまとめる。

*混ぜすぎないように、できるだけ手早くまとめてください。

5 薄く小麦粉を敷いた表面3㎝くらいの厚さに広げ、適当に8つに分ける。(丸い型でくりぬいたり、ナイフで三角にしたり好きなような形にしてOKです。)

*時間をかけすぎるとその間に生地が活性化してしまうので、この過程も出来るだけ手早く行ってください。

6 生地をオーブンに入れ、15~20分焼いて、表面がうっすらと黄金色になったら焼き上がり。

*さっとまとめて、すぐにオーブンに入れた方が、スコーンがふっくら、さっくりと焼きあがります。

7 温かいうちに、バター、クロテッドクリーム、ジャムをのせて召し上がってください。

今回紹介するケーキは、中東地方由来のセモリナケーキです。

セモリナとは小麦粉の一種で、大まかに言うとデュラム小麦粉を粗くひいたもので、普通の薄力粉より粗くざらっとしていて、色も薄力粉よりも少し黄色味がかっています。

エジプト、モロッコ、レバノンなどのアラブ圏、そしてギリシャ、トルコ周辺で良く食べられているケーキだそうです。

ロンドン内にあるトルコの食材店、レバノンカフェ、ギリシャのパン屋さんなどでセモリナケーキを見かけたことはあるのですが、思えば買って食べたことは一度もありません。(今度試してみなければ…)

今回使ったレシピはLove Food, Paragon Books Ltd(2011年版)で、Moroccan Orange Almond Cakeと題されていました。セモリナという文字は入っていないのですが、私的にはセモリナというのが重要なので、敢えて題名に入れてしまいました。

モロッコはオレンジとアーモンドの有名な産地なので、まさにこれはモロッコのケーキなのでしょう。セモリナケーキはオレンジ風味の他に、レモン風味、蜂蜜風味、またはローズ風味(トルコが代表的)などなどいろいろあるようです。

質感は普通のスポンジよりもざっくりとしていて、不思議にもすっきりした食感です。

焼いた後にシロップを沢山かけるのがセモリナケーキの特徴で(実際にはシロップに浸すという感じです。)甘いのですが、添えたヨーグルトがオレンジの爽やかさとシロップの甘味を調和してくれて、あっという間に一切れ食べられてしまいます。

シロップを作る手間はかかりますが、ケーキは混ぜて焼くだけなので、思いのほか簡単にできます。冷蔵庫で冷やして食べるのもお勧めです。

材料

(直径約20㎝の丸型のケーキ型)

<ケーキ生地>

オレンジ 1個

バター (常温で柔らかくしたもの)125g

砂糖 125g

卵 2個

セモリナ 185g

アーモンドプードル 100g

ベーキングパウダー 小さじ1/2

<シロップ>

オレンジジュース 300ml (残りの1/2のオレンジの果汁も含めた300ml)

砂糖 130g

カルダモン 約8個

<付け合わせ>

プレーンヨーグルト(甘くなくて、出来るだけ濃いもの)150g

作り方

<ケーキ生地>

1 オーブンを180度に温め、ケーキ型の内側をベーキングシートで覆う。

2 オレンジの皮を摩り下ろして、小皿に置いておく。

3 オレンジの1/2 の果汁をしぼる。

4 大き目のボウルにバター、摩り下ろしたオレンジの皮、砂糖を入れ、泡立て器で良く混ぜた後、溶いた卵を少しずつ加え、さらに良く混ぜる。

5 セモリナ、アーモンドプードル、ベーキングパウダーを別のボウルに入れ、良く混ぜてから4のボウルに入れ、さっと混ぜ合わせ、オレンジの果汁1/2 を加える。

6 生地をケーキ型に入れて表面を平に整え、オーブンで約30~40分焼いて、表面に張りが出て生地の側面とケーキ型の間に少し隙間が出来ていたら焼き上がり。

7 型に入れたまま10分冷ました後、金網の上にのせる。

<シロップ>

8 カルダモンをスパイスグラインダーですりつぶす。

9 砂糖、オレンジジュース、カルダモンを小なべに入れて弱火にかける。(残りの1/2のオレンジの果汁も加える。)

10 砂糖が溶けたら30秒くらい強火にして沸騰させた後、液体がシロップ状になるまで約4分煮つめる。

<ケーキとシロップを合わせる>

11 ケーキがまだ少し温かいうちに、ケーキを深さのある器に入れ、シロップが通るように細い竹串でまんべんなく刺す。

12 シロップの3/4 をケーキにかけ、約30分おく。

13 切り分けて食べる直前に残りのシロップを一切れにつき約小さじ2かけて、ヨーグルトを添える。

今回とり上げたマーブルケーキは、なんとなく昔から知っていた、いろんなところで長く愛されているケーキのような気がします。

ココア生地とバニラ風味のスポンジが半分ずつ、大理石のような模様でミックスされていて、まさにそのマーブル(大理石)が名称の由来になっています。

このケーキの発祥を考えたことはなかったのですが、少し調べてみるとドイツだということがわかりました。確かにドイツに行った時カフェで良く見かけた気がしますし、チョコレートコーティングをしたバージョンのマーブルケーキのようなものをドイツの店で買った記憶もあります。

19世紀のアメリカの南北戦争以前の時代に、アメリカに渡ったドイツの移民がこのケーキをアメリカにもたらしたそうで、イギリスにはアメリカ経由で伝わったのか、ドイツからそのまま伝わったのか今のところ定かではありません。(わかり次第後々追加します。)

何人かのイギリス人にマーブルケーキはドイツのケーキらしいよ、と言ったところみんな少々驚いていました。というようにドイツ色の薄いドイツケーキ、または国境を越えてみんなのケーキになったドイツケーキとも言えなくもありません。たぶんドイツ国外でもドイツ語のままのマーモクーヘン(Marmokuchen)という名で知られていたら、もっとドイツっぽさを感じさせるのでしょう。

今回紹介するレシピはBBCのサイトからのものを、少し変えたものです。最初に規定の量で作ってみたところ生地が少しバサッとしていたので、小麦粉の量を既定の量より少し減らしました。

個人的にはココアにエスプレッソコーヒーが入るところがこのケーキの美味しさの決め手なのではないかと思います。コーヒーのダイレクトの味は全くしないのですが、ココア生地の部分がとても美味しいのです。

ココア生地だけの味、バニラ風味の生地だけの味、そしてこの2つのミックスという3種類の味が一つのケーキの中で楽しめます。焼く前の段階でココア生地とバニラ生地を混ぜすぎないことが、この3つの味を楽しむコツだと思います。

材料

(10㎝×20㎝×8㎝くらいのローフ型)

バター (常温)185g

砂糖 185g

卵(常温) 3個

バニラエッセンス 小さじ1

セルフレイジングの小麦粉 200g (または普通の薄力粉200g+ベーキングパウダー小さじ1と1/2)

牛乳(常温)大さじ2

ココア 大さじ2

エスプレッソコーヒー (またはインスタントコーヒーで濃く作ったコーヒー)大さじ2

作り方

1 エスプレッソコーヒー(または濃いインスタントコーヒー)を作り熱をとる。

2 オーブンを180度に温める。

3 ローフ型の内側にベーキングシートを敷く。

4 大き目のボウルにバター(常温で柔らかくしたもの)と砂糖、バニラエッセンスを入れ、泡だて器で良く混ぜ、溶いた卵を数回に分けて入れ、さらに良く混ぜる。

5 そこに小麦粉を入れて、さっと良く混ぜ、小さじ2の牛乳も混ぜる。

6 生地を半分に分ける。(ボウルが2つになります。)

7 エスプレッソコーヒーとココアを 小さな容器で良く混ぜてペーストにしてから、2つに分けた生地の一つに良く混ぜココア生地を作る。

8 型に生地を大きいスプーンでさいの目の状態で二段になるように入れる。(下の段の右側がバニラ、ココア、バニラ。左側がココア、バニラ、ココア。上の段の右側がココア、バニラ、ココア。左側がバニラ、ココア、バニラとう感じで、大まかな2段のチェッカーという感じになります。)

9 菜箸かナイフを生地に突き刺し、そのままゆっくりと波を描くようにしてバニラとココアの生地がマーブルの模様ができるように混ぜる。(上の写真を参照してください。)

10 オーブンで約50分~1時間焼くいて、生地に張りが出て、真ん中を竹串で刺して生地がついてこなかったら焼き上がり。(30分後くらいから、様子を見て焦げそうな感じがしたらアルミホイルをかぶせてください。)

11 型に入れたまま15分くらい置き、その後型から出して金網の上にのせ冷ます。

今回紹介するレシピはサフランを使った北欧のパンです。サフランはサフランの花の雌しべを乾燥させたもので、スパイスの一種だそうです。(グラム当たりの価格としては世界一高価なスパイスだそうです。)

実は昨年のクリスマスにリネットさんから小さなサフランの小瓶を頂いていて、このルサカッターのレシピもリネットさんの手書きで添えられていました。ロンドンのロックダウンはまだ続いていて、政府の規制上リネットさんと会って一緒に作ることは出来ないので頑張って一人で挑戦することにしました。ほんの少量のサフランがすごい色素を出すのには目を見張るばかりでした。

このルサカッターはスウェーデン、北欧の国々で、聖Lucy/ Lucia Dayに食べる伝統的なお菓子パンだそうで(Lusse= Lucy、 Katter= Cat’s tail 猫のしっぽ、だそうです。)クリスマスが近づく12月13日、聖ルーシーDay に聖ルーシーが明りと暖かさをもたらしてくれるのを祝うそうです。なので新年がとっくに明けた今では季節外れになってしまいましたが、次回のクリスマスに向けた練習という気持ちで作りました。

リネットさんが参照にしたレシピはcuriouscusiniere.com というウェブサイトからのものです。作り方は一般的なパンと殆ど同じなのですが、事前にサフランミルクを用意するのと、Sの形に生地をまとめる作業が加わっています。イーストを使うので、暖かい部屋で作るか、生地を暖かい場所に置いて発酵させることが大切です。

どんな味なのがわくわくして食べたのですが、味の方は想像したよりも素朴で、ほんのり優しい甘さの、どこか懐かしいような味わいのふわっとしたパンでした。一度に食べるには量が多いので、冷凍庫で保存して食べる分だけその都度解凍してオーブントースターで温め直すのがいいと思います。私自身としてはコーヒーブレイクのお供や、朝ごはんに最適だと思うのですが、スウェーデン、北欧では実際どのように食べられているのか、次回のクリスマスまでにリサーチしたいと思います。

材料
(8㎝×15㎝程度の大きさのパン約20個分)

<パン生地>

牛乳 (人肌くらいの温度に温めたもの)300ml

ドライイースト 小さじ2と1/4

砂糖 125g

バター 60g

卵 1個

塩 小さじ1/2

強力粉 700g

<サフランミルク>

サフラン 小さじ1/2

牛乳 60ml

<レーズンの飾り>

ドライレーズン 1/2カップ

水 大さじ3

<卵の照り>

卵 1個

水 大さじ2

作り方

<サフランミルク>

1 サフランをスパイスグラインダーですりつぶす。(グラインダーがない場合は小皿で小さじの丸くなった部分を使ってすりつぶせます。)

2 小さい容器に牛乳大さじ2とすりつぶしたサフランを入れ、時々かき混ぜながら1~2時間置く。

<レーズンの飾り>

3 小さ目の容器にレーズンを入れ、水に浸して置く。(レーズンが水を含んで大きく柔らかくなります。)

<パン生地>

4 バターを溶かした後、粗熱をとる。

5 牛乳を人肌くらいの温度に温め、大きいボウルに入れ、使う砂糖の分のうちの大さじ2~3を入れ、ドライイーストをふりかけ5~10分置く。イーストは柔らかくなり少し泡がたちます。(泡が立たなくてもOKです。)

6 そこに残りの砂糖、粗熱をとったバター、溶いた卵、サフランミルクを入れて混ぜる。

7 強力粉に塩を混ぜてから、強力粉をカップ1ずつ、混ぜていく。生地が手にまとわりつかない程度になるように様子を見ながら混ぜる。

8 平らな台に小麦粉を少し敷き、生地を5~6分こねる。(生地が手にまとわりつく場合は強力粉を少し足してください。)

9 大きなボウルに生地を入れ、サランラップをかけ、暖かい場所に1時間~1時間半、生地の大きさが2倍になるまで置く。

10 生地が2倍に膨れたら、再度平らな表面で、数回捏ね(大きさは元の大きさに戻ります)生地を20個に分けて丸める。(スケールを使って60gくらいずつに分けるのをおすすめします。)

11 丸めた生地を全部まず15~18㎝くらいにのばして形作る。

12 その15~18㎝にのばした生地を30㎝くらいの長さにのばしの形にして、ベーキングシートを敷いたトレイの上に間隔をあけて並べる。(発酵すると大きくなるので)トレイに載らない分はテーブルの上にベーキングシートを敷き、その上に並べる。

13 水に浸したレーズンをキッチンタオルで拭いて水気をとる。

の渦巻きの真ん中にレーズンを軽く埋め込む。

14 生地全部の用意が出来たら、軽くサランラップをのせ、暖かい場所に置き2倍の大きさになるのを待つ。

15 生地が2倍の大きさになってきたら、オーブンを200度に温める。

<卵の照り>

16 卵と水を混ぜ、刷毛で軽く生地の表面にぬる。

17 オーブンで約10分焼いて、こんがり黄金色になったら焼き上がり。

18 この作業を数回続けて全部のパンを焼く。

リネットさんは畑でいろんな野菜を育てていて、その腕前は近所でも評判です。年末にリネットさんから自作のかぼちゃを頂きました。とても綺麗で立派なのでずっと部屋に飾っていたのですが、いつまでも見とれて腐らせてしまっては大変なので、今回は思い切って丸ごと1つ使ってスープを作りました。(かぼちゃの大きさがわかるように隣にリップクリームを置きました。)

以前切り取って保管していたガーディアン紙のかぼちゃスープのレシピで作ろうと思っていたのですが、フェンネルシード(アニスに似た香り)が結構入るレシピで、実は私はフェンネルの香りがあまり得意でないので、思い切ってフェンネルの代わりにシナモンを入れました。(昔どこかでシナモンの味のパンプキンスープを飲んだことがある記憶があったので。)結果は大成功でした。

材料の種類が少ないのはとても嬉しいポイントで、ブレンダーがあればとても簡単にできます。かぼちゃとシナモンのコンビネーションはお菓子によく使われるのですが、スープで味わうのとてもいいもので、かぼちゃ元来のまろやかな甘みがシナモンとチリによって上手く引き出された感じです。

なにがともあれ寒い冬に身体が芯から温まります。量が多すぎるようでしたら、紹介したレシピの半分の量で作るのをおすすめします。

材料 (約10~12杯分)

かぼちゃ 大きめ 1個(約1Kg )

玉ねぎ 1個

水 2リットル

チリパウダー 小さじ1/2

シナモンパウダー 小さじ2

オリーブオイル 大さじ2

塩 約小さじ2(好みで加減)

生クリーム 約100ml

作り方

1 玉ねぎを薄切りに切る。

2 大き目の鍋にオリーブオイルを温め、玉ねぎをゆっくり炒める。

3 玉ねぎがしんなりしたら、かぼちゃの種を取り除き適当な大きさ(約2.5㎝角)に切って鍋にいれ、チリパウダー、シナモン、水を約2リットル入れて、火にかけ、カボチャが柔らかくなるまで煮る。

4 カボチャが柔らかくなったら、火から下ろしスープ全体を少し冷ます。

5 スープをブレンダーにかけてペースト状にする。

6 ペースト状になったスープを再び火にかけ(弱火)ゆっくり木べらでかき混ぜながら、塩を入れて味を調える。

*ペースト状になったスープはとても熱くて、周りに飛びやすいので、火傷をしないように十分気を付けてください。

7 スープ皿に分けた後、生クリームを大さじ1をたらす。

今年の年明けは、イングランドのロックダウン宣言がなされ、気温もかなり低い日が多く、ロンドンは静かに年明けを迎えました。毎年恒例の大晦日のテムズ川の打ち上げ花火もなかったことを思うと、やはり例年とはかなり違う年末年始でした。

クリスマスの飾りは大体1月の1週くらい(クリスマスの12日間が終わると)で取り外すのが普通で、今週はクリスマスの飾りも見られなくなり厳しい冬が来たという感じです。

*クリスマスの12日間とは、12月の25日から1月5日までで、その翌日1月6日はEpiphany(エピファニー:公現祭) というカトリックのお祭りだそうですが、イギリスではそのお祭りはないのがちょっと残念です。

そんな中、クリスマス前に買ったラム酒を使ってフルーツケーキを作りました。フルーツケーキは10日~2週間くらい日持ちがするのでとても重宝します。今回たまたまドライクランベリーが沢山あったので、クランベリーを中心に赤とオレンジ色のドライフルーツだけ使いました。基本的にドライフルーツならレーズンやアプリコット、何を使っても大丈夫なので、いろいろアレンジしてみたください。

レモンの果汁の代わりにラム酒を増やせば、より一層ラムの香りのケーキになりますし、ラム酒ではなくブランデーや別のお酒でももちろんOKです。

ゆっくりと寒い冬のひと時を、お酒の効いたフルーツケーキと温かい紅茶、コーヒーで過ごしてみるのはいかがでしょうか。

材料

(約縦25㎝×10㎝×8㎝のローフ型1個)

バター (常温で柔らかくしたもの)125g

砂糖 90g

卵(冷蔵庫から出して常温にしておく)2個

ラム酒 40ml

レモンの果汁 10ml

セルフレイジングの小麦粉 125g

(または普通の薄力粉125g+ベーキングパウダー小さじ1)

ドライクランベリー 100g

ドレンチェリー 50g

オレンジピール 50g

作り方

(前日)

1 ドレンチェリーを(半分に切ってから)クランベリー、オレンジピール、ラム酒を中サイズのボウルに入れ一晩漬ける。

(当日)

2 オーブンを180度に温め、型の内側にベーキングシートを敷く。

3 大きめのボウルに砂糖とバター(常温で柔らかくしたもの)を入れ、泡立て器で良く混ぜる。

4 溶いた卵を数回に分けて入れ、さらに良く混ぜる。

5 レモンの果汁を加える。

6 前日に用意しておいたフルーツのラム酒漬けを入れ、さっと混ぜる。

7 小麦粉を入れさっと混ぜる。

8 生地を型に入れ表面を整えて、オーブンに入れて約40~45分焼いて、表面に張りが出て、生地の真ん中に竹串(なかったらナイフでOKです)を刺してみて生地がついてこなかったら焼き上がり。

*20~30分後に様子を見て、すでに焦げ目がつきそうだったら、アルミホイルを軽くかぶせてください。

9 オーブンから取り出して型に入れたまま、15分くらいおいてからケーキを金網の上にのせて冷ます。

リネットさんは毎年クリスマスの直前にパーティーを催してくれて、そこで手作りのクリスマスケーキをくれるのですが、今年は政府の規制に従いリネットさんはケーキを屋外で手渡ししてくれました。政府による新型コロナウイルス感染防止のための規制は、今のところロンドンでは他人の家の屋内訪問は禁止、屋外では一対一のみ可なのです。

本当に誰もがいろいろな面で大変だった年ですが、あらためてリネットさんの優しさを感じました。一緒に家でケーキを作れなくても私ができそうなレシピを見つけ教えてくれたり、クリスマスケーキを用意してくれたりと、リネットさんはいつも人のことを気にかけていてくれます。(リネットさんが教えてくれたレシピでまだ作っていないものが結構あるので、これから数週間の間に作ろうと思います。)

リネットさんのクリスマスケーキは毎年違うデコレーションをしてくれるので、とても楽しいです。今回はリネットさんが作ったドライオレンジが上品に飾られていました。また、いつもはケーキの表面はマジパンとシュガーアイシングの二層で覆われているのですが、今回はマジパンのみにしたそうです。アイシングは保存には最適なのですが特に市販のクリスマスケーキのアイシングはかなり厚くてとても重くなりがちです。

リネットさんのクリスマスケーキはブランデーがたっぷり仕込んであるので、保存という点では数か月は常温で問題ありません。なので、今回のケーキは糖分が少なくてヘルシーバージョンと言えます。実際これで十分というか、この方がドライフルーツの味が楽しめる気がしました。甘すぎる罪悪感もなくてとても美味しかったです。

今年のクリスマスは新型コロナウイルス感染拡大防止の規制で、クリスマスのイベントを楽しめない代わりに家の飾りに凝ってる人が多いそうです。気づいたら結構豪華なクリスマスリースをドアにつけている家が目につきます。そこで少し写真を撮ってみました。クリスマスリース(アドベントリース)は16世紀のドイツが発祥だそうで、その影響のせいだと思うのですがリースのデザインはドイツ風のものが多いようです。写真の中から何かお気に入りのリースがありましたでしょうか?

来年のクリスマスはいろいろな行事があちこちで出来ることを祈ります。

このところイギリスも、新型コロナウイルスの第二波が来ていて、イギリス各地で規制が強化されています。現在ロンドンでは他人の家(屋内)に遊びに行ってはいけないというルールが設けられているので、リネットさんの家の訪問は控えています。リネットさんはとても元気で、今週は毎年恒例の秋のジャム作りで忙しいそうです。あと、演劇の脚本も書いているそうです!

そこで今回はリネットさんがあまり作らないアメリカ風のレシピを紹介します。リネットさんはアメリカのレシピは濃厚すぎると言います。私も同感なのですが、甘い物好きなのでお菓子なら何でもトライしたい性質です。

今回紹介するレシピは、大きなチョコチップクッキーなのですが、このいかにもアメリカっぽいクッキー、実はイギリスのスーパーマーケットでは定番になっていて、各自のスーパーマーケットは独自のものを出しています。

チョコレートをダーク、ミルク、ホワイトとミックしたり、クランベリーをレーズンやヘーゼルナッツにしたり、いろいろアレンジするもの楽しいです。

焼きたてはチョコレートがとろけて驚きの美味しさです。つまみ食いしたら止まりません。翌日くらい中に食べてしまうのが一番おいしい食べ方なので、食べ過ぎにならないようにお友達に分けてあげるのがお勧めです。

材料

(直径10㎝のクッキー約20枚分)

ソフトブラウンシュガー 200g

塩 小さじ1

溶かしバター110g

卵 1個

バニラエッセンス 小さじ1

薄力粉 160g

重曹 小さじ1/2

ミルクチョコレート (またはホワイトチョコレート)75g

ダークチョコレート 75g

ドライクランベリー 50g

作り方

1バターを小なべに入れて弱火で溶かしておく。

2 チョコレートを1㎝~1.5㎝大に切っておく。

3 大きめのボウルに砂糖、塩、溶かしバターを入れて混ぜる。

4 卵とバニラエッセンスを加えて、リボン状になるまでさらに混ぜる。

5 薄力粉と重曹を入れさっと混ぜる。

6 チョコチップとドライクランベリーを入れ、さっと混ぜる。

7 生地を5㎝×30㎝位の円筒状にまとめてサランラップにくるんで冷蔵庫で30分くらい冷やす。

*冷蔵庫に長く入れすぎると固くなり過ぎて切るのが大変になってしまいます。

8 オーブンを180度で温めて、トレイにベーキングシートを敷く。

9 生地を約3㎝ずつくらいに切り5~6個トレイに載せて焼き、表面がうっすらとこんがりするまで15分程度焼く。

*焼くとかなり広がるので一度に沢山トレイに並べると生地が広がって、くっついてしまいます。

9 フライ返しなどを使って金網にのせ、残りの生地をまた同じように焼く。

今回紹介するパッションケーキは、キャロット、バナナ、レモンの皮、胡桃、レーズン、シナモン、ナツメグが入っていて、言ってみれば豪華版キャロットケーキという感じです。

新型コロナウイルスの影響でリネットさんの家に行って一緒にケーキを作るのを控えている昨今なので、今回は私が以前何回か作ったことのある失敗しないケーキを紹介します。

レシピは私がイギリスに来て初めて買った小さなケーキ本(Glorious Cakes & Gateaux, Anness Publishing) からのもので、Passion Cake のパッション は Passion Sunday にまつわるそうなのですが、私個人的にはキャロットケーキだと思っていたので、パッションというネーミングにはあまり気をとられていませんでした。

Passion Sunday とはイギリスでは Palm Sunday (パームサンデー):(キリストがエルサレム入りした日)と呼ばれるイースターの一週間前の日曜日の名称なので、このケーキはイースター絡みだということです。

なぜこれがパッションケーキという名称なのかは、調べてもいい結果が得られてないのですが、以前「キャロットケーキにバナナが入るとパッションケーキになる」というのを耳にしたことがあります。

クリームチーズのフィリングはちょっと面倒で、コストもかかりますが、これがあると無しではケーキの味に各段の差が出るので、フィリングは省かないことをお勧めします。一口食べるとこのフィリングの重要性を十分理解できること間違いありません。

用意する材料の種類は少し多めですが、基本的に生地は混ぜて焼くだけで、フィリングも混ぜるだけなので以外と簡単にできるケーキです。

材料 (直径20㎝程度の丸いケーキ型)

<スポンジ>

セルフレイジングの薄力粉 200g(または普通の薄力粉+ベーキングパウダー小さじ1.5)

ベーキングパウダー 小さじ2

シナモンパウダー 小さじ2

ナツメグパウダー 小さじ1/2

バター(常温で柔らかくしたもの)150g

ソフトブラウンシュガー 150g

卵 2個

すりおろした人参 2本

摩り下ろしたレモンの皮1個分

熟れたバナナ 1本

レーズン 115g

砕いた胡桃(またはピーカンナッツ)50g

牛乳 大さじ2

<フィリング>

クリームチーズ 300g (常温で柔らかくしたもの)

粉砂糖 大さじ5

レモン汁 1/2個分

摩り下ろしたオレンジの皮 1個分(*オプション)

作り方

1 オーブンを180度に温め、ケーキ型の底と側面をベーキングシートで覆う。

2 レモンの皮をすりおろす。

3 人参を5㎜くらいの幅の糸状に摩り下ろす。

4 バナナの皮をむいてフォークでつぶす。

5 大きめのボウルに砂糖とバターを入れて、泡だて気でよく混ぜる。

6 溶いた卵も入れてさらに良く混ぜる。*電動のハンドミキサーがあると楽に手早く混ぜられます。

7 人参、レモンの皮、バナナ、レーズン、胡桃を入れ、へらでゆっくり混ぜ合わせる。

8 薄力粉、ベーキングパウダー、シナモンパウダー、ナツメグパウダーを良く混ぜ合わせてから、さっくりと生地に混ぜ、最後に牛乳を入れてさっと混ぜる。

9 生地を型に入れて、表面を平に整えオーブンで約1時間焼いて真ん中を竹串で刺してみて生地がついてこなかったら焼き上がり。

*30分以降くらいから、様子を見てアルミフォイルをかぶせて焦げを防いでください

10 ケーキをオーブンから出し、15分後位後に型から出し金網の上にのせ熱をとる。

<フィリング>

11 中サイズのボウルにフィリングの材料全部を入れ、ゴムべらで良く混ぜる。

12 ケーキが完全に冷めたのを確認してから、ケーキを2/3にスライスして、半分に分けたフィリングを塗りケーキの層を合わせる。