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Archive for 2014年8月

IMG_3820 オレンジとシェリーのコールド・スフレ

フランス語のスフレSouffleの意味は、英語ではto blow up、puff upという意味で、つまり「膨れ上がる」というような意味です。

スフレは通常、卵の黄身、あわ立てた生クリームに、卵の白身をしっかりあわ立て、さっくり混ぜてオーブンで焼いたフランス発祥のデザート、または甘くないメニューです。

(レモン、チョコレート、などの甘いデザートのスフレ、またはチーズなどで味をつけて食事にするスフレがあります。)

主にあわ立てた卵の白身の力で、スフレが膨れ上がるわけですが、オーブンで焼いたものは、焼きあがった直後がものすごく膨れて、5分くらいすると、少し沈んでしまいます。

今回紹介している、コールド・スフレは、オーブンで焼かずに、冷蔵庫で冷やしたデザートです。別名ムースとも言えます。

コールド・スフレはオーブンで焼かない代わりに、スフレ全体の形を支えるために、ゼラチン、またはゼラチンの代替物が必要です。

リネットさんは、植物性である寒天(イギリスではAgar Agarという名で健康食料品店で売っています。)を好んで、ゼラチンの代替物として使っています。

コールド・スフレは、オーブンで焼きたてのスフレのような大歓声は得られませんが、選ぶ容器によっては、迫力のある見た目になります。

または小さい一人用のグラス(ワイングラスなど)の容器に入れて、冷蔵庫で冷やすのもとても上品な見た目になるのでお勧めです。

オレンジとシェリーのミックスは、なんともいえない高貴な香りが口いっぱい、体全体に広がります。

また、アルコール無しで、オレンジ・ジューズだけでも作れるので、その際はオレンジ・ジュースの量を120ml増やしてください。

IMG_3894リネットさんの庭でひっそりなっていたワイルド・ストロベリー(野いちご)

材料

(500mlくらいの容器2つ:約6人分)

・砂糖 125g

・バター(容器の内側に塗る分)小さじ1

・オレンジ・ジュース (出来れば絞りたてのもの)180ml

・粉状の寒天(イギリスではAgar Agar という名で販売されている)小さじ1

・卵の黄身 3個分

・シェリー酒 120ml

・生クリーム 200ml

・卵の白身 4個分

・摩り下ろしたオレンジの皮 少々(飾りつけ)

IMG_3828 ちょっと変わった形の容器

作り方

1 スフレの容器の内側にバターを塗る。

2 中サイズのなべにオレンジ・ジュースを入れて中火で沸騰させ、粒状寒天を入れて泡だて器でかき混ぜながら、3分間煮る。

3 なべを火から下ろし、あら熱をる。

4 3に卵の黄身を一つずつ入れて、泡だて器で良く混ぜる。

5 4に砂糖を少しずつ入れ、さらに混ぜた後、シェリー酒も入れてさらに混ぜ合わせる。

6 5のミックスを大きなボウルに移しいれ、冷蔵庫で約45分冷ます。(ミックスが少し固まった感じになるまで。)

7 中サイズのボウルで生クリームをしっかりとあわ立てる。

8 大きなスプンを使って、その生クリームを冷蔵庫で冷ましたミックスに、切るようにさっと混ぜ合わせる。

9 別のボウルに卵の白身を、しっかりと角が立つまであわ立て、再び大きなスプンを使って、切るようにさっと混ぜ合わせる。

*切るようにさっと混ぜ合わせるのは、出来るだけスフレをふわっと仕上げるためです。

10 すべてが混ざったら、冷蔵庫で約1時間半~2時間冷やす。

11 全体がしっかりと固まったら、摩り下ろしたオレンジの皮を表面にちりばめる。

IMG_3937 サービング

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IMG_3959 コアントローのクレープ・シュゼット

クレープ・シュゼットは、オレンジとオレンジリキュールで作られたソースで食べる、フランス発祥の上品なデザートです。

正統派の食べ方は、フランベ(ソース、シロップで温めたクレープの上に、アルコールをかけ火をつける)にして、照明を消して食卓でプレゼンテーションするのですが、フランベにしなくても、とてもおいしくいだだけます。

その歴史はとても古く、どのようにこのデザートが生まれたかについては、大きく分けて2つの説があるそうです。

一つめの説は、1895年に英国の王子(後のエドワード7世)がパリを訪れた際に、厨房でアシスタントをしていた14歳の少年が、アクシデント的に作ったというものです。

この説をとると、クレープ・シュゼットという名前は、その英国王子の隣にいた王子の彼女さんの名前が、シュゼットだったということに由来するそうです。

二つめの説は、クレープ・シュゼットは、当時フランスで、シュゼットというニックネームで活躍していた女優さんの名に由来するというものです。

この説からすると、シュゼットは、実際に舞台上でメイド役としてクレープを運んでおり、そのクレープを担当した有名シェフが、フランベにして火をつけ、観客を魅了することを考えたそうです。

どちらの説が正しいかは、不明なのですが、一つ目の説の14歳の少年は、ウエイターのアシスタントで、厨房には入っていないはずだ、という意見もあるようです。

まあ、どちらをとっても、シュゼットというのは、フランス人女性の名前だといういことです。

今回は、通常使われるグランマニエではなく、コアントローを使ってみました。というのは、リネットさんがお店に行ったら、グランマニエが切れていたからです。(どちらもオレンジリキュールで、とても似ていますが、コアントローの方が少々高級?かもしれません。)

とにかく、コアントローは、香りがすばらしく、クレープとの相性はばっちりです。

今回のオリジナルレシピは、リネットさんが愛用している「Making the art of French Cooking」からのものを、リネットさんが少々簡単にしたものです。

クレープも、コアントロー・バターも冷蔵しておいて、食べる分だけ温めると簡単に豪華なデザートが楽しめます。

IMG_3905 リネットさんの庭のBorage(和名は瑠璃苣=るりじさ)

材料

(直径約20cmのクレープ12枚分)

<クレープの生地>

・薄力粉 155g

(全粒粉を使う場合は、全粒粉 65g、薄力粉 90g)

・ソフトブラウンシュガー 大さじ1

・卵の黄身 3個分

・牛乳 150ml

・水 90ml

・コアントロー(またはオレンジムニエ)大さじ3

・溶かしたバター 大さじ3と1/2

<オレンジ&コアントロー・ソース>

・オレンジ 2個 (皮は摩り下ろす。果汁は絞って150ml確保する。)

・ソフト・ブラウン・シュガー 大さじ4 (約45g)

・バター(常温でやわらかくしたもの)125g

・コアントロー(またはグランマニエ)大さじ3

IMG_3894 リネットさんの庭のワイルド・ストロベリー

作り方

<クレープの生地の準備>

1 大きめのボウルに薄力粉(全粒粉を使う場合は全粒粉も)とブラウンシュガーを入れ、真ん中に卵の黄身を入れ、良く混ぜる。

2 そこに牛乳、水、コアントロー(またはグランマニエ)、溶かしたバターを入れ、泡だて器で良く混ぜる。

3 全体が混ざったら、ボウルにサランラップをかけ、2時間置く。(生地が落ち着いて、焼き易くなります。)

IMG_3870 コアントロー

<オレンジ&コアントロー・バターを作る>

4 オレンジを良く洗って皮を摩り下ろし、果汁を絞る。

5 中サイズのボウルにバター、ブラウンシュガー、摩り下ろしたオレンジの皮を入れ、木べらで良く混ぜる。

6 良く混ざったら、オレンジの果汁を少しずつ入れて混ぜ、最後にコアントロー(またはグランマニエ)を入れてさらに良く混ぜ、置く。

<クレープを焼く>

7 フライパンにバターを敷き、中火で温める。

8 フライパンをいったん火から下ろし、(火のついていないグリルの上などで)大さじ2杯分の生地をフライパンに広げる。

9 フライパンを火にもどし、中火で少し焼いて気泡が立ってきて、淵が少し浮いてきたら、注意深くひっくり返して火を弱火にして反対側を焼く。

*両面を焼く時間は、ほぼ2~3分間です。

IMG_3864 ひっくり返したクレープ

10 この作業を繰り返して、約12枚のクレープを焼く。

*焼きあがったクレープは、お皿に重ねます。

IMG_3857 重ねたクレープ

<オレンジ&コアントロー・バターで温めなおす>

11 フライパンを弱火で温め、先ほど作ったオレンジ&コアントロー・を小さじ1~2を落とし、バターが溶けたら手でクレープ持ち、両面にオレンジ&コアントロー・バターを付け、軽くクレープを温め、4分の1の大きさにたたむ。

*1人分は2,3枚が目安です。

12 この作業をそのとき食べる人数分繰り返す。

*クレープを冷蔵、または冷凍すると、食べる分だけ作るのが簡単です。冷蔵、冷凍する場合は、はがしやすいようにクレープ一枚一枚の間に、サランラップをはさんでください。

*フランベにして火をつける場合は、11の作業を終えたクレープを4つフライパンに並べ弱火にかけ温めます。

クレープが温かくなっているのを確かめ、温めたブランデーを少々かけ、すぐに火をつけます。(ブランデーは、温めたほうが火がつき易いようです。)

IMG_3910 フランベにして火をつける

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