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Archive for 2011年11月

このケーキは、ドライフルーツのたっぷり入ったイギリスの伝統的なフルーツケーキの一種です。ダンディーという名称は、Dandy(だて男、おしゃれ男)ではなく、スコットランドの都市、Dundeeに由来しています。ということで、正確にはスコットランドのケーキです。

表面に遠心状に並べられたアーモンドに目を引きつけられることは言うまでもありません。イギリス全土にわたって、ドライフルーツを使ったフルーツケーキは、クリスマスケーキを含めていろいろありますが、このケーキは19世紀にDundeeにあったKeiller’sという会社によって商品化され人気を得たことで、一躍有名になったそうです。

ある説によると、スコットランドの女王メアリー(Mary Queen of Scotland 1542~1587)が、チェリーの入ったフルーツケーキが嫌いだったゆえに、正統派のダンディー・ケーキにはチェリーを入れない、という意見もあるそうなのですが、チェリーが入っているものも多く出回っていますし、リネットさんは、チェリーには少しこだわりがあるみたいです。(スライスしたとき、断面がきれいだし、丸ごとチェリーがスライスに入っていた人はラッキー!)

毎日のおやつとして簡単に焼けるフルーツケーキもありますが、このダンディーケーキは材料も普通のフルーツケーキよりも少し豪華で、風格のあるフルーツケーキといえるでしょう。そのためか、クリスマスの季節になるとダンディー・ケーキがお店に登場したりします。

また、2005年にダライ・ラマがスコットランドを訪れた際に、ダンディーケーキをお気に召して食べられたという記事も残っているそうです。とにかくすばらしくおいしくて、満足感のあるケーキなので、おなかが空いたときのおやつに、紅茶と一緒に頂くと最高だと思います。

材料

・セルフ・レイジングの全粒粉 185g

(または普通の全粒粉 185g+ベーキング・パウダー  小さじ2+塩 小さじ2/3

・バター(常温で柔らかくしたもの)185g

・ソフト・ブラウン・シュガー 185g

・アーモンド・プードル 60g

・卵 大きめのもの 3個(小さめならば4個)

・サルタナ・レーズン 225g

・ドライ・カレント 225g

・ドレンチェリー 125g (きざまずに、丸ごと→スライスしたときにきれいだし、チェリーが丸ごとスライスの中に入っていたらラッキー。)

・オレンジ(またはレモン)の皮(摩り下ろしたもの)と果汁 1個分

・オレンジ・ピール 60g (なくてもOK、リネットさんはオレンジピールを入れないほうが好きなので、写真のケーキには入っていません。)

・丸ごとのアーモンド(皮なしのものを縦半分に切ったもの)30g

(皮つきのアーモンドを使用する場合 : なべにアーモンドを入れ、沸騰したお湯をそそぎ、1~2分つけた後、アーモンドをスプンですくい出し、指でアーモンドをつねると皮が簡単にむけます。)

作り方

1 アーモンドの皮を自分でむく場合は、上の説明に従ってアーモンドの皮をむく。

2 オーブンを200度に温め、直径23cmくらいの深めのケーキ型の底と側面をベーキングシートで覆う。

3 大きめのボールに、バターと砂糖を入れ、なめらかになるまで混ぜ合わせる。

4 そこに卵を1個ずついれ、さらに混ぜ合わせる。(卵を1個ずつ入れる際に、材料の一部の全粒粉を大さじ1杯ずつ入れて混ぜると、分離を防ぐことが出来ます。)

5 さらにアーモンド・プードル、サルタナ・レーズン、ドライ・カレント、オレンジ(またはレモン)の皮と果汁、ドレンチェリーを入れ混ぜる。

6 全粒粉を入れ、さっくりとよく混ぜる。

7 生地を型に入れ、アーモンドを遠心状に並べ、オーブンで約2時間焼いて、ケーキと型の間に隙間がでてきて、生地の真ん中を竹串か細い編み棒で刺してみて生地がついてこなかったら焼きあがり。

8 型のまま金網の上にのせ、冷ます。

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シード・ケーキは、レシピ本では時おり見かけますが、お店で売られているのを見ることはほとんどありません。しかしこれは確固としたイギリスの最も古い伝統的なケーキの1つです。

起源は中世やチューダー朝時代(1485~1603年)にもさかのぼり、当時は固いパンまたは、ビスケットのような形態をとっており、種まきの季節や収穫のお祭りのご馳走だったそうです。それがビクトリア朝時代(1837年~1901年)には今の形のケーキとなり、とても人気が出てさかんに焼かれたようです。

キャラウェイ・シード(Caraway Seed)は、フェンネルやアナシードに似た植物の種で、爽やかでかつ、ほんのりとした甘い香りがし、消化を助ける効力もあります。また、キャラウェイ・シードが含まれるものは絶対に盗まれない、という言い伝えがあることから、子供の枕の下にキャラウェイ・シードを隠しておく、という風習があったり、子供のお話の本にもこのケーキは度々登場するそうです。

キャラウェイ・シードの爽やかな香りとオレンジの風味がミックスされて、素朴ながらも、とてもユニークな味のケーキです。ローフ型などでも焼くことは出来ますが、円形のケーキ型を使うのが昔ながらの風習で、これは収穫祭のご馳走だったことのなごりだそうです。昔ながらの古代のケーキの味に思いを馳せながら、紅茶と一緒に召し上がってください。

材料

・全粒粉 125g

・ブラウン・シュガー 125g

・バター(常温で柔らかくしたもの)125g

・卵(黄身と白身を分ける)2個

・オレンジ・ピール 45g

・オレンジの皮 (摩り下ろしたもの) 小さじ2

・オレンジの果汁 小さじ2

・ナツメグ 1つまみ

・キャラウェイ・シード 小さじ2/3

・ブランデー 大さじ1

作り方

1 オーブンを170度に温め、直径20cmくらいのケーキ型の底と内側をベーキングシートで覆う。

2 卵の黄身と白身を分ける。

3 大きめのボールにバターと砂糖を入れ、木べらでよく練り合わせる。

4 そこに黄身を入れさらによく混ぜる。(黄身1つにつき、大さじ1杯の粉も一緒に混ぜると分離を防ぐことができ、なめらかな生地になります。)

5 さらにオレンジピール、ナツメグ、キャラウェイ・シード、摩り下ろしたオレンジの皮と果汁を入れ、混ぜる。

6 別のボールで、卵の白身を固くあわ立てる。(このケーキにはベーキング・パウダーを使っていないので、このあわ立てた卵白がケーキを膨らませます。)

7 あわ立てた卵白を生地に入れ、卵白をつぶさないように切るように混ぜる。

8 そこに粉をさっくりと入れ、混ぜる。

9 最後にブランデーを入れ、さっと混ぜる。

10 生地を型に入れ、オーブンで約40分くらい焼く。真ん中を竹串で刺してみて、生地がついてこなかったら焼き上がり。

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キャロットケーキは、イギリスでも最も人気のあるケーキの一つで、オレンジ入り、生姜入り、レーズン入り、ナッツ入りなど、そのバリエーションは数限りなくあります。

少々意外に思うかもしれませんが、スエーデンがキャロット・ケーキ発祥の地だそうです。その後第二次大戦中、または戦後にイギリスで盛んに焼かれたそうです。これは人参の甘さを利用して、砂糖の消費を控えるという理由だったそうで(砂糖が配給制であったため)、1960年代になるとキャロット・ケーキはアメリカで大ヒットして今日にいたっています。

今回紹介しているレシピは、リネットさんが、サマーセット州のポーロックという町に住む友達から受け継いだものです。このケーキの特徴は、なんといってもボリューム満点、満足度100%ということだと思います。普通はレーズンを入れることが多いのですが、ここではプルーンを使っていあるので、よりしっとりとまろやかな味になっています。

アイシングはなくてもおいしいのですが、とても簡単に出来て、見た目もぐんと引き立ちますし、もちろん味も引き立ちます。このレシピの分量は大きくて深めのケーキ型用なので、半分の量にして小さめのケーキを作ることもできます。

材料

・普通の全粒粉 225g

・ベーキングパウダー 小さじ1

・ソフト・ブラウン・シュガー 225g

・ひまわり油 220ml

・溶いた卵 4個

・人参(皮をむいて、大まかに摩り下ろしたもの) 225g

・プルーン(またはレーズン)(種がある場合は取り除いて、小さめに刻んだもの)95g

・胡桃(またはアーモンド)(適当な大きさに砕いたもの)95g

・塩 小さじ1/4

・ミックス・スパイス(またはオールスパイス)小さじ山盛り4

<アイシング>

・粉砂糖 200g

・バター 100g

・レモン汁 小さじ4

作り方

1 オーブンを170度に温め、直径23cm深さ8cmくらいのケーキ型の内側をベーキングシートで覆う。

2 胡桃を砕く。

3 プルーンを種を取り除き、適当な大きさに刻む。

4 人参を中ぐらいの細さで摩り下ろす。

5 大きめのボールに、全粒粉、ベーキングパウダー、塩、ミックス・スパイスを入れ、良く混ぜる。

6 別の大きめのボールにひまわり油、砂糖、卵を入れ、均一になるまで混ぜ合わせる。

7 そこに2の粉全部を入れ、混ぜ合わせ、プルーン→胡桃→人参の順番でさらに混ぜ合わせる。

8 生地を型に入れ、オーブンで焼く1時間焼いたら、アルミホイルで表面を覆い、さらに約15分間焼く。真ん中を竹串で刺してみて生地がついてこなかったら焼きあがり。

9 金網の上に載せ、冷まし、型かた取り除く。

<アイシング>

10 粉砂糖、バター、レモン汁をボールにいれ良く混ぜ練り上げる。

11 ケーキが冷めたことを確認して、表面にアイシングをナイフで均一に塗る。

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エクルス・ケーキは、伝統的なイギリスのお菓子の一つで、ドライ・カレントにスパイスとお砂糖を加えたものを、フレイキー(パフ)ペイストリーで包んで焼いてあるものです。ケーキと名がついているものの、実際は日本で言うお菓子に分類されるでしょう。

エクルス (Eccles) とは、マンチェスターにそう遠くない、ランカシャー州にある町の名で、エクルス・ケーキ発祥の地です。1793年に商品化されていることが記録に残っているそうですが、起源はもっと古いかもしれないそうです。

ほとんどのスーパーマーケットでは、エクルスケーキを売っているのですが、だいたいはひっそりと棚の上に乗っていたりして、大々的に商業化はされてはいないようですが、ベーカリーでも自己製品を売っていたりするので、静かなる人気があることは確かです。

ケーキを手作りする人はたくさんいまずが、エクルス・ケーキを実際に作る人はあまりいません。しかし作ってみると意外と簡単にできてしまうのが驚きです。ただペイストリーを一晩前に作っておくことを忘れないでください。

ここで紹介してるレシピのペイストリーは、通常のペイストリーよりも簡単にできるクイックバージョンですが、この手順で作っても出来ばえは通常のものとほとんど変わりません。また、普通の薄力粉ではなく全粒粉を使っているので、生地でフルーツを包むときに少し弾力性に欠けるので、少してこずるかもしれませんが、食感はサクサクになります。

市販のものは、大概とても甘くできているので、このレシピでは少し甘さを控えてあります。バターのたっぷりきいたフレイキー(パフ)ペイストリーと、スパイスのきいたドライ・カレントの組み合わせは、たっぷりの紅茶と本当に良く合います。

材用 (約16個分)

<クイック・フレイキー・ペイストリー>

・バター 275g

・熱湯 150ml

・全粒粉 450g

<フィリング>

・バター 125g

・ドライ・カレント 350g

・ソフト・ブラウン・シュガー 95g

・シナモン(オール・スパイスかミックス・スパイスでもOK) 小さじ1

作り方

<クイック・フレイキー・ペイストリー>

1 バターを小さいさいの目に切り、ボールに入れる。

2 そこに熱湯を入れ、バターが溶けるまで混ぜる。

3 全粒粉を入れて混ぜ、丸めて一晩冷蔵庫でねかせる。

<フィリング>

4 小なべにバターを入れ、弱火で溶かし、ドライ・カレント、シナモン、砂糖、を入れて混ぜる。

5 ペイストリーを冷蔵庫から出し、2つに分ける。

6 オーブンを220度に温める。

7 ペイストリーを15cm×30cmくらいの長方形にのし棒を使って広げる。15cm×30cmの大きさに合わせて端はナイフで切る。

8 パイストリーを8つに切り分ける。(一つ一つのペイストリーが7.5cm×7.5cmくらいになります。)

9 切り分けた正方形のペイストリーの真ん中に、ドライ・カレントを小さじ山盛り1杯乗せて、ペイストリーの端を少量の牛乳をぬり、4角を合わせるように包み込む。(この段階では形は四角)包み込んだら、ひっくり返して、厚さ一cm強、直径7.5cmくらいの円形に整えて、真ん中に3つ切り込みを入れる。

10 オーブンで15分くらい、こんがりするまで焼く。

11 金網の上に載せ、さます。

12 同じ作業をもう半分のペイストリーとドライ・カレントを使って繰り返す。

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イギリス原産のりんごは、とてもたくさんあり、その種類は元来1200種とも言われています。しかし現在ではイギリス産のりんごも減り、EU圏内やオーストラリアなどから、安いりんごが輸入されて、市場に出回っているすべてのりんごが国産というわけでありません。

りんごは種類によって形、色、大きさはもちろん、酸味や甘みのバリエーションがとても多様で、りんごを使った伝統的なケーキやパイのレシピはイギリスだけでも数限りなく存在します。

ここで紹介しているりんごケーキのレシピは、今は無きウールワース(Woolworth:イギリスの某チェーン店)で買ったレシピ本からのもので、シナモンとクローブが入ったちょっとスパイシーなケーキです。スパイスを使う点ではオランダのりんごケーキに味がちょっと似ているかもしれませんが、たぶんオランダのケーキよりも作り方は簡単だと思います。

オリジナルレシピでは普通の薄力粉と白砂糖を使用し、あわ立てた生クリームと一緒に食べるのですが、全粒粉とブラウン・シュガーを使って作ると、より自然な味に仕上がり、むしろ生クリーム無しのほうがおいしいくらいです。

日本のりんごはイギリスのりんごに比べると、甘みが強く、酸味が弱いので、日本の甘いりんごで作る場合は、りんごを500gを450gに減らして、レモン汁を加えてください。このケーキは、バターの含有量がケーキ全体の比率からも少なめで、りんごがたっぷり入っているので、思いっきり大きく切って食べてください。また翌日になると、りんごの味がケーキ全体になじんで、一層おいしさが引き立ちます。

材料

・セルフ・レイジングの全粒粉 225g

(または普通の全粒粉 225g+ベーキングパウダー 小さじ3+塩小さじ 1)

・ベーキングパウダー 小さじ1

・無塩バター (常温で柔らかくしたもの) 125g

*有塩バターでも作れますが、無塩を使ったほうがずっとおいしく出来上がります。

・ソフト・ブラウン・シュガー 185g

・シナモン・パウダー 小さじ1

・クローブ・パウダー (オールスパイスか、ミックススパイスでも代用可能) 小さじ1/2

・溶いた卵 2個

・酸味のあるりんご(皮をむいて芯をとったもの)500g

(甘いりんごを使用する場合は、りんご450g+レモン汁 1/2 個分)

作り方

1 オーブンを170度に温める。

2 20cm×30cmくらいの四角いケーキ型、または直径23cmくらいの深めのケーキ型の底と側面をベーキングシートで覆う。

*ベーキングシートを使わないと、焼いたりんごが型の底にくっついてしまい、型から取り出すときに、ケーキを壊してしまう恐れがあります。

3 りんごの皮をむいて、芯を取り、大きめの1口大の大きさに切る。

(甘いりんごを使用する場合は、りんごを大きめのなべかボールにいれ、レモン汁をりんご全体になじませる)

4 大きめのボールにバターと砂糖をいれ、木べらで良く練り合わせる。

5 溶いた卵を入れ、さらに混ぜ合わせる。

6 スパイスと全粒粉を入れ、さっと混ぜ合わせる。

7 りんごを入れ、全体がなじむように混ぜる。

8 生地全体を型に流し込み、オーブンで1時間~1時間15分焼く。(表面が広く浅めの型の場合は50分くらい、深めの型の場合は1時間5分~15分を目安としてください。)真ん中を竹串か細い編み棒で刺してみて生地がついてこなかったら焼きあがり。

9 ケーキを型のまま15分くらい置き、丁寧に型から取り出して、金網の上で冷ます。

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