このケーキは、ドライフルーツのたっぷり入ったイギリスの伝統的なフルーツケーキの一種です。ダンディーという名称は、Dandy(だて男、おしゃれ男)ではなく、スコットランドの都市、Dundeeに由来しています。ということで、正確にはスコットランドのケーキです。
表面に遠心状に並べられたアーモンドに目を引きつけられることは言うまでもありません。イギリス全土にわたって、ドライフルーツを使ったフルーツケーキは、クリスマスケーキを含めていろいろありますが、このケーキは19世紀にDundeeにあったKeiller’sという会社によって商品化され人気を得たことで、一躍有名になったそうです。
ある説によると、スコットランドの女王メアリー(Mary Queen of Scotland 1542~1587)が、チェリーの入ったフルーツケーキが嫌いだったゆえに、正統派のダンディー・ケーキにはチェリーを入れない、という意見もあるそうなのですが、チェリーが入っているものも多く出回っていますし、リネットさんは、チェリーには少しこだわりがあるみたいです。(スライスしたとき、断面がきれいだし、丸ごとチェリーがスライスに入っていた人はラッキー!)
毎日のおやつとして簡単に焼けるフルーツケーキもありますが、このダンディーケーキは材料も普通のフルーツケーキよりも少し豪華で、風格のあるフルーツケーキといえるでしょう。そのためか、クリスマスの季節になるとダンディー・ケーキがお店に登場したりします。
また、2005年にダライ・ラマがスコットランドを訪れた際に、ダンディーケーキをお気に召して食べられたという記事も残っているそうです。とにかくすばらしくおいしくて、満足感のあるケーキなので、おなかが空いたときのおやつに、紅茶と一緒に頂くと最高だと思います。
材料
・セルフ・レイジングの全粒粉 185g
(または普通の全粒粉 185g+ベーキング・パウダー 小さじ2+塩 小さじ2/3
・バター(常温で柔らかくしたもの)185g
・ソフト・ブラウン・シュガー 185g
・アーモンド・プードル 60g
・卵 大きめのもの 3個(小さめならば4個)
・サルタナ・レーズン 225g
・ドライ・カレント 225g
・ドレンチェリー 125g (きざまずに、丸ごと→スライスしたときにきれいだし、チェリーが丸ごとスライスの中に入っていたらラッキー。)
・オレンジ(またはレモン)の皮(摩り下ろしたもの)と果汁 1個分
・オレンジ・ピール 60g (なくてもOK、リネットさんはオレンジピールを入れないほうが好きなので、写真のケーキには入っていません。)
・丸ごとのアーモンド(皮なしのものを縦半分に切ったもの)30g
(皮つきのアーモンドを使用する場合 : なべにアーモンドを入れ、沸騰したお湯をそそぎ、1~2分つけた後、アーモンドをスプンですくい出し、指でアーモンドをつねると皮が簡単にむけます。)
作り方
1 アーモンドの皮を自分でむく場合は、上の説明に従ってアーモンドの皮をむく。
2 オーブンを200度に温め、直径23cmくらいの深めのケーキ型の底と側面をベーキングシートで覆う。
3 大きめのボールに、バターと砂糖を入れ、なめらかになるまで混ぜ合わせる。
4 そこに卵を1個ずついれ、さらに混ぜ合わせる。(卵を1個ずつ入れる際に、材料の一部の全粒粉を大さじ1杯ずつ入れて混ぜると、分離を防ぐことが出来ます。)
5 さらにアーモンド・プードル、サルタナ・レーズン、ドライ・カレント、オレンジ(またはレモン)の皮と果汁、ドレンチェリーを入れ混ぜる。
6 全粒粉を入れ、さっくりとよく混ぜる。
7 生地を型に入れ、アーモンドを遠心状に並べ、オーブンで約2時間焼いて、ケーキと型の間に隙間がでてきて、生地の真ん中を竹串か細い編み棒で刺してみて生地がついてこなかったら焼きあがり。
8 型のまま金網の上にのせ、冷ます。