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Archive for 2012年7月

 グースベリー・フール

フルーツ・フールはイギリスを起源とするデザートで、グースベリーを使ったフールの記録は15世紀にまでさかのぼるそうです。

フールは、ピューレ状にした果物と、あわ立てたクリームを混ぜ合わせるというとても簡単なデザートで、とてもイギリスの夏らしいデザートですが、スーパーにはヨーグルトの隣に年中売っています。

グースベリーを使ったフールが伝統的なフールですが、(グースベリーは、そのままでは食べられないほど酸味が強い果物です。)イチゴ、ラズベリー、キウイ、オレンジなど、酸味のある果物ら何でもフールを作ることが出来ます。

フールという名称は、押しつぶす(例えばワインを作る際に葡萄をつぶす)という意味を持ったフランス語Foulerを英語に近い発音の単語に置き換え、Foolとなったと言われています。

(混ぜるだけなのでFool(バカ)にでも作れるからフール、という話も聞いたことがありますが、これはあまり信憑性がないようです。)

酸味+甘み+クリーム、の3つの組み合わせの味は、とてもイギリスらしい味覚で、天国にも昇るほうな気分の味です。

冷蔵庫で数時間保存すると、フルーツからの水分が出てしまうので、前もって作っておきたい場合は、ピューレ状にしたフルーツとあわ立てたクリームを冷蔵庫で保存し、食べる直前に混ぜ合わせることをお勧めします。

 リネットさんの畑で採れたグースベリー

材料

(約4~5人分)

・グースベリー 約500g

・ホイップリリーム 250~300g

・蜂蜜または砂糖 約大さじ2~3(好みによって加減)

 リネットさんの庭のピンクペニー・ジェラニウム

作り方

1 グースベリー、(または他の酸味のある果物、ストロベリー、ラズベリー、キウイ、オレンジなど)をきれいに洗ってなべに入れ、少量の水を入れて柔らかくなるまで煮て、冷まめたら、蜂蜜または砂糖を入れる。

2 ハンドミキサーを使ってピューレにする。

3 クリームをふんわりするまであわ立てる。(あわ立てすぎないように気をつけてください。)

3 1と2をさっと混ぜあわせて、甘さが足りない場合はさらに蜂蜜、砂糖で味を調える。

4 小皿に分けて、出来上がり。

 グースベリー・フール(クロースアップ)

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 ボズワーズ・ジャンブルズ

ボズワース(Bosworth)とは、イングランド中部のレスター州(Leicestershire)にある地名です。

このビスケットの歴史はとても古く、1485年のボズワースの戦(Battle of Bosworth)で敗北したリチャード王3世(King Richard Ⅲ)軍の料理番が、戦場に落として行ったものと言われています。

この戦で、リチャード王三世自身も戦死し、勝利を収めたヘンリー王(Henry Tudor)は、この後118年も続くチューダー朝を築くことになります。

この歴史的事件は、それまで混沌と続いていた内乱の時代に一応終止符をうち、新しい時代の幕開けをもたらした、ということでイギリス史上大きな事件であり、ボズワーズ・ジャンブルズはその戦場の名のついたお菓子というわけです。

なお、ジャンブル(Jumble)とは、寄せ集めてまぜまぜにする、と言うような意味なので、材料をかき集めて焼くだけ、ということなのでしょう。

とにかく、サクサクした、レモン風味のかなりおいしいビスケットです。いや、どちらかというと軽めのクッキーという感覚でしょうか。作り方もとてもシンプルです。

密封の良い容器に入れ保存し、数日以内に食べたほうがサクサク感が損なわれません。

S字形にするのが、ボズワーズ・ジャンブルズのサインなのですが、なぜS字形なのか、ということが判明していないので、わかり次第投稿します。

 Love in the Mist 黒種子草(クロタネソウ)

材料

(約18~20個分)

・全粒粉 170g

・バター(常温で柔らかくしたもの)125g

・ブラウン・シュガー 85g

・卵(小さめ)1個

・アーモンド・プードル 60g

・摩り下ろしたレモンの皮  1個分

 Purple Toadflax(紫ホウバウンラン)

作り方

1 レモンの皮を摩り下ろして、小皿におく。

2 大きめのボールを用意して、全粒粉とバターを指で全体になじませる。

3 そこにブラウン・シュガー、アーモンド・プードル、レモンの皮、といた卵を入れ、良く混ぜる。

4 生地を丸めて、冷蔵庫で1~2時間冷やす。(生地を少しかたくして、扱いやすくするためです。)

5 オーブンを180度に温める。

6 トレイに薄く小麦粉を敷く。

7 生地を直径2.5~3cmくらいのボール状にしてから、10cmくらいの棒状にして、S字形にして、4~5cm離してトレイに並べる。(なるべく手早く扱ったほうが、生地が手にくっつきにくいです。)

8 オーブンで約15~20分焼く。ほんの薄くキツネ色になったら、焼き上がりです。

9 金網の上に出して冷まし、6~7の手順を繰り返し、次の生地をオーブンで焼く。

 ボズワーズ・ジャンブルズ(クロースアップ)

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 ジェノア・ケーキ(スライス)

ジェノア・ケーキは、フルーツケーキの一つです。一般のフルーツ・ケーキと異なる点は、ドライ・フルーツの割合が少々少なめなことと、アーモンドが入ることです。

ジェノア(Genoa)とはご存知、イタリアの都市、ジェノア(Genoa)の名称なのですが、Genoise(ジェノイーズ) Cake というイタリアのスポンジケーキとはまた別のケーキです。

ジェノイーズ・ケーキは、アーモンド・プードルを使って焼いたスポンジ・ケーキで、ドライ・フルーツは入っていません。)

なぜ、このフルーツ・ケーキがジェノア・ケーキと呼ばれるのかについては、ただ今調べ中なのですが、今のところ解明していません。

おそらく、ジェノイーズ・ケーキにアーモンドが使われてることから、アーモンドを使ったフルーツ・ケーキをジェノア・ケーキと呼ぶようになったのではないか・・?と私自身憶測しています。(この理由はわかり次第、投稿に付け加えようと思います。)

イギリスにおける、大概のジェノア・ケーキは、アーモンドは生地の中に入れずに、表面に飾るだけになってますが、リネットさんのジェノア・ケーキには、生地の中にアーモンドがふんだんに入っています。

そのため、一口食べるごとに、ドライ・フルーツとアーモンドが口の中でミックスされて、とても味わい深く、何といっても紅茶と良く合ます。

また、アーモンドが少なめの方が好みの方は、アーモンドの量を減らして作ってOKです。

ここでのレシピでは、オプションとして、ドレンチェリーを加えてありますが、チェリーを入れると贅沢さが増し、切ったときに断面にきれいな赤が加わります。

 リネットさんの庭のバラのつぼみ

材料

(直径23cmくらいの丸型の深めのケーキ型)

・セルフ・レイジングの全粒粉 225g

(または普通の全粒粉 225g+ベーキングパウダー 小さじ2+塩 小さじ1/2弱)

・ソフト・ブラウン・シュガー 125g

・バター(常温で柔らかくしたもの) 155g

・卵 4個

・サルタナ・レーズン 155g

・オレンジとレモンのミックス・ピール 95g

・アーモンド (包丁で小さめに切ったもの)125g

・摩り下ろしたレモンの皮  1個分

*オプションとして

・ドレン・チェリー 125g

 リネットさんの庭で摘んだバラの花

作り方

1 ケーキ型の底と側面をベーキング・シートで覆う。

2 アーモンドを小さめに切る。

3 オーブンを170度に温める。

4 レモンをきれいに洗って、皮を摩り下ろして小皿においておく。(レモンの皮はほんの表面だけ摩り下ろしてください。白い部分は苦味が出てしまいます。)

5 大きめのボールにバターと砂糖を入れ、木べらで良く混ぜ合わせる。

6 そこに卵を一つずつ入れ、さらに混ぜ合わせる。

7 そこに全粒粉を入れ、さくっと混ぜ合わせ、90g(約3/4の量)のアーモンドを入れ混ぜる。

8 さらに、ミックス・ピール、レモンの皮を入れさっと混ぜ合わせる。(ドレンチェリーを入れる場合はここで入れる。チェリーは切らずに丸ごと入れると、ケーキを切ったときに、きれいにチェリーの断面がでます。)

9 ケーキを型に入れ、表面にアーモンドを散らし、オーブンで約1時間焼く。

10 ケーキと型の間にほんの少しの隙間ができ、真ん中を竹串でさしてみて、生地がついてこなかったら焼きあがり。

11 型のまま、金網の上にのせて冷ます。

 ジェノア・ケーキ(ホール)

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 フローレンスさんのいちじくケーキ(スライス)

フィグ(いちじく)は、とても古くから存在する果物で、聖書やコーランにも登場しているだけでなく、紀元前2500年という太古に、この果物を食べていたという記録もあるそうです。

フィグの原産地は北アフリカで、現在では北アフリカだけでなく、地中海、中東、南ヨーロッパなどの温暖~暑い地域で良く採れ、これらの地域ではフィグを使ったレシピがとてもたくさんあります。

イギリスでは、初夏~夏になると輸入ものの生のフィグを買うことも出来ますが、ドライ・フルーツとしてのフィグは、もちろん年中手に入り保存もきくのでとても便利です。

ドライ・フィグは、太陽の恵みがたっぷりとつまった濃厚な味と食感がします。その栄養価と繊維の多さからもヘルス・フード・ショップでは必須のアイテムになっています。

フィグは日本語で無花果(いちじく)というように、花が無い(見えない)そうです。なんでもないような見た目の果実をいったん切ってみると、中には無数の種がびっしりつまってることから、インドのベンガル地方では、フィグを使った言い回しがあり、絶対に見ることの出来ないもの(または、稀の中の稀)という意味があるそうです。

英語ではDon’t judge a book by its cover.(本をその表紙で評価してはいけない。)という言い回しがありますが、これをフィグの意外性となぞらえることもできるそうです。つまり、フィグの果実はすごい。充実してる、ということなのでしょう。

このケーキは、リネットさんが、祖母のフローレンスさんから受け継いだレシピを、全粒粉とブラウンシュガーでアレンジして作ったものです。

オレンジの柑橘系のフレーバーと、リッチなフィグの味の絶妙なコンビネーションと、食べるたびに、口の中でフィグの種がプチプチとはじける感覚は最高なものです。

 リネットさんの祖母のフローレンスさん

材料

・セルフ・レイジングの全粒粉 225g

(または普通の全粒粉 225g+ベーキングパウダー 小さじ2+塩小さじ1弱)

・ソフト・ダーク・ブラウン・シュガー 65g

・バター(常温で柔らかくしたもの)115g

・ドライ・フィグ(干したいちじく)125g

・卵 2個

・ミックス・ピール 90g

・ジンジャー・パウダー 小さじ山盛り1

・ゴールデン・シロップ(なければ蜂蜜)大さじ2

・オレンジの皮と果汁 1個分

 リネットさんの庭のジェラニウム Geranium

作り方

1 ドライ・フィグは1cm角程度に切り、大さじ1~2の水に浸して3時間程度おいておく。

2 直径23cmくらいの丸いケーキ型の内側をベーキングシートで覆う。

3 オーブンを180度にして温める。

4 オレンジをきれいに洗って、皮をおろして(皮はほんの表面だけおろしてください。白い部分を使うと苦くなってしまいます。)小さなボールに果汁を絞って脇に置いておく。

5 大きめのボールにブラウン・シュガーとバターを入れ、木べらで良く混ぜる。

6 そこに卵を入れてさらに混ぜる。

7 さらに、ミックス・ピール、ゴールデンシロップ、摩り下ろしたオレンジの皮と果汁、ドライ・フィグ、ジンジャー・パウダーを混ぜ

8 全粒粉を入れてさっと混ぜあわせる。

9 生地を型に入れ、表面を整えて、オーブンで約45分~1時間焼く。

10 真ん中を竹串で刺してみて、生地がついてこなかったら焼きあがり。

11 金網の上に型ごと載せ、冷ます。

 フローレンスさんのいちじくケーキ(ホール)

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