ロード・ランドルのプディング+カスタード
ロード・ランドル(Lord Randall)とは、18世紀のヒーローランドル卿の名で、Lord Randall というバラード(歌のバラード)は、イギリスの古くから存在するバラードの一つだそうです。
このバラードで歌われているランドル卿と、このプディングがどのような歴史的関係にあるのか、調べてる最中なのですが、まだわかりません。(わかり次第投稿したいと思います。)
ただどうやら、このプディングは、イギリスのプディングの中では、ちょっと特別なプディングという位置についているようです。
作り方は実は簡単なのですが、信じられないくらい味に深みがあり、1口食べただけでも、これは1段上のプディング!? というのがすぐにわかります。
マーマレードとアプリコットの組み合わせが、気高い味わいをかもしていて、カスタードととても良く合います。
伝統的にこのプディングには、ブラウンシュガーと、濃いめのマーマレードを使うのですが、手に入らない場合は、普通のマーマレードでも十分おいしく出来ます。
プディングと名のつくもの多くは、プディング型を使ってなべで蒸したものなのですが、プディング型がない場合は、同じ生地をそのままケーキ型に入れてオーブンで焼いても十分おいしく出来ます。
プディング型で蒸したほうがムチっとした感じに仕上がりますが、ケーキ型に入れてオーブンで焼くのは、なべで蒸すのより半分~半分以下の時間ででき、驚くほどにちゃんと焼きあがります。
(下の写真のケーキは、長方形のケーキ型を使って焼き、スライスしたものです。)
ロード・ランドルのプディングの生地をケーキ型に入れ、オーブンで焼いたもの(スライス)
プディング型のかわりに、普通のどんぶりなどの器を使うことは実はおすすめできません。
というのは、プディング型は、植木鉢のように淵のところが段差になっているので、紐を巻くことが出来ます。この紐がないとハンドルを結ぶことができなくて、熱湯から型を取り出すことがどうしても不可能になってしまうからです。
また、イギリスのプディングと呼ばれるものは、カスタード、クリーム、またはアイスクリームと一緒に食べるのが一般的です。
手作りのカスタード・ソースが一番なのですが、パウダーのカスタードを使うこともできます。(下の写真はイギリスのカスタードパウダーの老舗ともいえるBird’sのカスタードパウダーです。)
また、プディングの蓋をしめた状態で型のまま1週間くらい保存もできます。その場合、食べる直前に、(電子レンジで温めることも出来ますが)伝統的には、作る過程と同様の方法で30分~1時間程度蒸して温めます。
なお、プディングを温めないとしても、カスタードだけは温かいものを使うことをお勧めします。
カスタードパウダー(Bird’sはイギリスのカスタードパウダーの老舗のようです。)
材料
(約1500mlの大型のプディング型1個分)
*または約750mlの中型のプディング型2個、約750mlのケーキ型2個分、プディング型1個+ケーキ型1個
・セルフレイジングの全粒粉 (または普通の全粒粉+ベーキングパウダー 小さじ2)カップ1(マグカップ=約250ml)
・ダーク・ブラウン・ソフト・シュガー カップ1/3~1/2
・バター(常温で柔らかくしたもの) カップ1弱
・マーマレード(できれば色の濃いビターなもの)カップ1
・ドライ・アプリコット カップ1
<カスタード・ソース>
・牛乳 280ml
・卵 1個
・デメララ・シュガー 大さじ山盛り1(好みで調節してください)
・バニラエッセンス 数滴
・卵 1個
*または、パウダーのカスタード(上の写真)
蒸しあがったばかりのプディング(蓋を開けていない状態)
作り方
1 プディング型の内側にバターを薄く塗る。
*生地をオーブンで焼く場合は、オーブンを180度に温め、ケーキ型の内側をベーキングシートで覆う。
2 アプリコットを適当な大きさ(1~2cm程度)に刻む。
2 大きめのボウルに、砂糖とバターをいれ、木べら、または泡たて器で良く混ぜ合わせる。
3 マーマレードを入れ、さらに良く混ぜる。
4 全粒粉を入れ、さっと混ぜる。
5 卵をカップに入れよく溶いて、残りの部分に水を入れ、さらに混ぜてボウルにいれ、生地全体になじませる。
6 生地をプディング型に入れる。
*オーブンで焼く場合は、ケーキ型に生地を入れ、表面を整えて約50分~1時間焼く。ケーキの真ん中を竹串でさして、生地がついてこなかったら焼きあがり。型のまま網の上にのせ冷ます。
7 プディング型の表面よりも大きいサイズのアルミホイルを切り、表面を覆い、綿の紐で周囲を縛り、対角線の部分にしっかりと紐を結びつけ、ハンドルになるようにする。
*このハンドルがないと、熱湯からプディングを取り出すのがほぼ不可能となるので、必ずつけてください。
8 なべの1/3くらいにお湯を沸かし、弱火にして。プディングをそっと入れ、プディングが半分から2/3くらいお湯に使っていることを確認してから蓋をして、そのまま蒸します。
*大型のプディング型なら約4時間、中型なら約2時間蒸します。途中でお湯が減ってくるので、少しずつ熱湯をさしてください。
9 ハンドルを使って、熱湯に気をつけて、丁寧にプディング型を取り出す。
*型の内側に、きれいにナイフを入れ、1周させてから、お皿をあててさかさまにして取り出します。
<カスタード・ソース>
1 牛乳をなべで沸騰しないように温める。(なべはすぐに使うので洗わないで脇に置いておく。)
2 大きめのボールに卵、砂糖、バニラエッセンスを入れ良く混ぜる。
3 2のボールに牛乳を入れさらに良く混ぜる。
4 3をなべに入れ、木べらを使って混ぜながら、ゆっくりと弱火で温め、全体にとろみがついてきたらできあがり。
*カスタード・パウダーを使ってカスタードを作る場合は、パッケージの作り方にしたがってください。
ロード・ランドルのプディング(断面)
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