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Archive for the ‘イギリス プディング’ Category

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イギリスの伝統的なプディングといえば、オーブンで焼かずに蒸す、スエット(動物の脂肪分)が使われている、大きな丸いプディング型で作り切り分けて食べる、という感じなのですが、今回紹介するプディングはこのどれにもあてはまっていません。

最近スーパーマーケットでは、一人分の大きさの調理済みのプディングを売っていて、とても人気があります。

そこでカップケーキの型を使っNo.152のレモンプディングの生地をオレンジ味にしてオーブンで焼いてみました。伝統的な作り方ではないのですが、とても簡単で驚くほど美味しいプディングです。

No.152のレモンプディングとの違いは何と言っても調理時間です。蒸したプディングは弾力性のあるしっかりした生地に仕上がるのに対し、オーブンで焼いたものはふわっとしたスポンジになります。

オレンジの風味が爽やかな手軽なプディングを是非試してみてください。

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材料

(カップケーキサイズのプディング6個分)

<オレンジシロップ>

・オレンジの果汁1/2個分 (またはオレンジジュース30ml : 大さじ2)

・砂糖 20g

<スポンジ>

・バター (常温で柔らかくなったもの) 100g

・砂糖 100g

・ 卵 (常温) 2個

・セルフレイジンの小麦粉 100g

(または普通の薄力粉100g + ベーキングパウダー小さじ1)

・オレンジのの果汁 1/4個分 (またはオレンジジュース 15ml : 大さじ1)

・摩り下ろしたオレンジの皮 1個分

<サービング>

・生クリーム 約100ml

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作り方

<オレンジシロップ>

1 オレンジの果汁を絞り砂糖と良く混ぜ小針に置いておく。

(果汁の半分はスポンジを作るのにとっておく。)

2 プディング型の内側にバターを塗り、1のシロップを均等に入れる。

<スポンジ>

3 オーブンを180度に温める。

4 大きめのボウルにバターと砂糖を入れ全体が白っぽくなるまで泡立器で良く混ぜる。

5 そこに溶いた卵を1つずつ入れさらに良く混ぜる。

6 オレンジの皮を摩り下ろし3の生地に入れて混ぜる。

7 セルフレイジングの小麦粉(または普通の薄力粉+ベーキングパウダー)を5ミックスの生地に入れサクッと混ぜる。

8 オレンジの果汁1/2個分を入れさっと混ぜる。

9 オーブンで焼く20分間焼いて表面がうっすらとこんがりしてきて、竹串を刺してみて生地がついてこなかったら焼き上がり。

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10 バターナイフなどを使って、丁寧にケーキを型から出してひっくり返す。

(温かいうちに生クリームをかけて食べてください。常温でも美味しいですが、プディングというよりケーキという感じになります。)

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現代のイギリスではプディングよりもケーキの方が断然よく食べられているようですが、今回はそのプディングの中でもかなりベーシックなスポンジプディングを紹介します。

伝統的にはプディングといえば、スエット(動物の脂肪) を使うのが一般的なのですが、今回のレシピはバターのみ使ってある、いわば現代的なプディングです。レシピはイギリス人有名シェフ hugh fearnley whittingstall のものです。レモンの酸味とまろやかなクリームは永遠のコンビネーションと言えるでしょう。

2時間蒸すのはかなり長い時間ですが、オーブンがなくてもできるのはかなりのポイントだと思います。蒸すことによって、ケーキではないプディングの生地の舌ざわりになるわけです。

出来上がった熱々のプディングにクリームをかけて食べる瞬間、イギリスの味なんだなあと妙にうなずいてしまいました。

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材料

(750ml〜850mlのプディング型一個分)

<レモンシロップ>

・レモン汁 1個分

・ブラウンシュガー 25g

<スポンジ>

・バター (常温で柔らかくなったもの) 100g

・砂糖 100g

・ 卵 (常温) 2個

・セルフレイジンの小麦粉 100g

(または普通の薄力粉100g + ベーキングパウダー小さじ1)

・レモンの果汁 1個分

・摩り下ろしたレモンの皮 1個分

<サービング>

・生クリーム 約150ml

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作り方

<レモンシロップ>

1 レモンの果汁を絞りブラウンシュガーと良く混ぜ小針に置いておく。

2  プディング型の内側にバターを塗り、1のシロップを入れる。

<スポンジ>

3  大きめのボウルにバターと砂糖を入れ全体が白っぽくなるまで泡立器で良く混ぜる。

4 そこに溶いた卵を1つずつ入れさらに良く混ぜる。

5  レモンの皮を摩り下ろし3の生地に入れて混ぜる。

6  レモンの果汁を絞って小針に入れ、わきにおく。

7   セルフレイジングの小麦粉(または普通の薄力粉+ベーキングパウダー)を5ミックスの生地に入れサクッと混ぜる。

8  レモンの果汁を入れさっと混ぜる。

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9  生地ボウルに入れ表面を整えベーキングシートを円形に切って表面にのせる。

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10  アルミホイルにひだを付け(プディングが膨らんだ時のスペースの余裕分)をかぶせコットンの紐を周りにくくりつけハンドル部分も付けて結ぶ。

*ハンドルは熱湯の鍋から安全にプディング取り出すためです。

11  プディング型を2/3くらい熱湯に浸かるように鍋に入れて弱火で2時間蒸す。(ゆでる)

途中でお湯が減ったら熱湯を付け足してください。

12  ハンドルを使ってプディング型を熱湯から取り出して、紐、アルミホイル、ベーキングシート取り除き、大きめのお皿にひっくり返して熱いうちにサービングします。

*プディングを取り出す際には熱湯に十分気をつけてください。

<サービング>

熱いうちに切り分けて生クリームをかけて召し上がってください。

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今年のイギリスの五月は例年になく肌寒い日が多く、温かいスティームド(蒸した)・プディングが美味しく感じてしまうほどです。

スティームド・プディングは、オーブンを使っても出来ますが、鍋で長時間蒸すのが伝統的な手法です。

今回紹介するレシピは、リネットさんが収集した雑誌の切り抜きレシピの中からのセント・クレメンツ・プディング St.Clement’s Pudding(オレンジ&レモン風味)をオレンジ風味のみにアレンジしたものです。

型をひっくり返した瞬間、黄金色に輝いたオレンジの輪切りが現れるのは感動的と言えるかもしれません。

シンプルですっきりとしたマーマレード・フレーバーのスポンジは、そのままでも美味しいし、生クリームを添えると、高級感が増してリッチなデザートになります。

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材料

(約400mlのプディング型1個分)

・ゴールデンシロップ 大さじ3

・オレンジ 1/2個

・薄力粉 100g

・ベーキング・パウダー 小さじ1/2

・バター (常温または冷たいまま、どちらでもOK)40g

・砂糖 大さじ1

・卵 (常温)

・牛乳 大さじ1と1/2

・マーマレード 大さじ1と1/2

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作り方

1 小さめのなべにゴールデンシロップを入れ、弱火にかけてキャラメル色になったら、プディング型に流し入れ、ゆっくりと型を回しで内側をキャラメルでコーティングする。

2 オレンジを厚さ5㎜くらいの輪切りして、コーティングされた型の内側に軽く押し付ける。

3 中サイズのボウルに小麦粉、ベーキングパウダー、バターを入れ、指で全体をなじませる。

4 別のボウルに卵、牛乳、砂糖、マーマレードを入れ良く混ぜ合わせた後、3のボウルに入れ全体をさっと混ぜる。

5 生地を2のプディング型に入れ、表面をととのえ、ベーキングシートで覆う。

*ベーキングシートは折り目をつけてください。(折り目はプディングが膨らんだときのスペースのためです。)

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6 型の一番上をアルミホイルで覆い、また折り目を付け、型のまわりを綿の紐で巻き、ハンドルもつける。

*紐は、プディング型をお湯から出すときの取っ手です。取っ手がないと熱くて取り出すのが大変なので。

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7 中サイズの鍋にプディング型を入れ、沸騰したお湯をプディング型の2/3位まで注ぎ、弱火にかける。

8 なべに蓋をして、1時間~1時間15分ほど蒸す。

*途中でお湯が減ってきたら、沸騰したお湯を付け足してください。

9 取っ手を使ってプディング型を鍋から取り出し、注意しながら型をお皿にひっくり返す。

*暖かいうちに食べるのをお勧めします。

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IMG_6875 アップル・シャーロット

りんごを使った多くのケーキのレシピがありますが、アップル・シャーロットは、ちょっとユニークです。

というのは、すばりのケーキでもなく、タルトでもパイでなく…スライスしたパンに、煮たりんごを詰めて、オーブンで焼いたものです。

これと似たデザートとして、シャーロット・ルース(Charlotte Russe)というのがあり、アップル・シャーロットとルーツは同じのようです。

(シャーロット・ルースは、細長いスポンジを側面に立てて並べ、中の本体はムースというもので、アップル・シャーロットに比べると高度な技が必要です。)

19世紀の初頭、イングランド王ジョージ4世のフランス人シェフが、ロシアに滞在中にこのデザートの起源になるものを生みだしたそうです。

シャーロットと言う名は、ロシア皇帝ツァーの義理の妹:イングランド王ジョージ3世の妻にちなんでいるそうです。

フラン人シェフの作ったデザート(Charlotte de Pommes)が、イギリスの伝統的なデザートになった理由は、どうやらブレッド&バター・プディングの影響のようです。

要するに、少し古くなったパンを使い切るのに重宝なデザートだったからのようです。

1920年代が舞台のダウントン・アビーのお話にも、このアップル・シャーロットが登場するように、歴史的にもとても確固とした地位を築いているデザートです。

バターとりんごの果汁がしみたパンと、煮たりんごの組み合わせはとても良く、クリームを添えるとさらにおいしくなります。

失敗しないポイントは、パンを型に並べるときに隙間を作らないことです。

IMG_6834 りんご(Cox) りんごを煮る

材料

(直径約15cm、高さ約5cmの丸型のケーキ型)

・りんご(皮を剥いた状態で)400g

・レモンの果汁 1個分

・摩り下ろしたレモンの皮 1個分

・ライト・ブラウン・シュガー

・シナモン・パウダー 2.5ml

・バター 50g

・パン(薄さ約7mm)8~10枚

・砂糖 15ml(上にふりかける分)

・バター1かけ(型の内側に塗る分)

IMG_6846 底と側面にパンを敷き詰める IMG_6850 パンでしっかり蓋をする

作り方

1 りんごの皮をむき、芯を除き、2cm角くらいの大きさに切り、中サイズの鍋に入れる。

2 そこにレモンの皮を摩り下ろして混ぜ、ブラウン・シュガーとシナモン・パウダーを入れ、火にかけ、5分から7分煮てりんごが柔らかくなったら火を止め、冷ます。(柔らかくなりすぎないように気をつけてください。)

3 オーブンを180度に温める。

4 パンのみみを切り落とし、型の底と側面に合わせて切り、およそのパンの位置を見定める。

5 バターをフライパンで溶かし、パンの片面をバターにさっと浸して型の底と側面に敷く。

*バターを付けた側が型に密着するように、また、パンの間に隙間ができないように注意してください。

6 パンを敷き詰めたら、指でパン全体を押してしっかりした土台を作る。

7 煮たりんごをパンを敷き詰めた型の中に入れて、パンで蓋をし、アルミホイルをかぶせオーブンで40~45分焼く。

8 型から出し、グラニュー糖をかける。

IMG_6913 生クリームを添える

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IMG_1631 - Copy ミセス・タシスのリトル・プディング

この1品は、ちょっと珍しいケーキで、リネットさんの尊敬するエリザベス・デイビッドのレシピ本からのものです。

エリザベス・デイビッド(1913-1992)は、1960年年代~1980年代にかけてイギリスの料理界に多大な影響を与えた料理・歴史研究家です。

エリザベス・デイビッドの料理に対する取り組みは、広範囲で奥が深く、レシピそのものだけでなく、歴史研究の域に達しているそうです。

リネットさんは、幾度となくこのレシピ本を使っていて、レシピ本は相当使い込んであります。(ページがはがれてきているので、修理が必要です。)

IMG_1626 使い込んであるエリザベス・デイビッドのレシピ本

エリザベス・デイビッドによると、このリトル・プディングのルーツは、1694年のAnn Belcoweのレシピにまでさかのぼることができ、最終的に、ミセス・タシスのリトル・プディングという名がついて現在に至ります。

興味深いのは、サービングするときに、上下を逆にしてお皿に出すことです。(ひっくし返したほうが安定がいいからだそうです。このひっくり返す方法がトルコ、ギリシャに見られるそうです。)

レシピを継承したミセス・タシスは、このレシピからAnn Belcowはトルコ、ギリシャの血をひいていると推測したそうです。

生地の中にイーストが入っているところは、ブリオッシュ、クグロフ、に似てますが、プディングであるゆえに、生地の食感はとてもしっとりしていしています。

レモン風味の爽やかさと、控えめな甘さが、カスタード・ソースと良く合います。

細長い円筒形の型にいれて焼くのが伝統のようですが、これと同じ型でなくてもOKです。

IMG_1622 本の挿絵のリトル・プディング

材料

<リトル・プディングの生地>

(直径約5cm、深さ約5cmの型8個、または2リットルの大きい型1個)

・強力粉 225g

・クイック・ドライ・イースト 小さじ1

・生クリーム 大さじ5

・卵 3個  (常温のもの)

・砂糖 90g

・レモンの皮 (摩り下ろしたもの)2個分

<カスタード・ソース>

・牛乳 280ml

・卵 1個

・デメララ・シュガー 大さじ山盛り1(好みで調節してください)

・バニラエッセンス 数滴

IMG_1616 焼けてる途中

作り方

<リトル・プディングの生地>

1 大きめのボウルに、砂糖、強力粉、クイック・ドライ・イーストを入れて混ぜる。

2 1のボウルに生クリームと卵を入れ、良く混ぜ合わせる。

3 2のボウルにレモンの皮を摩り下ろして、さらに混ぜる。

4 型の内側にバターを薄く塗り、生地を型に入れる。

*イースト発酵で増えるので、型の淵から3分の2以下くらいのところまで生地を入れてください。

5 型のまま、暖かい部屋に約1時間おいて、イースト発酵させる。(1時間後には生地が膨らみます。)

6 オーブンを190度に温めた後、型をオーブンに入れ、約15~20分焼く。(大きい型で焼く場合は、約40~45分焼く。)生地がこんがりして、真ん中を竹串でさしてみて、生地がついてこなかったら、焼き上がり。

7 金網の上である程度冷まし、型から生地を出す。

<カスタード・ソース>

1 牛乳をなべで沸騰しないように温める。(なべはすぐに使うので洗わないで脇に置いておく。)

2 大きめのボールに卵、砂糖、バニラエッセンスを入れ良く混ぜる。

3 2のボールに牛乳を入れさらに良く混ぜる。

4 3をなべに入れ、木べらを使って混ぜながら、ゆっくりと弱火で温め、全体にとろみがついてきたらできあがり。

IMG_1638 ひっくり返してカスタードと一緒に

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IMG_1121 イヴズ・プディング

イヴズ・プディングのイヴとは、アダムとイヴのイヴです。

聖書に出てくる禁断の果実りんごを、ふんだんに使ったプディングということで、この名がついているようです。

イギリスの書物には、このプディングの原型が出てきたのが、1800年代初期ということなので、かなり古いプディングといえるでしょう。

かつては、イギリスには200種類ものりんごがあったという、りんごの産地ならではのプディングです。

煮たりんごの上に、スポンジがのっているという、とてもシンプルなプディングで、材料も簡単に手に入りますし、作り方もとても簡単です。

今回のレシピは、りんごにレモン汁を入れただけの甘酸っぱい味で、(レモン汁はりんごをきれいな色に保ってくれます。)スポンジ・ケーキの甘さととても良く調和しています。

また、りんごを煮るときに、シナモン・パウダーを小さじ1入れると、スパイシーなりんごの味になり、それもなかなかのものです。

温かいうちに、召し上がってください。生クリームをかけると、おいしさが一層引き立ちます。

IMG_1107 りんごをさっと煮る

材料

(直径約22cm、深さ約10cmの耐熱ボウル1個分)

<りんごのフィリング>

・りんご 500g

・レモン汁 大さじ1(約レモン半個)

・ 砂糖 大さじ1~2(りんごの甘さによって調節してください。)

・水 約50ml

<スポンジ・ケーキ>

・セルフ・レイジングの薄力粉(または全粒粉)125g

・バター(常温で柔らかくしたもの) 125g

・ライト・ブラウン・シュガー(または白砂糖)125g

・卵 2個

IMG_1110 焼く直前の生地

作り方

<りんごのフィリング>

1 りんごの皮をむき、一口大に切る。

2 なべにりんご、砂糖、レモン汁と水50mlを入れ、約5分間さっと煮たら、なべを火から下ろして冷ます。

<スポンジ・ケーキ>

3 オーブンを180度に温める。

4 ボウルにバターと砂糖を入れ、泡だて器でよく混ぜる。

5 そこにといた卵を一つずつ入れ、さらに混ぜる。

*卵を入れて混ぜる過程で、生地が分離してきたら、6の粉を大さじ1~2入れて混ぜると生地の分離を避けることが出来ます。

6 全粒粉、または薄力粉を5にふるい入れ、さっとまぜる。

6 煮たりんごを耐熱ボウルに入れ、その上に生地を平らにのせ、オーブンで約30分~40分焼く。

7 ケーキ生地の真ん中を竹串でさしてみて、生地がついてこなかったら、焼き上がり。

IMG_1118 焼き上がり直後

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IMG_1080 チョコレート・セモリナ・プディング

セモリナとは、Durum Wheat(デュラム小麦)という小麦粉の1種で、普通の小麦粉に比べると、黄色くてめが荒く、さらさらしています。

セモリナ粉を使ったケーキは、主に北アフリカ、トルコ周辺、イタリアなどに見られますが、イギリスでもよく出回っています。

このプディングは、デリア・スミス(Delia Smith)というイギリスの大御所のシェフのレシピで、リネットさんは、普通の砂糖の代わりに、ブラウン・シュガーを使っています。

リネットさんと妹さんにとっては、お母さんが作ってくれるこのプディングは、最高のご馳走だったそうです。

このプディングは、簡単に作れて、材料費も安めに出来て、本当に嬉しい限りのプディングです。

ココア・シロップの液体の多さに驚くかもしれませんが、セモリナは相当に水分を吸収するようです。

オーブンに入れる前に、生地の上にココアの液体を大量にかけるわけで、本当にこれでいいのだろうか?と心配になりますが、30分たつ頃には液体はほぼなくなっています。。

本物のチョコレートを使わずに、ココア・パウダーだけで、このチョコレートの味がでて、食感は、柔らかしっとり、信じられない感覚です。

私は胡桃を入れないほうが好きなのですが、胡桃を入れるとまた一味ちがったプディングになりますし、シナモン・パウダーを入れなくてもOKです。

また、オレンジの皮を摩り下ろして入れたり、という数々のアレンジが出来ます。

クリームをかけて食べると、ココアの味が一層まろやかに引き立ちます。

一度作ってみると、この簡単さとおいしさにやみつきになるはずです。

IMG_1070 セモリナ

材料

・セモリナ 60g

・ココアパウダー 30g

・デメララ・シュガー(またはソフト・ブラウン・シュガー)60g

・バター 30g

・ベーキング・パウダー 小さじ1

・シナモン・パウダー 小さじ1/2

・バニラ・エッセンス 小さじ1/2

・卵 2個

*オプションで砕いた胡桃 30g

<ココアの液体>

・お湯 280ml

・ブラウン・シュガー 60g

・ココア・パウダー 小さじ2

IMG_1075ココアの液体 IMG_1077 焼く直前

作り方

1 オーブンを180度に温める。

2 バターを中サイズのなべで溶かして、火からおろして冷ます。

3 その冷めたバターに、セモリナ、ベーキング・パウダー、シナモン・パウダー、ブラウン・シュガー(60g)、バニラ・エッセンスをいれ、混ぜる。

(胡桃を入れる場合は、砕いて、ここで入れてください。)

4 卵を小鉢でかるく溶いてから、3のなべに入れ、全体を混ぜる。

5 耐熱の容器の内側にバターを薄く塗り、生地を入れる。

<ココアの液体>

5 ココア・パウダーとブラウン・シュガーを大きめの容器に入れて良く混ぜ、お湯280mlを入れ良く混ぜる。

(上左の写真を参照してください。)

6 耐熱容器の生地の上に静かに流し込む。(上右の写真を参照してください。)

7 オーブンに入れ、約30分焼いて、生地の真ん中の部分が固まっていたら、出来上がり。温かいうちに食べるのが最高です。

(焼きあがった直後は、プディングがココア・シロップに浮かんでいるようになっています。時間が少したつと、水分が減ったようになります。)

IMG_1087 とりわけて IMG_1100 クリームと

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IMG_0974 フィギー・プディング+生クリーム

フィギー・プディングと聞けば、クリスマス・キャロルの一つ”We wish you a Merry Christmas” に出てくるFiggy Pudding を連想するイギリス人は多いと思いますが、実際にフィギー・プディングを食べたことのあるイギリス人は、現在はほとんどいないようです。

というのも、フィギー・プディングは19世紀を堺に、人気がなくなり、今では日常的には、このクリスマス・キャロルに名残があるくらいです。
We wish you a Merry Christmas;
We wish you a Merry Christmas;
We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.
Good tidings we bring to you and your kin;
Good tidings for Christmas and a Happy New Year.

Oh, bring us a figgy pudding;
Oh, bring us a figgy pudding;
Oh, bring us a figgy pudding and a cup of good cheer
We won’t go until we get some;
We won’t go until we get some;
We won’t go until we get some, so bring some out here

We wish you a Merry Christmas;
We wish you a Merry Christmas;
We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.

この歌も、フィギー・プディングも16世紀頃にその起源をさかのぼることができ、ヨーロッパの十字軍が中東から持ち帰った今日のプディングの原型だとされています。

フィギー・プディング自体は、姿を消したとはいえ、ドライ・フィグは、ヘルスフード・ショップでは定番のアイテムです。

ということで、ネットなどで探せば、フィギー・プディングのレシピは、けっこう見られます。

ここで紹介しているレシピは、リネットさんの新聞の切り抜きレシピの一つで、Phlippa Davenport という人のものだそうです。

リネットさんは、伝統的にプディング型に入れて、なべで蒸して作っていますが、蒸すのは時間がかかるので、オーブンで焼くと短時間で出来、焼き上がりも上々です。

オーブンで焼くにはケーキ型に入れるということなので、形がプディングの形にならないのと、プディングのブニブニ感が少なくて、気分が出ないというのが欠点でしょう。

フィギー・プディングの特徴は、なんといっても、プチプチと口の中ではじけるフィグの種の食感です。

柑橘類の風味とブラウンシュガーのコクが、お互いにひっぱりあっているような味がします。

プディングは、暖かいまま、生クリーム、カスタード、またはアイスクリームと一緒に食べるのが最高です。

IMGP4449 グレイト・ティット

材料

(1.2リットルのプディング型、または同等の体積のケーキ型)

・ドライ・フィグ225g

・レモン(またはオレンジ)摩り下ろした皮、果汁 1個分

・バター(常温で柔らかくしたもの)125g

・ブラウン・シュガー 125g

・卵 2個

・パンを摩り下ろしたもの(乾燥していない普通のパン)60g

・セルフ・レイジングの全粒粉 60g (または普通の全粒粉 60g+ベーキングパウダー小さじ1/2)

・ベーキング・パウダー 小さじ1/2

・シナモン・パウダー 小さじ1/2

・ミックス・スパイス 小さじ1/2

IMG_0956 アルミホイルの蓋と、紐のハンドル

作り方

1 フィグを適当な大きさに切る。(へたがあったら切り取って処分する)

2 レモン(またはオレンジ)の皮を摩り下ろして、果汁を絞る。

3 フィグを果汁に漬ける。

4 プディング型の内側に薄くバターを塗る。

*ケーキ型を使う場合は、型の内側をベーキングシートで覆い、オーブンを180度に温める。

5 大きめのボウルにバターと砂糖を入れ、木べらか、あわたて器で良く混ぜ合わせる。

6 卵を1つずつ入れ、さらに良く混ぜ合わせる。

7 全粒粉、ミックススパイス、シナモンパウダー、を入れ、さっと混ぜる。

8 パンを摩り下ろしてさらにさっと混ぜる。(このとき、生地が固すぎるようでしたら、牛乳またはジュースを少々混ぜて調節してください。)

9 生地をプディング型に入れ、生地の表面に2枚円く切りとったベーキングシートをぴったり載せ(水分が生地に入るのを防ぐ)、

型の上にアルミホイルをかぶせ真ん中に折り目をつけ(盛り上がった時のスペース分)、

綿の糸でしっかりと周囲を巻き、ハンドル部分をつける(ハンドルがないと、熱湯からプディング型を出すのがほど不可能です。)

*ケーキ型で焼く場合は、生地をケーキ型に入れ、表面をととのえ、オーブンに入れ、約1時間焼いて、竹串をさしてみて、生地がついてこなかったら焼きあがり。

10 なべに熱湯を沸かし、プディングの2/3くらいが熱湯に漬かるようにして、蓋をして、約2時間蒸す。(と中で熱湯が減っていたら、付け足してください。)

11 なべの火を消して、紐のハンドルを使ってプディング型を取り出しだす。

12 アルミホイルとベーキングシートを取り外して、プディングの側面にナイフをすべらせ、型にお皿をあてて全体をひっくっり返して、プディングを型から出す。

IMG_0960 型から出した直後

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ロード・ランデル・プディング+カスタード ロード・ランドルのプディング+カスタード

ロード・ランドル(Lord Randall)とは、18世紀のヒーローランドル卿の名で、Lord Randall というバラード(歌のバラード)は、イギリスの古くから存在するバラードの一つだそうです。

このバラードで歌われているランドル卿と、このプディングがどのような歴史的関係にあるのか、調べてる最中なのですが、まだわかりません。(わかり次第投稿したいと思います。)

ただどうやら、このプディングは、イギリスのプディングの中では、ちょっと特別なプディングという位置についているようです。

作り方は実は簡単なのですが、信じられないくらい味に深みがあり、1口食べただけでも、これは1段上のプディング!? というのがすぐにわかります。

マーマレードとアプリコットの組み合わせが、気高い味わいをかもしていて、カスタードととても良く合います。

伝統的にこのプディングには、ブラウンシュガーと、濃いめのマーマレードを使うのですが、手に入らない場合は、普通のマーマレードでも十分おいしく出来ます。

プディングと名のつくもの多くは、プディング型を使ってなべで蒸したものなのですが、プディング型がない場合は、同じ生地をそのままケーキ型に入れてオーブンで焼いても十分おいしく出来ます。

プディング型で蒸したほうがムチっとした感じに仕上がりますが、ケーキ型に入れてオーブンで焼くのは、なべで蒸すのより半分~半分以下の時間ででき、驚くほどにちゃんと焼きあがります。

(下の写真のケーキは、長方形のケーキ型を使って焼き、スライスしたものです。)

ロード・ランデル・プディング(オーブンで焼いたケーキバージョン) ロード・ランドルのプディングの生地をケーキ型に入れ、オーブンで焼いたもの(スライス)

プディング型のかわりに、普通のどんぶりなどの器を使うことは実はおすすめできません。

というのは、プディング型は、植木鉢のように淵のところが段差になっているので、紐を巻くことが出来ます。この紐がないとハンドルを結ぶことができなくて、熱湯から型を取り出すことがどうしても不可能になってしまうからです。

また、イギリスのプディングと呼ばれるものは、カスタード、クリーム、またはアイスクリームと一緒に食べるのが一般的です。

手作りのカスタード・ソースが一番なのですが、パウダーのカスタードを使うこともできます。(下の写真はイギリスのカスタードパウダーの老舗ともいえるBird’sのカスタードパウダーです。)

また、プディングの蓋をしめた状態で型のまま1週間くらい保存もできます。その場合、食べる直前に、(電子レンジで温めることも出来ますが)伝統的には、作る過程と同様の方法で30分~1時間程度蒸して温めます。

なお、プディングを温めないとしても、カスタードだけは温かいものを使うことをお勧めします。

Birds カスタードのパウダー カスタードパウダー(Bird’sはイギリスのカスタードパウダーの老舗のようです。)

材料

(約1500mlの大型のプディング型1個分)

*または約750mlの中型のプディング型2個、約750mlのケーキ型2個分、プディング型1個+ケーキ型1個

・セルフレイジングの全粒粉 (または普通の全粒粉+ベーキングパウダー 小さじ2)カップ1(マグカップ=約250ml)

・ダーク・ブラウン・ソフト・シュガー カップ1/3~1/2

・バター(常温で柔らかくしたもの) カップ1弱

・マーマレード(できれば色の濃いビターなもの)カップ1

・ドライ・アプリコット カップ1

<カスタード・ソース>

・牛乳 280ml

・卵 1個

・デメララ・シュガー 大さじ山盛り1(好みで調節してください)

・バニラエッセンス 数滴

・卵 1個

*または、パウダーのカスタード(上の写真)

ロード・ランデル・プディング(蓋つき) 蒸しあがったばかりのプディング(蓋を開けていない状態)

作り方

1 プディング型の内側にバターを薄く塗る。

*生地をオーブンで焼く場合は、オーブンを180度に温め、ケーキ型の内側をベーキングシートで覆う。

2 アプリコットを適当な大きさ(1~2cm程度)に刻む。

2 大きめのボウルに、砂糖とバターをいれ、木べら、または泡たて器で良く混ぜ合わせる。

3 マーマレードを入れ、さらに良く混ぜる。

4 全粒粉を入れ、さっと混ぜる。

5 卵をカップに入れよく溶いて、残りの部分に水を入れ、さらに混ぜてボウルにいれ、生地全体になじませる。

6 生地をプディング型に入れる。

*オーブンで焼く場合は、ケーキ型に生地を入れ、表面を整えて約50分~1時間焼く。ケーキの真ん中を竹串でさして、生地がついてこなかったら焼きあがり。型のまま網の上にのせ冷ます。

7 プディング型の表面よりも大きいサイズのアルミホイルを切り、表面を覆い、綿の紐で周囲を縛り、対角線の部分にしっかりと紐を結びつけ、ハンドルになるようにする。

*このハンドルがないと、熱湯からプディングを取り出すのがほぼ不可能となるので、必ずつけてください。

8 なべの1/3くらいにお湯を沸かし、弱火にして。プディングをそっと入れ、プディングが半分から2/3くらいお湯に使っていることを確認してから蓋をして、そのまま蒸します。

*大型のプディング型なら約4時間、中型なら約2時間蒸します。途中でお湯が減ってくるので、少しずつ熱湯をさしてください。

9 ハンドルを使って、熱湯に気をつけて、丁寧にプディング型を取り出す。

*型の内側に、きれいにナイフを入れ、1周させてから、お皿をあててさかさまにして取り出します。

<カスタード・ソース>

1 牛乳をなべで沸騰しないように温める。(なべはすぐに使うので洗わないで脇に置いておく。)

2 大きめのボールに卵、砂糖、バニラエッセンスを入れ良く混ぜる。

3 2のボールに牛乳を入れさらに良く混ぜる。

4 3をなべに入れ、木べらを使って混ぜながら、ゆっくりと弱火で温め、全体にとろみがついてきたらできあがり。

*カスタード・パウダーを使ってカスタードを作る場合は、パッケージの作り方にしたがってください。

ロード・ランデル・プディング(断面) ロード・ランドルのプディング(断面)

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スティームド・ジンジャー・プディング(とりわけ) スティームド・ジンジャー・プディング+カスタード・ソース

スティームド・プディングとは、オーブンを使わずに、なべで蒸して作るプディングです。時間はかかりますけど、なべ一つで出来るので、ある意味簡単に作れるプディングで、かなりイギリスらしいデザートです。

歴史的には17世紀には、プディングと言えば、布に巻いて茹でられていて、肉類がメインだったそうです。

それが18世紀には、肉類のプディングは消え、甘いものが主体になり、20世紀の初頭には、現在使われているようなプディング・ベイシン型が発明され、現在のプディングが生まれたそうです。

ジンジャー(しょうが)を使ったお菓子は、イギリスではとても人気があり、ジンジャー・ビスケット、ジンジャー味のチョコレートなどはお店で良く見かけます。

ここで紹介しているリネットさんのジンジャー・プディングは、とてもクラシックなイギリスのプディングです。

ブラウンシュガーの深い味わいと、ジンジャーは、カスタードととても良く合い、寒い冬には最高の1品です。

調理してすぐに召し上がらない場合は、蓋をしたまま2週間くらいは持ちます。食べる直前になべに沸騰したお湯を入れ、同じ手順で30分程度蒸して温めてください。

温かいカスタード・ソース、またはクリームと召し上がってください。

紐とホイルの蓋 紐を巻きつけ、ハンドルを作る。ホイルに折り目を入れる。

材料

(1と1/2パイント=約850mlのプディング・ベイシン型)

・バター(常温で柔らかくしたもの) 95g

・ソフト・ブラウン・シュガー 95g

・卵 2個

・セルフレイジングの全粒粉 185g

(または普通の全粒粉、薄力粉 185g+ベーキング・パウダー 小さじ1弱)

・ジンジャーパウダー 山盛り小さじ2

・ステムジンジャー 4かけ(手に入らない場合はなしでOK)

・蜂蜜 大さじ2

<カスタード・ソース>

・牛乳 280ml

・卵 1個

・デメララ・シュガー 大さじ山盛り1(好みで調節してください)

・バニラエッセンス 数滴

取り出す直前 出来上がったプディング。ベーキングシートをはがす。

作り方

1 大きめのボールでバターとブラウンシュガーを良く混ぜあわせる。

2 そこに溶いた卵を入れ、さらに良く混ぜ合わせる。

3 そこに全粒粉、ジンジャーパウダー、さいの目に切ったステムジンジャーを入れ、さっと混ぜる。

4 プディング・ベイシンの内側全体にバターを薄く塗って、蜂蜜をベイシンの底にたらす。

5 プディング・ベイシンの中に、3の生地を入れ表面を平らに整える。

6 ベーキング・シートをプディング・ベイシンの円型よりも少し大きめに、2枚円型に切り、2枚とも表面にぴったりとのせる。

7 アルミホイルを、プディング・ベイシンの円型よりも2~3cm大きく切って、折込をつけ(スポンジが盛り上がったときにスペースがあるようにするためです。)表面を覆う。

8 綿の紐を周囲に結びつけ、さらに上部にハンドルになるように紐を結びつける。(紐のハンドルは、プディングを熱湯から取り出すときに、とても便利です。これなしでは安全にプディングを、なべから取り出すことはとても困難です。)

9 なべにプディングを置き、熱湯をプディング・ベイシンの2/3くらい入れ、蓋をして弱火で約2~2時間半ゆでる/蒸す。

(この蒸すという過程が、スティームということになります。)

10 十分注意しながら、紐を使ってプディングをなべから取り出します。

11 紐を切り、アルミホイルとベーキング・シートをはがし、ナイフをスポンジの淵に滑り込ませる。

12 お皿をプディング・ベイシンの淵にあて、タオルを使ってプディング・ベイシンをひっくり返す。少し上下。前後に振ってみて、プディングが出た感覚があったら、プディング型を取り除く。

13 カスタード・ソース(またはシングルクリーム、泡立てないクリーム)をかけて温かいうちに召し上がってください。

<カスタード・ソース>

1 牛乳をなべで沸騰しないように温める。(なべはすぐに使うので洗わないで脇に置いておく。)

2 大きめのボールに卵、砂糖、バニラエッセンスを入れ良く混ぜる。

3 2のボールに牛乳を入れさらに良く混ぜる。

4 3をなべに入れ、木べらを使って混ぜながら、ゆっくりと弱火で温め、全体にとろみがついてきたらできあがり。

スティームド・ジンジャー・プディング(全体) お皿に出したスティームド・ジンジャー・プディング

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