今回紹介するケーキはお酒入りなのですが、いわゆる洋酒ではなく、スタウトと呼ばれる黒ビール入りのフルーツケーキです。
スタウトとは、一般にダークビール(黒ビール)を指す名称で、その中でもギネスビールが有名ですが、今回はスタウトの一種であるポーター(Porter)を使いました。
この種の黒ビールがケーキに使われる理由は、モルトの風味とそのまろやかな深みが、バランス良くケーキの味を引き立てるからだそうです。
ギネスと言えばダブリンが有名ですが、ポーターはロンドンで発明され、18世紀頃から人々に愛好され、最近のクラフト・ビールのトレンドにも乗って少し脚光を浴びている感があります。
このケーキの特徴は、なんといっても焼いてから1週間手を付けずに、容器の中に入れて成熟させるという事です。
お酒入りのクリスマスケーキを数か月成熟させるのよりは短いですが、作ってから1週間は食べられないというのは、知っておかないと少々ショックです。
(私はリネットさんと一緒に作り終わった瞬間に、1週間は我慢しなければならないことに気づきました。)
1週間後に容器を開けた瞬間、なんとも言えないコクのあるいい香りがしました。
黒ビール入りと言っても、ビールの味は直にはしません。
ドライフルーツの元来持つしっかりとした味に加え、モルトのしっかりした、まろやかな風味が加わり、味わい豊かなフルーツケーキです。
材料(直径約18㎝~20㎝のケーキ型1個分)
・バター(常温で柔らかくしたもの) 125g
・薄力粉(できれば全粒粉)225g
・ブラウンシュガー 160g
・ドライ・カラント 125g
・ドライ・レーズン 125g
・砂糖漬けのオレンジピール 65g
・ミックス・スパイス 大さじ1/2
・擦りおろしたレモンの皮 1個分
・スタウトビール(またはギネスビール)145ml
・卵 2個
・重曹 小さじ1/2
作り方
*焼きあがってから食べるまで1週間成熟させるので、食べる1週間前に作ってください。
1 オーブンを180度に温め、ケーキ型の内側をベーキングシートで覆う。
2 レモンの皮を摩り下ろして、小皿に置いておく。
3 大きめのボウルにバター、薄力粉(または全粒粉)を入れ、全体を指でなじませる。
4 3の全体がなじんだら、砂糖、ドライフルーツ、オレンジピール、スパイス、レモンの皮を入れ、全体が均一になるように混ぜる。
5 大きめの容器にスタウトビールを入れ、1分かき混ぜ、溶いた卵を入れて混ぜ、さらに重曹を入れて混ぜる。
6 5の液体を4のボウルに入れ、混ぜ合わせ、生地をケーキ型に入れオーブンで約1時間焼いて、生地の真ん中を竹ぐしで刺してみて、生地が付いてこなかったら焼き上がり。
7 型から出し金網の上に載せ冷まし、完全に冷めたら、ホイルで包んで容器に入れ1週間置いてから食べる。