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Archive for the ‘イギリス お菓子’ Category

先週リネットさんの家に一年半ぶりに遊びに行きました。イギリスでの新型コロナウイルスの感染状況は今も思ったより良くないのですが、ワクチンの接種状況は結構良くて、政府による規制もかなり緩和されました。

リネットさんの家に行くときは一緒にケーキを焼くのが普通なのですが、今回はリネットさんが午後のお茶とスコーンを庭のテーブルに用意してくれました。

リネットさん曰く、このスコーンは全く大したものじゃなくて、本当にただのスコーンだとのことです。

生地をくりぬいたりもせず、生地をまとめて適当に分けて焼いただけの不定形のスコーンに、家庭的で気取らないリネットさんの人柄が出ているような気がしました。そういえば不定形のスコーンなんて見たことがないかも…なんて思ったりして私はとても嬉しくなりました。

リネットさんが言うには、焼く前にオーブンをしっかりと温めておくことと、材料を手早くさっとまとめて、生地をこねないことが成功の秘訣だそうです。

焼きたてのスコーンはほんのり温かく、さくっと、ふわっとしていて、ジャム、クロテッドクリーム、バターとの相性もバッチりでした。用意されていたジャムは、リネットさんの手作りのラズベリージャムでした。

単に美味しかっただけでなく、なんだかこの素朴さの中に威厳をも感じてしまいました。心に残る午後のお茶でした。

基本というだけあって、応用が利くレシピなので、サルタナレーズンの代わりにすりおろしたチェダーチーズをいれるとチーズスコーンになるそうです。

材料(スコーン約8~10個分)

<生地>

セルフレイジングの薄力粉 225g(薄力粉185g、全粒粉の小麦粉40gのミックス)

ベーキングパウダー 大さじ1 (セルフレイジングでなく、普通の薄力粉を使う場合は大さじ1と2/3)

バター(常温) 60g

酒石酸水素カリウム(Cream of Tartar) 一つまみ

塩 一つまみ

ブラウンシュガー 小さじ2

サルタナレーズン (チーズスコーンにしたい場合はすりおろしたチェダーチーズ)60g

ヨーグルト(なければ牛乳) 大さじ1と1/2

<トッピング>

ジャム 大さじ3~4(適量)

バター 大さじ3~4(適量)

クロテッドクリーム 大さじ3~4(適量)

*チーズスコーンにする場合は、何もつけないかバターのみでOKです。

作り方

1 オーブンを220度に温める。

2 平らなベーキングトレイにバターを薄く塗る(またはベーキングシートを敷く。

3 サルタナレーズンとヨーグルト以外の材料を全部ボウルに入れ、バターナイフで全体を切るようにさっと混ぜる。

4 そこにサルタナレーズンとヨーグルトを入れ、生地をすばやくまとめる。

*混ぜすぎないように、できるだけ手早くまとめてください。

5 薄く小麦粉を敷いた表面3㎝くらいの厚さに広げ、適当に8つに分ける。(丸い型でくりぬいたり、ナイフで三角にしたり好きなような形にしてOKです。)

*時間をかけすぎるとその間に生地が活性化してしまうので、この過程も出来るだけ手早く行ってください。

6 生地をオーブンに入れ、15~20分焼いて、表面がうっすらと黄金色になったら焼き上がり。

*さっとまとめて、すぐにオーブンに入れた方が、スコーンがふっくら、さっくりと焼きあがります。

7 温かいうちに、バター、クロテッドクリーム、ジャムをのせて召し上がってください。

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今年のイースターは結構早めの4月1日でした。投稿がかなり遅れてしまったのですが、イースターに作ったビスケットを紹介します。イースタービスケットという確固としたものはないのですが、卵、うさぎ、ひよこ、子羊などがイースターの定番アイテムなので、これらの形を使って淡い色使いのアイシングで飾り付けをすればイースタービスケットになります。

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アイシングの飾りは少し面倒なのですが、いったん始めると結構楽しいものです。パイピング用の三角のビニール袋が必要です。

レモンの香りのビスケットは、爽やかな春らしい気分を運んでくれますが、年中を通していつ食べても美味しいフレーバーなので、飾りなし、または別の形と飾りつけで作るのもお勧めです。

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アイシングの飾りなしで簡単に作りたい場合は、ビスケットを型抜きしないで、生地をまとめて冷蔵庫に入れて固くした後薄めにスライスして焼いてください。パリっとサクッととても美味しいビスケットに仕上がりますし、アイシングで飾るよりもパリっとした期間が長持ちします。

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材料

(直径約5cmのビスケット40枚程度)

<ビスケット>

砂糖  80g

バター 100g

レモンの絞り汁 大さじ1

ゴールデンシロップ 大さじ2

薄力粉 250g

重曹 小さじ1/2

すりおろしたレモンの皮 1一個分

レモンエッセンス 小さじ1/2

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<飾り用アイシング>

粉砂糖 約大さじ12 (4色の食用色素を使う場合それぞれ大さじ3ずつ)

水 約小さじ12弱

食用色素 黄色、ピンク、緑 (白は何も入れない)

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作り方

1 鍋に砂糖、バター、レモンのしぼり汁、ゴールデンシロップを入れて、弱火でゆっくり溶かして混ぜる。*加熱しすぎないように注意して、バターがやっと溶けて全体が混ざったらすぐに火から下ろします。

2 大きめのボウルに薄力粉、重曹、すりおろしたレモンの皮、レモンエッセンスを入れて良く混ぜる。

3 そこに鍋で溶かした1を入れて混ぜ、手でまとめてから2つに分けて、サランラップで包んで冷蔵庫に入れ約30分置く。

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4 アルミホイルで卵の形のクッキー型を作る。アルミホイルを30㎝の長さに切り、幅2.5㎝位で数回折り、卵の形にして端をセロテープでとめます。その後また形を整えます。

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5 オーブンを160度に温める。

6 生地を冷蔵庫から出して、ベーキングシートをテーブルの上に敷いて生地を、薄力粉をまぶしたのし棒で4㎜程度の厚さにのばして、型を抜く。

7 平らなトレーにオーブンシートを敷いて、丁寧に型抜きしたビスケット生地をのせ、オーブンで約15分焼く。全体の色がうっすらとこんがり黄金色になったら焼き上がりです。すぐに金網の上に載せ冷ます。

8 残りの生地を再度まとめて、6~7の作業を生地が亡くなるまで繰り返す。

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9 アイシングを作る。小さ目のボウルに粉砂糖、水、食用色素ほんの少量を入れ、スプーンで良く混ぜる。気に入った色になったら、パイピング用の三角のビニールにいれ(先をほんの少しだけ切って、空気の逃げ穴を開けてから入れると、上手く入れることが出来ます。)先をゴムで縛る。*4色用意できなくてもOKです。

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10 ビスケットが完全に冷めたのを確認してから、アイシングで飾りつけをする。初めにどんなデザインにしたいか紙に書いて、お皿で少し練習することをお勧めします。食用色素はすぐに色が濃く出てしまうので、ほんの1,2滴たらしながらミックスして様子を見てください。

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11 アイシングが完全に固まってから、密閉のいい容器に入れて保管します。

⁑ 型抜きをしないで、生地をスライスして作る場合は、3の段階で、5㎝×5㎝程度(好みによって変えてください)の大きさに生地をまとめて冷蔵庫で5~6時間、または一晩おいてから、オーブンで焼きます。6~10のアイシングの作業は省きます。

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チョコレート・トリュフのトリュフは、高級きのこトリュフに見た目が似ているところに由来しています。

歴史的には1890~1920年頃、フランス人シェフのちょっとしたミスからチョコレートトリュフは誕生したそうです。

その後ヨーヨッパ中、アメリカに広がり、現在ではとても人気のあるチョコレート菓子の一つになっています。

ウイスキーはチョコレートに入れると、その高級な香りがチョコレートの風味をより一段と引き立たせてくれます。

ウイスキーと言えば、もちろんスコットランドのスコッチ、そしてアイルランドのアイリッシュ・ウイスキーですが、チョコレート・トリュフを作る場合は安いウイスキーで十分です。

ウイスキーの香りは好きだけど飲むのが苦手と言う人も、このトリュフならいけると感じる人が多いはずです。

また、ウイスキーの代わりに、シャンパン、ラム酒、ブランデー、コニャックなどでバラエティーを楽しむことも出来ます。

もちろんお酒無しで作ると、そのままの美味しいチョコレート・トリュフになります。

オーブン要らずで、材料の種類も少なく取り掛かりが簡単なので、是非どんどん作ってみてください。

ちょっとしたプレゼントにも最適で、その際は要冷蔵なので持ち運びに注意してください。

冷蔵庫にいれて保存し、3~4日以内くらいが美味しい賞味期限です。

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  アマリリスの花

材料(直径約2.5㎝のトリュフ25個分)

・プレーンチョコレート (カカオ50%程度)200g

・生クリーム 150ml

・ウイスキー 大さじ1(15ml)

・ココアパウダー 大さじ2 (約12~15g)

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作り方

1 チョコレートをほぼ均等な大きさに刻む。

2 約15㎝×25㎝深さ5㎝の容器(プラスチックでもOK)の内側をベーキングシートで覆う。

3 中サイズの鍋にクリームを入れ、中火でやや沸騰するくらいまで温め火を止める。

4 温めたクリームに、刻んだチョコレートを入れゆっくりと全体を混ぜ、最後にウイスキーを混ぜる。

5 用意しておいた2の容器にチョコレートを流し入れ、常温でしばらく温度を冷ました後、冷蔵庫に入れ一晩置きチョコレートミックスを固まらせる。

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6 できれば半球形の小さじを使って、チョコレートをほぼ同じ分量にわけてお皿に載せ(この作業はチョコレートが溶けないようにできるだけ素早く、暖すぎない部屋で行ってください。)冷蔵庫で再び115分程固まらせる。

7 ココアパウダーを小さめの器(お椀の大きさくらい)に入れる。

8 チョコレートの載ったお皿を冷蔵庫から出し、4~5個のトリュフを素早く手で丸め、ココアパウダーの入った容器に入れ、園を書くように容器を軽く揺らしてココアパウダーをコーティングして別の容器に入れ、すぐに冷蔵庫に入れる。

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9 この作業をトリュフがなくなるまで続ける。

10 トリュフを5~6時間以上冷蔵庫で冷やしたら出来上がり。

*ギフトにする場合も冷蔵庫の温度、または低温を保つように心がけてください。

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IMG_2130 ハーフ・チョコレート・コーティングのショートブレッド

ショートブレッドは、おなじみスコットランドの名物のお菓子で、イギリス代表のお土産の一つともなっています。

ショートブレッドは、いわゆるクッキーとは違って、卵は使わずその分バターの含有量が高いため、生地がサクサクです。

(No.81ではヘーゼルナッツ・ショートブレッドを紹介しましたので、良かったらそちらも参照してみてください。)

今回紹介するレシピは、ショートブレッドに好みのエッセンスを入れて風味を付けた後、チョコレートで半分コーティングするというものです。

エッセンスは無しでもショートブレッドは作れますが、ほんの少し香りを付けると、よりチョコレートとの相性が良くなるように思います。

上の写真は3回にわけて、3種類のエッセンス(バニラ、レモン、オレンジ)、チョコレートも3種類(ホワイト、ミルク、プレーン)を使ったものです。

レモンエッセンス+ホワイトチョコレート、オレンジエッセンス+プレーンチョコレート、バニラエッセンス+ミルクチョコレートという組み合わせにしました。

チョコレートでコーティングするのはちょっと面倒ではありますが、高級さが増して、その味の違いは別格です。

冷蔵庫で冷やした状態で食べるのがベストだと思います。

また、レモンエッセンスを使う代わりに、レモンの皮一個分をすりおろして使うとより豪華なレモン味になるので、そちらもお勧めです。

IMG_2127 バニラビーンズ、バニラエッセンス、レモンエッセンス、オレンジエッセンス

材料

(直径約5㎝のショートブレッド約20~25枚分)

・バター 125g

・薄力粉 180g

・砂糖 (できるだけ細かいもの)65g

・エッセンス(レモン、オレンジエッセンス、バニラ、またはバニラビーンズのどれか)小さじ1/4

・チョコレート (ホワイト、ミルク、プレーン、ダークのどれか)約75g

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作り方

1 大きめのボウルにバターと砂糖を入れ、泡だて器で白っぽくなるまで混ぜあわせ、エッセンスも入れて混ぜる。

2 そこに薄力粉をふるい入れ、全体が均一になるようにさっと混ぜる。

3 生地を適当に丸めてラップに包み冷蔵庫で30~45分冷やす。

4 オーブンを150度に温め、ベーキングシートをトレイに敷く。

5 平らな表面に小麦粉を敷き(一掴みくらい)、生地をのし棒で厚さ4㎜くらいに伸ばし、型をくりぬく。

6 くりぬいた型の生地を平らなナイフなどを使って、丁寧にベーキングシートに載せ、オーブンで約15~20分焼く。

*端っこがほんの少し色がついたかつかないかくらいの焼き加減がちょうどいい焼きです。焼きすぎると茶色くなってしまうので、気を付けてください。

残った生地はまたのばして型を抜く。

7 焼きあがったら、金網の上に載せ冷ます。

5~7の作業を何回か繰り返す。

IMG_2125 チョコレート・コーティングしたばかり

<チョコレート・コーティング>

8 平らなトレイにベーキングシートを敷く。

9 ショートブレッドが完全に冷めたのを確かめて、チョコレートを湯せんで溶かす。

*鍋に1/4くらいお湯を入れ弱火にかけ、耐熱ボウルの底がお湯に付かないようにのせ、チョコレートをゆっくり溶かしてください。

その際、チョコレートの中に一滴でも水が入らないように注意してください。また耐熱ボウルは完全に乾いた状態でチョコレートを入れてください。…でないとチョコレートが分離してしまいます。

10 チョコレートが溶けたら、ショートブレッドの端をもち、表を中心にチョコレートにディップして、すぐに用意したベーキングシートの上に載せる。

11 注意深く冷蔵庫に入れてチョコレートを固める。

数時間でチョコレートは固まります。ホワイトチョコレートはプレーンよりも固まるのに少々時間がかかります。

12  チョコレートが固まったのを確かめて、お気に入りの缶や容器にいれる。

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IMG_2206 アプリコット・ミンツ・パイ

ミンツパイは、クリスマスが近づくとお店に出回るお菓子なのですが、ここ最近ミンツパイがお店に出るのが年々早まってきています。

クリスマス商戦なのでしょうが、10月頃にはかなり早すぎて気分がでません。

歴史的には、クリスマスの12夜(Twelve nights:クリスマスから数えて12夜)にいろいろな家のミンツパイを毎日1つずつ食べると幸運が訪れ、素敵な新年を迎えられると言われているそうです。

しかし実際は、クリスマス前の2週間くらいに、屋外でのマーケットや、キャロルコンサートの際に、熱いモルドワインを飲みながらミンツパイを食べるというのが、ミンツパイの王道の食べ方のようです。

(またはいろんな職場のクリスマス・パーティーでは、ミンツパイは良く登場するみたいです。)

ということで、クリスマスは数日前に過ぎてしまいましたが、まだクリスマスの12夜の前半なのでミンツパイのレシピを紹介します。

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今回のミンツパイは、リネットさんの秘伝レシピのミンツパイ(No.29で紹介してあるので良かった参照してください。)ではなく、一般的なミンツパイにほんの少しひねりを加えたものです。

一般的なミンツパイは、中身はミンツミート(ドライ・フルーツをスパイスとお酒で甘く煮たもの)ですが、このアプリコットミンツパイは、刻んでいないそのままのドライアプリコットが入っています。

アプリコットは、ドライフルーツの中でも、爽やかな軽い味なので、パイ全体の味がフルーティーに、甘さも少なくなるというわけです。

というのも、実は市販のミンツミートが瓶半分しか残っていなかったので、アプリコットを使うのを思いついたわけです。

レシピのペイストリー生地には、Oxfam(チャリティー団体)のカレンダーに付いていたものを使いました。アーモンド・プードルと卵が1個入っています。

そのため、ペイストリー生地だけでもビスケットのような美味しさです。

一般的なミンツパイが甘すぎるという人には、このアプリコットミンツパイは特にお勧めです。

IMG_2085 南ロンドンの教会(Crystal Palace)

材料

(直径3.5㎝のパイ約24個分、直径7㎝のパイ約12個分)

・ミンツミート 150g

・ドライ・アプリコット 24個

・薄力粉 200g

・砂糖 40g

・アーモンド・プードル 75g

・無塩バター 125g

・卵 1個

・牛乳 ほんの少々

IMG_1965 市販のミンツミート

作り方

1 バターを1㎝角の大きさに切る。

2 大きめのボウルに小麦粉、アーモンド・プードル、バターを入れ、全体が均一に混ざるように指でなじませる。

3 そこに砂糖を入れて混ぜ、溶いた卵を入れて混ぜて生地をまとめて、ラップでくるんで冷蔵庫に約1時間入れる。

4 1時間経ったら、オーブンを200度に温め、パイ型の内側にバターを薄く塗る。型も用意する。

*直径3.5㎝のパイ型には直径6㎝の丸型がちょうど良いです。コップでもOKです。表面の星型の型はパイ型の直径と同じものが理想です。

IMG_2210 アプリコット・ミンツ・パイ

5 平らな表面に小麦粉をたっぷりめ(一掴み程度)全体の生地の2/3を、のし棒を使って4㎜くらいの薄さにのばし、型を抜いてパイ型に軽くのせる。残りの1/3の生地は冷蔵庫に戻す。

*この時点で生地を型の底に指で押さなくて大丈夫です。フィリングを入れる時にこの作業をした方が、型を抜くのに専念できると思います。

*残りの生地も再度丸めて、型を抜く。

6 それぞれの生地の真ん中にアプリコットをのせ、生地が底に着くように指で軽く押して整える。

7 アプリコットの上にミンツミートを小さじ1くらいのせる。

8 冷蔵庫から残りの生地を出して、平らな表面で約4㎜にのばし、星形などの形に抜いて表面に載せ、生地がくっつく部分にはほんの少量の牛乳を塗る。

*牛乳をぬるのは、表面の星形を固定させるためです。

9 星形の表面にも少量の牛乳をぬり、星の真ん中に穴を開ける。

*穴は蒸気が抜けるためのもので、星型の場合は、横から蒸気が抜けるので開けなくても大丈夫なのですが、穴を開けた方が、焼いている過程で星が浮きあがらないようです。

9 オーブンで約25~30分焼き、表面にうっすらと色が付いてきたら焼き上がり。

10 パイがまだ熱いうちに型から出して、金網の上に載せて冷ます。

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IMG_9670 ブライトン・バンズ

このブライトン・バンズは前回のNo.117で紹介したロンドン・バンズの別バージョンです。

ブライトン(Brighton)は、イギリス南部の海岸に面したとても自由な雰囲気の街で、夏は特に観光客や語学留学の学生でにぎわいます。

このお菓子は、ロンドン・バンズ同様、パンではなく、スコーンやロック・ケーキにかなり近いものです。

材料を混ぜて、適当な大きさに分けて焼くだけというシンプルさは、アフタヌーン・ティーに最適な一品です。

ロンドン・バンズとの違いは、ブライトン・バンズにはアーモンド・プードルが入っていることで、そのため、生地が少々しっとり感を帯びています。

このレシピも、ロンドン・バンズ同様リネットさんのおばあ様が残した手書きのレシピからのものです。

私は今回まで、ブライトン・バンズとう名前を聞いたことがありませんでしたし、お店で見かけたことも今のところありません。

ブライトンの地元のベーカリーに足を運べば発見できるのかもしれません。

好みでドライ・カレント、レーズン、ドライ・クランベリー、オレンジピールなどを混ぜて焼くこともできます。

(その際は、下記の作り方4の後に大匙2ほどのドライフルーツを混ぜてください。)

焼きたてを温かいまま、または少し冷めてからビスケットのように食べるのもおいしいですし、スコーンのように半分に切ってバター(またはクリーム)とジャムを塗ると、アフタヌーン・ティーの気分が盛り上がります。

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材料

(約10個分)

・砂糖 40g

・バター(常温で柔らかくしたもの)60g

・セルフ・レイジングの薄力粉 125g(または普通の薄力粉125g+ベーキングパウダー 小さじ1/2)

・アーモンド・プードル 40g

・卵 1個

IMG_9657 焼く直前の生地 IMG_9659 焼きたて

作り方

1 オーブンを180度に温め、平らなトレイの上にベーキングシートを敷く。

2 中サイズのボウルに、砂糖とバターを入れ、全体が白っぽくなるまで泡だて器で良く混ぜる。

3 そこに卵を入れ、さらに混ぜる。

4 アーモンド・プードルを入れ、さっと混ぜ、薄力粉(+ベーキングパウダー)も入れ、全体が均一になるように手早く混ぜる。

5  スプーンを使って、生地をピンポン玉程度の大きさにして、ベーキングシートを敷いたトレイにのせる。

6 オーブンで15~20分焼いて、全体がほんのりと、色がついた感じになったら焼き上がり。金網の上に載せる。

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IMG_9389 ロンドン・バンズ

今回紹介するロンドン・バンズとは、珍しくロンドンという名が付いているイギリスのお菓子です。

しかし大都市としてのロンドンと反比例するかのように、ロンドン・バンズの知名度はかなり低いと思います。

このレシピは、度々登場するリネットさんのおばあさんが残した手書きのレシピからのものです。

私はこれまで、ロンドンバンズの存在を知りませんでしたし、お店でもまだ見たことはありません。

ネットで調べてみたところ、19世紀後半にはレシピの記録があったそうなので、かなり昔から存在していたようではあります。

バンズ(Bunの複数形) とは、普通丸いパンのことをいうのですが、ロンドン・バンズはパンではなく、スコーン、またはロック・ケーキに近いものです。(スコーンはNo.47、ロック・ケーキはNo.68で投稿しましたので、よかったら参照してください。)

とにかく作り始めてから食べるまで30分という早さが第一のポイントですが、作り方のシンプルさも大きな魅力で、材料を混ぜて適当な形にして焼くだけという、イギリスのホームベーキングらしいお菓子です。

摩り下ろしたレモンの皮が、このロンドン・バンズの一番のユニークな美味しさで、思わぬ香りが口いっぱいに広がります。

焼きたてを温かいまま、または少し冷めてからでも、どちらも美味しくいただけます。

半分に切ってバターをぬって、ティーと召し上がってください。

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材料

(約12個分)

・砂糖 (できればライト・ブラウン・シュガー)50g

・バター (常温で柔らかくしたものが扱いやすいですが、冷蔵庫からだしたままの硬いものでもOKです。) 65g

・薄力粉(または全粒粉) 225g

・ベーキング・パウダー 小さじ1

・サルタナ・レーズン 35g

・オレンジ・ピール(砂糖漬け) 35g

・摩り下ろしたレモンの皮 1個分

・卵 1個

・牛乳 80ml程度

IMG_9316 リネットさんの近所の庭のAzalea (つつじ)

作り方

1 オーブンを180度に温め、トレイにベーキングシートを敷く。

2 レモンの皮を摩り下ろす。

3 大き目のボウルに、小麦粉、ベーキング・パウダー、バターを入れ、指でバターをなじませるように全体を混ぜる。

4 そこに砂糖、サルタナ・レーズン、オレンジ・ピール、レモンの皮を入れて、均一になるように混ぜる。

4 そこにといた卵を入れ、ナイフを使って、切るようにさっと混ぜる。

5 最後に牛乳を入れ、ナイフを使って少し切るように混ぜたあと、手で生地を全体にまとめる。

6 生地を12等分して、適当な丸型にしてトレイに載せ、オーブンで約15~20分焼いて、こんがりした色になったら、焼き上がり。

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IMG_6958 イースター・ビスケット

イギリスのイースター(復活祭)の食べ物は、お店に出回る卵型のチョコレートの他に、グッド・フライデーに食べるホット・クロスバンズと、伝統的なシムネル・ケーキがあります。

(ホット・クロス・バンズとシムネル・ケーキは、No.65 とNo.15 で紹介したので、よかったら参照してみてください。)

ホット・クロス・バンズも、シムネル・ケーキも、どちらもシナモンなどのスパイスが入っていて、この味はクリスマス・プディングにも共通している、イギリスの味という気がします。

そこで今回は、このスパイスがほんのり利いた、イースター・ビスケットを紹介します。

イースターに特別食べる伝統的なイギリスのお菓子ではないのですが、このようなスパイス風味のビスケットを最近お店でちらほら見かけました。

このビスケットは、材料を混ぜて、固めて、冷やして焼くだけという、とても簡単なもので、味は驚くほどにおいしいのです。

乾燥ココナツが、ビスケットの生地をちょっとホロっとさせていて、スパイスと甘さは思ったよりも控えめで、幸せの味がします。

焼いた当日のビスケットの味は最高です。ミルクをたっぷり入れたティー、または温めた牛乳ともよく合います。

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材料

(約35~40枚分)

・薄力粉 200g

・ベーキング・パウダー 小さじ2

・砂糖 (ライト・ブラウンシュガー、または白砂糖)125g

・乾燥ココナツ(細かく裂かれたもの)30g

・シナモン・パウダー 小さじ1

・無塩バター 150g

・卵 3個

・ドライ・カレント 30g

・ドレンチェリー 30g

・オレンジ・ピール 30g

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作り方

1 大きめのボウルに、小麦粉、ベーキング・パウダー、砂糖、乾燥ココナツ、シナモン・パウダー、バターを指で混ぜ全体をなじませる。

2 卵を別の容器に入れてといてから、1のボウルに混ぜて、全体をまとめる。

3 そこに、ドライ・カレント、刻んだドレン・チェリー、オレンジ・ピールを入れて混ぜる。

4 生地をまとめてから、直径5cmくらいの円筒形にしてラップで固く包み、冷蔵庫で5、6時間冷やし固める。

5 オーブンを175度に温め、ビスケットを焼くトレイにベーキングシートを敷く。

6 冷蔵庫から生地を出し、4mmの厚さにスライスしてオーブンで約20分焼き、すばやく金網の上に載せ冷ます。

*生地をスライスするときは、5mm以上にならないように気をつけてください。厚すぎるとビスケットがサクッと焼きあがらないようです。

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IMG_5533 ステムジンジャー・マカルーン

マカルーン(Macaroon)は、アーモンド・プードル(アーモンドの実をひいた粉)、卵白、砂糖に、ココナツなどを混ぜて焼いたお菓子で、その原型は9世紀のイタリアの修道院にまで起源をさかのぼることが出来る古いお菓子です。

ここで注意しておきたいのは、ふんわり軽い丸くて中にクリームの挟まった、フランス菓子のマカロン(Macaron)とは、別のお菓子だということです。

無論どちらも卵白と砂糖を使ってありますが、今回紹介しているマカルーンの方は、重量感もわりとあって、食べ応えも十分なので、一口食べただけで、マカロンとは違うことはすぐにわかります。

名称の起源は、イタリア語のMacarone(ペースト=アーモンド・ペーストの意)で、後にフランス、ベルギーに渡り、また小麦粉不使用の事実がまたユダヤ人に好まれ、ユダヤ人の移民とともにヨーロッパ大陸に広まったそうです。

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さて、ステム・ジンジャーとは、砂糖漬けにした生姜なのですが、イギリスでは、ビスケット、ケーキ、プディングなどにたくさん使われています。

甘くてちょっとピリ辛い味が、イギリス人好みなのかわかりませんが、とても人気があります。

なのでこのお菓子は、ヨーロッパというよりも、イギリスのお菓子と言いたい気がします。

一口食べると、アーモンドのかりっとした食感のあとに、卵白の柔らかさと、ステムジンジャーの果肉をそのまま楽しむことができます。

今回紹介するレシピは、リネットさんが雑誌を切り抜いて保管しておいたもので、作り方は、材料を混ぜて丸めて焼くだけ、というとても簡単なもので、すぐに出来るのも魅力のひとつです。

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材料

(直径約3cmのマカルーン18~20個分)

・アーモンド・プードル 200g

・砂糖 100g

・卵の白身 2個分

・ステム・ジンジャー 150g

・アーモンド・フレーク 大さじ2~3

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作り方

1 オーブンを170度に温め、平たいトレイに、ベーキングシートを敷く。

2 大きめのボウルに、卵の白身、アーモンド・プードル、砂糖、ステムジンジャーを入れ、全体が均一になるように、木べらでよく混ぜる。

3 2の生地を約直径3cmのボール状にさっと丸めて、外側にアーモンドフレークをまぶして、ベーキングシートの上に一つずつ並べる。

4 オーブンで約30分焼いて、全体がうっすらとこんがりしたら、焼き上がり。

5 すぐに金網の上に並べて冷ます。

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IMG_0473 チョコレート・クリスピー・ケーキ

このチョコレート・クリスピー・ケーキは、大人のイギリス人にとっては、子供時代の思い出のおやつだそうで、リネットさんにとっては、ちょっと裕福なお家のキッズ・パーティーを思い出させるお菓子だそうです。

スーパーでも、このお菓子はパック(苺のパックと同じようなパック)入りで売っているので、根強い人気のあるお菓子なのだろうと察せられます。

日本人としては「なーんだ、チョコフレークじゃん。」と思うように、まさに(森永製菓さんの)チョコフレークを固めたお菓子に他なりません。

一口サイズに固められていると、チョコフレークというよりも、なにかちょっと特別かな、という気もして「チョコレート・クリスピー・ケーキ」という名に納得できないことはありません。

クリスピーというように、コーンフレークがサクサクで、チョコレートとの相性はピカイチです。

今回紹介している、ミルクチョコとダークチョコの半々の味は格別で、このお菓子は一度食べ始めたらやめられません。

固めるときに、冷蔵庫で固めると、チョコレートの表面が白くなってつやが消えてしまうので、出来れば温度の低めの部屋でゆっくりと固めることをお勧めします。

といった理由で、このお菓子は、夏に作るよりも寒い時期に作るのがいいと思います。

(とはいえ、見た目さえ気にしなければ、冷蔵庫で固めても十分OKです。カリっとした歯ごたえの冷たいチョコレートが好きな方にはこちらの方がいいかもしれません。)

また、1個ずつの容器で固めず、サランラップやベーキングシートの上で広げて固めれば、まさにチョコフレークのようになります。

ダークチョコレートだけで作るのも、ミルクチョコレートだけで作るのも、お好み次第です。

また、チョコレートを上のレシピよりも多めにしても、少なめにしても、もちろんちゃんと固まるので、数回作って自分の好きな分量を発見するのもいいと思います。

なにしろオーブン要らずの簡単レシピなので、気軽に作ってみてください。

IMG_3812 コーン・フレーク

材料

(3cm×3cm×3cmのかたまり約20~25個分)

・コーン・フレーク 100g

・プレーン(またはダーク)チョコレート 100g

・ミルクチョコレート 100g

IMG_3808 湯せんで溶かしたチョコレート

作り方

1 ボウルにプレーン(またはダーク)チョコレートと、ミルクチョコレートを小さめに割って入れ、湯せんで溶かして、人肌くらいになるまで少し冷ます。

*湯せんでチョコレートを溶かす

なべの1/4程度の分量の熱湯を弱火にする。お湯に耐熱ボウルの底が接しないようにボウルをのせ、チョコレートをゆっくり混ぜながら溶かす。

チョコレートの中に水、お湯が絶対に入らないようにしてください。

2 大きめのボウルにコーンフレークを入れ、溶かしたチョコレートを混ぜ合わせる。

(コーンフレークを混ぜるのに、ある程度のスペースを必要とするので、出来るだけ大きめのボウルを使ってください。)

IMG_3813 コーン・フレークと溶かしたチョコレートを混ぜる

3 ティースプーンを使って、チョコレートが混ざったコーン・フレークを小さな入れ物に分け入れる。

4 温度の寒いところに4~5時間置く。

(冷蔵庫に入れると、チョコレートの温度が下がりすぎて、表面が白くなってしまいます。とはいえ、味には何の差支えはありません。)

IMG_0476 チョコレート・クリスピー・ケーキ

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