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Archive for 2012年6月

 マージョリーさんのグランサム・ジンジャー・ビスケット

生姜(ジンジャー)はイギリスのお菓子やケーキに、良く使われ、何といってもこのビスケットは、ジンジャー味のお菓子の王様でしょう。

イギリスの、ビスケットの詰め合わせの箱の中などにも、必ずといってもいいほど登場する、オールド・ファッションなビスケットです。

このレシピは、リネットさんがお母さんのマージョリー(Marjorie)さんから受け継いだものです。それをリネットさんが、全粒粉とブラウン・シュガーでアレンジしました。

グランサム(Grantham)とは、マージョリーさんが育った、イギリス北部のリンカーン州(Lincolnshire)にある町の名です。

このビスケットの歯ごたえはかたく、口の中で、じわ~っと溶けていきます。ジンジャー・ブレッドと呼ばれる、人形の形をしたビスケットとかなり違う点は、この歯ごたえのよさです。(ジンジャー・ブレッドには、トレイクル・シロップなどが入っていて、柔らかめにできています。)

密封のいい容器に入れておくと、2週間くらい持ちます。蓋をあけると、バターとジンジャーの香ばしい香りが広がります。生姜の味も少々ピリッときて、紅茶のお供には欠かせません。

 リネットさんのお母さん、マージョリーさん

材料
(約40枚分)

・ バター 185g(常温で柔らかくしたもの)

・ ソフト・ブラウン・シュガー 225g

・ セルフ・レイジングの全粒粉 225g

(または普通の全粒粉225g+ベーキングパウダー 小さじ2+塩 小さじ1弱)

・ ベーキング・パウダー 小さじ1/2

・ ジンジャー・パウダー 小さじ3

・ 卵(小さめ)1個

 リネットさんの庭のバラの花

作り方

1 大きめのボールにバターと砂糖を入れ、木べらで良く混ぜ合わせる。

2 そこにベーキング・パウダーとジンジャー・パウダーを入れ、さっと混ぜる。

3 卵を入れ、さらに混ぜる。

4 生地をさっと丸めて、冷蔵庫で30分~1時間ねかせる。(ビスケットの形にするときに、扱いやすいようにするためです。)

5 オーブンを150度に温める。

6 ベーキング・トレイの表面に小麦粉を少々のせ、底を指でたたいて小麦粉を薄く均一に広げる。

7 生地を直径約2.5 cmのボール状に丸め、トレイの上に間隔をあけてのせる。(20cm×30cmくらいのトレイなら、約8個くらい。加熱してビスケットが広がってもお互いくっつかないためです。)

8 生地をオーブンに入れ、15分~20分程度、ビスケットに割れ目ができて、完全に広がり、少しこんがりしてくるまで焼きます。ビスケットは直径5.5 cm~6cmくらいに広がっているはずです。(焼きすぎに注意してください。)

9 ビスケットが熱いうちに、平たいフライ返しのようなものを使って、金網に出して冷ます。ビスケットは熱いうちはとても柔らかいので、形を崩さないように気をつけて扱ってください。

*金網にのせたあとは、わりとすぐに冷めてかたくなります。(とても熱いので、手でビスケットを取り出さないでください。)

10 残りの生地を同じように焼く。

 マージョリーさんのグランサム・ジンジャー・ビスケット(缶入り)

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 デメララ・メレンゲ+苺+クリーム

メレンゲをクリームとストロベリーで食べるデザートは、イギリスの初夏のデザートです。毎年6月は、苺がお店にたくさん登場します。イギリスの苺はけっこう酸味が強いせいか、よくクリームと一緒に食べられます。

メレンゲのお菓子自体は、スイス、フランスが起源だそうですが、この苺とクリームと一緒に食べるデザートは、とてもイギリスらしいデザートで、結婚式の披露宴などの食事のデザートなどにも人気のようです。

甘いメレンゲと、砂糖無しのコクのあるクリームと、酸味のきいた苺は最高のコンビネーションです。苺がない場合は、キウイ、ラズベリーなどの酸味のきいた果物が良く合います。

ここで触れないわけにはいかないのが、有名なデザート、パヴロヴァ(Pavlova)でしょう。ロシアの有名なバレリーナ、アナ・パブロヴァが1920年代に、ニュージーランド、オーストラリアを訪れた際に、ホテルのシェフが彼女にささげたデザートとして、パヴロヴァという名がついたそうです。

パヴロヴァを作る場合は、メレンゲを焼く段階で大きな円形にして、その中にあわ立てたクリームと果物を入れて飾りつけをします。

リネットさんのように、1人分ずつの大きさでメレンゲを作ると、個々人のお皿できれいに飾りつけができます。(パヴロヴァだと、個々のお皿に盛り分けるときに大変だったりします・・・。)

デメララとは、デメララ・シュガーのことで、ブラウンシュガーの一種です。日本の粗目よりは細かくて、グラニュー糖よりは1粒が大きく、半透明な茶色をしています。南アメリカ大陸のガイアナ共和国のデメララ植民地が原産地であることから、その名前が由来しているそうです。

リネットさんはなるべく体に悪くない砂糖を使ってデザートを作りたいという思いから、この砂糖を選んで作っていますが、手に入らない場合は、普通のグラニュー糖で作れます。

手作りのメレンゲは、真ん中が少しねっとりしがちなのですが、それも手作りのチャーミングな点だということにしておきましょう。味は驚くほどおいしく、2つくらい食べたくなると思います。

 リネットさんの畑で採れたストロベリー

材料

(約10~12個分)

・卵白 3個分

・デメララ・シュガー(またはグラニュー糖) 180g

(*卵白1個分に対し、砂糖60gの比率なので、分量を変えることは簡単に出来ます。)

・生クリーム 150ml程度

・苺(またはラズベリーやキウイなどの酸味のある果物)適量

 リネットさんの庭のワイルド・ストロベリー

作り方

1 大き目のボールに卵白を入れ、つのが立つまであわ立てる。

2 そこに半分の量の砂糖を、スプン1杯ずつボールに入れ、つやが出るまであわ立てる。

3 残りの砂糖を入れ、スプンで混ぜ合わせる。

4 オーブンを120度に温める。

5 ベーキング・シートを、ベーキングトレイの上にひいて、大きいスプンで山盛りにメレンゲをすくって、真ん中が少しくぼんだ鳥の巣のような形になるようにのせる。(約直径10cm~12cmくらい)*パヴロヴァを作る場合は、ここで大きな円形にしてください。

6 オーブンに入れ約2時間焼く。

7 すぐに取り出さずに、完全に冷めるまでオーブンに入れたまま冷ます。

8 生クリームをあわ立てる。果物を洗って水気を拭く。

9 完全に冷めたメレンゲをオーブンから取り出し、生クリームと果物で飾りつけをする。

 グラインド・ボーン(Glyndebourne)の庭

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ジャム・タルトは、イギリスの最も伝統的なお菓子の一つです。ショート・クラスト・ペイストリー(Short Crust Pastry)と呼ばれる生地の中にジャムを入れて焼いただけ、という素朴といえばとても素朴なお菓子です。

ご存知、不思議の国のアリス(Alice in Wonderland)のハートの女王(Queen of Hearts)のジャムタルトとして、お話に登場することからも、とても親しまれているお菓子です。および、ハートの女王はもっと古くはマザー・グースの詩に登場しています。

このことから、表面にハートの形の生地をのせて焼いたジャム・タルトも見られます。(ハートのタルトを作りたい方は、ジャムが見える程度の大きさの、ハートのクッキー型を使って生地をくりぬいたものを、ジャムの上にのせて焼いてください。)

この手のひらサイズのジャム・タルトは、いろんなジャムを使って作ることができ、大きなお皿にたくさん並べると、ティーパーティーなどではとても見栄えがします。

リネットさんのジャム・タルトは、全粒粉でできていて、サクサクとした歯ごたえとともに、自然の味がふんだんにします。今回はリネットさんは手作りのプラム・ジャムを使いました。

数日たったジャム・タルトは、焦げないように気をつけて、オーブンで少し温めなおすと、ペイストリー生地がサクサクによみがえります。

材料 

(タルト約20個分)

・セルフ・レイジングの全粒粉 225g

(または普通の全粒粉 225g+ベーキングパウダー 小さじ3+塩 小さじ1 )

・バター (冷蔵庫にいれて冷やしたもの)125g

・冷水 大さじ3~4程度

・ジャム 150g程度(小瓶一つくらい)

作り方

1 ボールに全粒粉とさいの目に切ったバターを入れ、指先でバターをさっと細かくする。

2 そこに冷水を加え、食用ナイフで生地をきるようにさっと混ぜ、丸くまとめる。(手早く作業するのが、べたつかないコツです。)

3 調理台の上に粉を少量かけ、のし棒にも粉をまぶし、半分の量の生地を2mmくらいの厚さに伸ばす。(これもなるべく手早く作業するのが成功の秘訣です。)

4 パイの大きさと(直径5~6cmくらい)同じくらいのコップで、円く型を抜いていく。(あまり強く押さえつけないように。)

5 切り取った生地をパイ型の1つ1つにあわせてのせ、整える。

(型を抜いた後のペイストリー生地は、再度丸めて薄くのばして使ってください。)

6 このまま冷蔵庫で30分以上冷やす。(焼く前に生地が冷えていることが成功の秘訣です。)

7 オーブンを200度に温める。

8 ジャムを小さじ山盛り1~2杯ずつ生地の中に入れていく。(ジャムをたくさん盛り過ぎないように注意してください。加熱されるとジャムがとけて生地の外にこぼれて焦げてしまいます。)

8 オーブンで15分程度焼く。(茶色くなりすぎないように気をつけてください。)

*焼きたてが一番おいしいので、温かいうちに召し上がってください。数日たったものは、オーブンで再加熱して食べることをお勧めします。

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