ベークウェル・スライスは、ベークウェル・タルトから派生したもので、ベークウェル(Bakewell)は、イギリス中部のダービシャー州の町の名に由来しています。
No.20 で紹介したベークウェル・タルトとの違いは、もちろん形もそうなのですが、レシピの内容も少し違っています。(良かったらNo.20 を参照してみてください。)
ベークウェル・タルトのスポンジには薄力粉を使わず、アーモンドプードルだけを使っていますが、今回のレシピでは、アーモンドプードルと薄力粉を半々ずつ使っています。
(*アーモンドプードルを使ったスポンジのことをフランジパンと言います。)
そのため、生地がふわっと軽く仕上がっていますし、材料費も少しだけですが軽減されているという利点があります。
そして今回のレシピのユニークな点は、一般的にはラズベリージャムが使われるところを、ブラックカレントジャムにしたことです。
というのも、ガーディアン紙のレシピコーナーに、ベークウェル・スライスはプラムジャムなど、残っているジャムを使っても美味しく出来ると書いてあったからです。
実際食べてみたところ、ブラックカレントの酸味が、ベースのタルト生地とアーモンドの風味のスポンジにミックスしてとても美味しいことがわかりました。
また、スライスにすると手でもって食べることが出来るので、気軽なティータイムに、または少し暖かくなった春のピクニックにも最適です。
材料
(約20㎝×20㎝の四角いベーキング型)
<ベース>
・薄力粉 125g
・有塩バター(冷蔵庫で冷やしたもの) 60g
・塩 小さじ1/4
・砂糖 大さじ2
・冷水 大さじ1と1/2
・ブラックカレントジャム(ストロベリー、ラズベリー等ももちろんOK)大さじ6
<スポンジ>
・無塩バター 100g (常温で柔らかくしたもの)
・砂糖 100g
・アーモンド・エッセンス 小さじ1/8
・バニラ・エッセンス 小さじ1/4
・卵 2個
・アーモンドプードル 90g
・セルフ・レイジングの薄力粉 90g (普通の薄力粉+ベーキングパウダー小さじ1/2)
・ベーキングパウダー 小さじ1
・アーモンドフレーク 大さじ2
作り方
<ベース>
1 オーブンを200度に温め、型の底をベーキングシートで覆う。
2 冷たいバターをさいの目状に切り、中サイズのボウルに入れ、指全体で薄力粉と混ぜ合わせる。
3 そこに砂糖、塩を入れて混ぜ、冷水を少しずつ入れて生地をまとめる。
*この動作はなるべく手早くするのがサクッとした生地出来るコツで、生地が水っぽくならないように水加減も気を付けてください。
4 生地がまとまったら、平らな表面に薄力粉を敷き、のし棒にも薄力粉を十分付けて、厚さ約4㎜に生地をのばして型の底に敷く。
*型の側面にも生地が行き届くように、指または物差しで押さえてください。
(時間がないときは、のし棒を使わず、型の底に生地を直接のせて手のひらを使って生地をのばすことも可能です。その際型の側面は物差しなどを使って平らにすると便利です。)
5 オーブンで約20分焼き、全体がなんとなくキツネ色になったらオーブンから出して熱をとる。
6 オーブンの温度を180に設定する。
(ベースの生地にジャムを塗るのは、生地の熱が取れてからなので、その間にスポンジの作業にとりかかります。)
<スポンジ>
7 大きめのボウルに室温で柔らかくした無塩バター、砂糖を入れ、ハンドミキサーで約2分間全体が白ぽくふんわりするまで混ぜる。
(手動の場合は泡だて器で約5分混ぜてください。ただハンドミキサーの方がスポンジがふわっとしあがります。)
8 そこに溶いた卵を少しずつ入れ、さらにハンドミキサーで約5分間混ぜ、アーモンド・エッセンス、バニラ・エッセンスも入れる。
(泡だて器の場合は10分くらい混ぜてください。)
9 ベースの生地の熱がとれたのを確かめて、ベースの上にジャムを塗る。
10 ベーキング・パウダーと薄力粉を良く混ぜて、ボウルのミックスにふるい入れてさっと混ぜる。
11 アーモンドプードルも混ぜ、生地の全体が均一になるようにさっと混ぜる。
12 生地をジャムを塗ったベースの上に注意深く均一になるように載せ、表面を整え最後にアーモンドスライスを散らせる。
13 オーブンで約35分間焼いて、表面に張りが出て、真ん中を竹串で刺してみて生地が付いてこなかったら焼き上がり。
14 約15分後に型から取り出し、金網の上に載せ冷ましてからスライスする。