イースター(復活祭)の時期には、エッグ型のチョコレートが一番目につきますが、やはりイギリスのイースターと言えば、ホット・クロス・バンズだと思います。
と言っても最近は、年間を通してお店でホット・クロス・バンズを売っているので、イースターのパンと言うよりも定番のおやつパンという感じもしなくはありません。
以前No.65 で基本のホット・クロス・バンズを紹介したので、今回はほんの少し違うバージョンのものを紹介したいと思います。(No.65のレシピも良かったら参照してみてください。)
今回のレシピでは、まず粉の半分をスペルト小麦にしてみました。スペルト小麦とは、普通の小麦の原種のようなもので、栄養価が高い、アレルギーが少ない、カロリーもやや低め、という利点の多い古代穀物です。
それでいて強力粉と同じように膨らみ、こねる時間は強力粉よりも少々短くてOKで、味にも癖がないというパン作りに適した小麦粉です。
次に、ローフ型だとスライスしてトーストにするのがとても簡単という大きな利点があります。
甘めの生地に、バター、ミックス・スパイス、シナモンの香りが練り込まれていて、とてもイギリスらしい味と香りがします。
作る過程で、生地を8等分にしないでクロスの飾りもつけずに、大きなパンとして焼くのももちろんOKです。
焼きあがった当日に食べる場合は、トーストにしないでバターをたっぷり塗って食べるのが最高ですし、翌日以降はトーストにしてバターを塗って食べるのがお勧めです。
トーストを焼いている間、部屋中にスパイスの甘い香りが漂って幸せいっぱいな気分になります。
材料
(ローフ型1個分)
<ペースト>
・薄力粉 大さじ2
・水 90ml
・無塩バター 50g
・牛乳 125ml
・卵 1個
<パン生地>
・強力粉 180g
・スペルト小麦粉 180g
・白砂糖50g
・塩 小さじ1
・インスタント・アクティブ・イースト 7g(小袋1)
・ミックス・スパイス 大さじ1
・シナモン・パウダー 小さじ1
・摩り下ろしたレモンの皮 1個分
・ドライ・カレント(または干しぶどう)90g
<十字架のミックス>
・薄力粉 大さじ2
・水 大さじ1~2
<グレイジング>
・白砂糖 大さじ1
・レモンの果汁(または水)大さじ2
作り方
<ペースト>
1 小なべに小麦粉と水を入れ、中火にかけてペースト状になるまで混ぜる。
2 ペースト状になったらなべを火からおろし、バターを混ぜてペーストが人肌温度かそれ以下になるまで置いておく。
3 そこに牛乳を入れて混ぜた後卵を入れ、全体がスムーズになるように混ぜる。
<パン生地>
4 出来るだけ大きなボウルを用意して、強力粉、スペルト小麦粉、砂糖、塩、イースト、ミックス・スパイス、シナモンパウダーを入れて良く混ぜ、真ん中に穴をつくり、ペーストの液体を入れ、手でパン生地全体をまとめる。
5 平らな表面に粉を敷き、パン生地を約5~6分こねる。
(スペルト小麦でなく、強力粉のみ、またはライムギ粉を使った場合は約6~8分こねてください。)
*パン生地は最初は手にくっついて大変ですが、数分経つと少し扱いやすくなってきます。全体の生地の感触は手にくっつくか、くっつかないかの程度を目安に、この段階で粉と水分を調節してください。
6 パン生地をまとめて、再び大きいボウルに戻し、サランラップをかけて、温かい部屋(20~25度くらいが理想です。)に約2時間置き、発酵させる。
*生地は約2倍の大きさに膨らみます。2倍の大きさになっていない場合は、もう少し待ってみてください。
7 パン生地が2倍に膨らんだら、平らな表面に生地を取り出し、摩り下ろしたレモンの皮、ドライ・カレント(またはレーズン)を混ぜ、生地を8等分に分けて丸める。
*この時、膨らんだパン生地は小さくなりますが大丈夫です。
8 ローフ型の内側に油を塗り、下の段に丸めた生地を4つ、その上に4つのせ、薄く油を塗ったサランラップを上に軽くかぶせて、温かい部屋に約45分間置く。
*生地はまた2倍の大きさになります。
<十字架(クロス)ミックス>
9 オーブンを180度に温め、サランラップを取り外して十字架ミックスを作る。
10 丈夫なビニール袋の中に十字架のミックスを入れて、角をはさみでほんの少しだけ切り、パンにクロスを絞り出す。
*このミックスを作るのが面倒、またはいいビニール袋がない場合は、ミックスの水を少なめにして手でクロスを作ることもできます。ただしこのクロスの部分だけ固く焼きあがるので、食べる時に注意してください。
11 オーブンで約30~40分焼いて、全体に張りがでて、こんがりと良い感じの色が付いたら焼き上がり。
<グレイジング>
13 砂糖とレモン汁(または水)を小なべにかけ、砂糖が溶けたら、刷毛をつかってパンがまだ熱いうちにパンの表面に塗る。
*グレイジングは省略してもOKですが、光沢をつけると断然見た目が映ますし、表面のパンの味も美味しくなるので、出来れば省略しないことをお勧めします。
14 約10分後にパンを型から取り出し、金網の上にのせて冷ます。