りんごを使った多くのケーキのレシピがありますが、アップル・シャーロットは、ちょっとユニークです。
というのは、すばりのケーキでもなく、タルトでもパイでなく…スライスしたパンに、煮たりんごを詰めて、オーブンで焼いたものです。
これと似たデザートとして、シャーロット・ルース(Charlotte Russe)というのがあり、アップル・シャーロットとルーツは同じのようです。
(シャーロット・ルースは、細長いスポンジを側面に立てて並べ、中の本体はムースというもので、アップル・シャーロットに比べると高度な技が必要です。)
19世紀の初頭、イングランド王ジョージ4世のフランス人シェフが、ロシアに滞在中にこのデザートの起源になるものを生みだしたそうです。
シャーロットと言う名は、ロシア皇帝ツァーの義理の妹:イングランド王ジョージ3世の妻にちなんでいるそうです。
フラン人シェフの作ったデザート(Charlotte de Pommes)が、イギリスの伝統的なデザートになった理由は、どうやらブレッド&バター・プディングの影響のようです。
要するに、少し古くなったパンを使い切るのに重宝なデザートだったからのようです。
1920年代が舞台のダウントン・アビーのお話にも、このアップル・シャーロットが登場するように、歴史的にもとても確固とした地位を築いているデザートです。
バターとりんごの果汁がしみたパンと、煮たりんごの組み合わせはとても良く、クリームを添えるとさらにおいしくなります。
失敗しないポイントは、パンを型に並べるときに隙間を作らないことです。
材料
(直径約15cm、高さ約5cmの丸型のケーキ型)
・りんご(皮を剥いた状態で)400g
・レモンの果汁 1個分
・摩り下ろしたレモンの皮 1個分
・ライト・ブラウン・シュガー
・シナモン・パウダー 2.5ml
・バター 50g
・パン(薄さ約7mm)8~10枚
・砂糖 15ml(上にふりかける分)
・バター1かけ(型の内側に塗る分)
作り方
1 りんごの皮をむき、芯を除き、2cm角くらいの大きさに切り、中サイズの鍋に入れる。
2 そこにレモンの皮を摩り下ろして混ぜ、ブラウン・シュガーとシナモン・パウダーを入れ、火にかけ、5分から7分煮てりんごが柔らかくなったら火を止め、冷ます。(柔らかくなりすぎないように気をつけてください。)
3 オーブンを180度に温める。
4 パンのみみを切り落とし、型の底と側面に合わせて切り、およそのパンの位置を見定める。
5 バターをフライパンで溶かし、パンの片面をバターにさっと浸して型の底と側面に敷く。
*バターを付けた側が型に密着するように、また、パンの間に隙間ができないように注意してください。
6 パンを敷き詰めたら、指でパン全体を押してしっかりした土台を作る。
7 煮たりんごをパンを敷き詰めた型の中に入れて、パンで蓋をし、アルミホイルをかぶせオーブンで40~45分焼く。
8 型から出し、グラニュー糖をかける。