ブラック・バンは、スコットランドの大晦日、元旦 (Hogmanay : ホグマナイ)を祝うケーキです。
イングランド、ウェールズ、アイルランドでは祝日でない1月2日も、スコットランドの祝日になっていることからも、スコットランドの新年が大きなお祭りであることがうかがえます。
もともとは、クリスマスの12夜(Twelveth Night of Christmas)に食べられていたそうなのですが、今では新年に食べられるようになったそうです。
スコットランドの伝統では、大晦日の12時過ぎに、このケーキを持って近所を訪問し、これから来る1年の幸運を願うそうです。
ブラック・バンは、フルーツケーキをペイストリー生地で全面を覆って焼いてあり、フルーツケーキ自体は、イギリスのクリスマス・ケーキや、クリスマス・プディングと似てると言えば似ています。
一見したところ、重そうなフルーツケーキが、さらにペイストリー生地でくるまれている、という驚きを感じるかも知れませんが、(私は驚いてしまいました。)切りわけて食べると、ペイストリー生地がそんなに多くもないので、少々のペイストリー生地もしっかり楽しめます。
しかも、想像以上にかなり美味であったことも驚きでした。
クリスマス・ケーキよりも軽めにできていて、甘さも控えめなのと同時に、フルーツとスパイスの味がほのかに香るという上品な味です。
リネットさんのお父さんが、スコットランド人だったということもあり、このスコットランド色の強いケーキは、私にとっても何か時別なケーキのように感じます。
さすが、スコットランドのケーキです、ウィスキーと一緒に頂くのが伝統だそうです。もちろんティーでもOKですが。
今回のブラックバンは、丸いケーキ型で焼いてありますが、細長いローフ型でもつくることが出来ます。
材料
(直径約15cm、深めの丸いケーキ型)
ぺイストリー生地
・全粒粉の小麦粉 125g
・バター(冷たくて固いもの)65g
・冷水 大さじ2
・といた卵 少量(表面のつや用。なくてもOKです。)
ケーキ生地
・レーズン 225g
・ドライ・カレント 225g
・ミックスピール 65g
・アーモンド(小さくきざんだもの) 65g
・全粒粉の小麦粉 125g
・ベーキングパウダー 小さじ1
・ブラウンシュガー 65g
・ブラック・トレイクル 大さじ1
・シナモンパウダー 小さじ1
・オールスパイス 小さじ1
・ジンジャーパウダー 小さじ1
・クリームタータ(Cream of Tartar)小さじ1/2: 膨張剤の一種、無ければ無しで。
・重曹 小さじ1/2
・卵 1個
・ウィスキー 大さじ8
・牛乳 大さじ8
作り方
ペイストリー生地
1 ケーキ型の内側にバターを薄く塗る、またはベーキングシートで覆う。
2 冷たいバターを1cm角くらいに切る。
3 ボウルに全粒粉を入れ、切ったバターを入れ、両手の指でバターを手早く全粒粉になじませる。
4 冷水を入れ、さっと生地を丸め、平らな表面に置く。
5 1/2弱の生地(ケーキ型の底の分)をのし棒で厚さ約5~6mmにのばし、型の丸型と同じ大きさのものを2枚作り、1枚を型の底に敷く。(上にのせるペイストリー生地は別に置いておく。)
6 残りの生地で、ケーキ型の側面を覆う大きさのペイすトリーを作り、側面に貼り付ける。生地のつなぎ目を少量の牛乳でつなぐ。
7 生地をつけたケーキ型と、上にのせるペイストリー生地両方を冷蔵庫にいれて冷ます。
ケーキ生地
8 オーブンを180度にあたためる。大きめのボウルに、卵、ウィスキー、牛乳以外の材料を全部入れて混ぜる。
9 そこに卵、ウィスキー、牛乳を入れ、さらに混ぜる。
10 冷蔵庫で冷やした型を出し、つなぎ目がきちんとついているか確かめ、すきまがあったら少量の牛乳でつなぐ。
11 そこにケーキ生地を全部入れ、ペイストリーの蓋をして、つなぎ目をしっかりと牛乳でつけ、表面につやをつけたい場合は、少量のといた卵を刷毛で表面に塗る。
12 蓋のペイストリーに竹串で5つ穴をさし(ケーキ生地の下まで突き通してください。)オーブンで約2時間~2時間半焼いて、竹串をさしてみて、生地がついてこなかったら焼きあがり。
(表面が焦げそうになってきたら、ホイルをかぶせてください。)
13 型をオーブンから出し、冷ましてから、ケーキと型から取り出す。
(密封した入れ物で保存すると、最低2週間は持ちます。)