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Archive for 2012年9月

 ホールミール・スコーン

スコーンは、アフタヌーンティーの主役ともいえる定番中の定番で、家庭でのおやつとしても、カフェのメニューとしても、とても人気があります。

何も入っていないプレーンのものと、サルタナレーズンの入っているのもが主流ですが、チェリーやチーズ入りのバリエーションも見られます。

歴史的には、スコットランドが発祥のようで、一番古い記録としては、1513年のスコットランドの詩の中にスコーンが登場している記録があるそうです。

当時のスコーンは、平らで大きな円状をした、固いかたまりのようなもので、鉄板で焼かれてたそうです。

それが後に、ベーキングパウダーが一般に広まり、現在のようなオーブンで焼かれたものになったそうです。

ここで紹介しているレシピは、全粒粉と普通の薄力粉を半分ずつ使ってあり、ほんのりと全粒粉の香りがしつつ、サクサクと軽い仕上がりになっています。

(全粒粉だけでつくると、生地が重めになってしまうので半分薄力粉を使っています。)

作り方はとても簡単で、材料も安く簡単に手に入り、すばやくできてしまう、すばらしいお菓子です。

正統派としては、イチゴジャム(またはラズベリージャム)とクロテッド・クリームで食べるということらしいのですが、クロテッド・クリームの代わりに、あわ立てたダブルクリームや、バターでも十分おいしくいただけます。

*クロテッド・クリームとは、イギリス南西部デボン、コーンウォール地方特産の濃厚なクリームで、大きな浅いなべでクリームを温めて作ったものです。バターよりは柔らかいのですが、けっこうな固さがあり、黄色に近いクリーム色をしており、表面に固い膜ができているのが特徴です。

 クロテッド・クリーム

ジャムとクリーム、どちらが上か下か、という議論がたまにされますが、正式にはジャムが下で、クロテッドクリームが上だとされているようです。

しかしこれはクリームが上の方が食べやすいという理由のようで、バターを使うときは、バターをジャムの上に塗るのはしんどいと思いますし、サンドイッチのようにはさむ方法もあります。

またスコン[skahn]とスコーン[skoan]という2通りの発音があるのですが、2/3のイギリス人はスコンと言うらしいです。(スコットランドでは90%がスコンと言うらしいです。)スコーンとのばす方の発音は、アメリカ風だという記述もあります。

とはいえ、イギリス人は実際は(ロンドンの人の場合は)どちらの発音でも、あまり気にしていないようです。

オーブンから出して、まだ温かいスコーンと紅茶は、最高のアフタヌーンティーです。焼いてから翌日以降のスコーンは、オーブンで5~10分温めてからいただくと、おいしさがよみがえります。

 ホールミール・スコーン 型抜き

材料

・全粒粉 110g

・普通の薄力粉 110g

・バター 65g

・砂糖 40g

・ベーキングパウダー 小さじ1

・ヨーグルト 大さじ1

・牛乳 大さじ1強

・卵 1個

*トッピング

・イチゴジャム(またはラズベリージャム)適量

・クロテッド・クリーム(またはあわ立てた生クリーム、バター)適量

 ホールミール・スコーン ジャムとクロテッドクリーム オープン

作り方

(直径5cmの型のスコーン約12個分、または直径約8cmの型なら約7個分)

1 オーブンを220度で温める。トレイにベーキングシート、または薄く粉を敷く。

2 大きめのボールに全粒粉、薄力粉、ベーキングパウダーを入れ、良く混ぜる。

3 バターをさいの目に切り、ボールの中の小麦粉に指先を使って良くすり混ぜる。

4 小さなボールに砂糖、卵、ヨーグルト、牛乳を入れ良く混ぜ、ボールに入れ、手早くさっと混ぜ、生地のかたまりを作る。

*手早くさっと混ぜるのが、おいしいスコーンを作る最大のコツです。こねくり混ぜすぎると、生地が重く、固いスコーンになってしまうので、これだけ十分注意してください。

5 平らな表面に薄く粉を敷き、生地をのし棒で2.5cmくらいの厚さに広げ、型を抜く。残りの生地は、再度手早くまとめ、型を抜く。

6 オーブンで約10~15分焼く。スコーンがふっくらとし、表面がうっすらとこんがりしてきたら、焼き上がり。

*オーブンをあらかじめ温めておくのはとても重要です。焼きすぎにも注意してください。

7 ジャムとクロテッド・クリーム(またはあわ立てたクリーム、バター)を盛る。

 ホールミール・スコーン ジャムとクロテッド・クリーム クローズド

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 ラウト・ケーキ 砂糖漬けフルーツのトッピング

ラウト(Rout)は古い英語で、いくつかの意味がありますが、この場合は、「大騒ぎ」、「暴動騒ぎ」みたいな意味です。

その意味あいからでしょうか、ラウト・ケーキはパーティー用のビスケット、と記述されている記録もあります。

現在ではラウト・ケーキをお店で見かけることや、耳にすることは、ほとんどありませんが、歴史的には、19世紀初頭のイギリスのレシピが最古のようです。

また、ケーキという名がついているものの、れっきとしたビスケットです。これはかつて、丸い焼いたものをケーキと呼んだことに由来しているようです。

作り方はとても簡単で、すべてを固めて、トッピングをのせて焼くだけです。(卵黄だけを使うので、余った卵白を使ってメレンゲなどを作ることをお勧めします。→ No.37 デメララ・メレンゲを参照してください。)

バターと小麦粉を使わない点では、とてもユニークなビスケットといえますが、アーモンド・プードルは、小麦粉に比べると高価なので、実は贅沢なお菓子です。

ここで紹介しているレシピは、リネットさんの祖母のフローレンスさんからりネットさんが受け継いだものです。

アーモンドの香りと、トッピングの砂糖漬けのフルーツが、上品さをかもしています。(トッピングは手に入るものでけっこうです。)

このビスケットは、小さめに作るのが伝統的だそうです。かつては盛り上がるイブニング・パーティーで、ダンスの合間に、いくつとなくつまんで食べられたとでしょう。

 リネットさんの庭で摘んだイエロー・デイジー

材料

(約20~25個分)

・ソフト・ブラウン・シュガー 125g

・アーモンド・プードル 125g

・卵黄 2個分

・摩り下ろしたレモンの皮 1個分

・レモン汁 1/2個分

*トッピング

・砂糖漬けフルーツ、またはアーモンド、ドレンチェリー、オレンジピールなど 適量

 リネットさんの庭に咲いていたダリア

作り方

1 オーブンを180度に温める。

2 ベーキングシートをトレイの上に敷く。

3 トッピング以外の材料をすべて混ぜ、手で押しながら生地をかたまりにする。

(手にくっつきやすくなるので、なるべく手早くこの作業をするのがコツです。)

4 小さじ1杯ずつ、ベーキングシートの上に生地をのせ軽く押す。

(このビスケットは伝統的に小さめに作るので、直径3~4cmくらいが目安です。)

5 トッピングを適量のせ、軽く押す。

6 オーブンに入れ、約15分~20分焼き、うっすらとこんがりしてきたら出来上がり。

7 金網の上にのせ冷ます。

 ラウト・ケーキ クロースアップ

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