スコーンは、アフタヌーンティーの主役ともいえる定番中の定番で、家庭でのおやつとしても、カフェのメニューとしても、とても人気があります。
何も入っていないプレーンのものと、サルタナレーズンの入っているのもが主流ですが、チェリーやチーズ入りのバリエーションも見られます。
歴史的には、スコットランドが発祥のようで、一番古い記録としては、1513年のスコットランドの詩の中にスコーンが登場している記録があるそうです。
当時のスコーンは、平らで大きな円状をした、固いかたまりのようなもので、鉄板で焼かれてたそうです。
それが後に、ベーキングパウダーが一般に広まり、現在のようなオーブンで焼かれたものになったそうです。
ここで紹介しているレシピは、全粒粉と普通の薄力粉を半分ずつ使ってあり、ほんのりと全粒粉の香りがしつつ、サクサクと軽い仕上がりになっています。
(全粒粉だけでつくると、生地が重めになってしまうので半分薄力粉を使っています。)
作り方はとても簡単で、材料も安く簡単に手に入り、すばやくできてしまう、すばらしいお菓子です。
正統派としては、イチゴジャム(またはラズベリージャム)とクロテッド・クリームで食べるということらしいのですが、クロテッド・クリームの代わりに、あわ立てたダブルクリームや、バターでも十分おいしくいただけます。
*クロテッド・クリームとは、イギリス南西部デボン、コーンウォール地方特産の濃厚なクリームで、大きな浅いなべでクリームを温めて作ったものです。バターよりは柔らかいのですが、けっこうな固さがあり、黄色に近いクリーム色をしており、表面に固い膜ができているのが特徴です。
ジャムとクリーム、どちらが上か下か、という議論がたまにされますが、正式にはジャムが下で、クロテッドクリームが上だとされているようです。
しかしこれはクリームが上の方が食べやすいという理由のようで、バターを使うときは、バターをジャムの上に塗るのはしんどいと思いますし、サンドイッチのようにはさむ方法もあります。
またスコン[skahn]とスコーン[skoan]という2通りの発音があるのですが、2/3のイギリス人はスコンと言うらしいです。(スコットランドでは90%がスコンと言うらしいです。)スコーンとのばす方の発音は、アメリカ風だという記述もあります。
とはいえ、イギリス人は実際は(ロンドンの人の場合は)どちらの発音でも、あまり気にしていないようです。
オーブンから出して、まだ温かいスコーンと紅茶は、最高のアフタヌーンティーです。焼いてから翌日以降のスコーンは、オーブンで5~10分温めてからいただくと、おいしさがよみがえります。
材料
・全粒粉 110g
・普通の薄力粉 110g
・バター 65g
・砂糖 40g
・ベーキングパウダー 小さじ1
・ヨーグルト 大さじ1
・牛乳 大さじ1強
・卵 1個
*トッピング
・イチゴジャム(またはラズベリージャム)適量
・クロテッド・クリーム(またはあわ立てた生クリーム、バター)適量
ホールミール・スコーン ジャムとクロテッドクリーム オープン
作り方
(直径5cmの型のスコーン約12個分、または直径約8cmの型なら約7個分)
1 オーブンを220度で温める。トレイにベーキングシート、または薄く粉を敷く。
2 大きめのボールに全粒粉、薄力粉、ベーキングパウダーを入れ、良く混ぜる。
3 バターをさいの目に切り、ボールの中の小麦粉に指先を使って良くすり混ぜる。
4 小さなボールに砂糖、卵、ヨーグルト、牛乳を入れ良く混ぜ、ボールに入れ、手早くさっと混ぜ、生地のかたまりを作る。
*手早くさっと混ぜるのが、おいしいスコーンを作る最大のコツです。こねくり混ぜすぎると、生地が重く、固いスコーンになってしまうので、これだけ十分注意してください。
5 平らな表面に薄く粉を敷き、生地をのし棒で2.5cmくらいの厚さに広げ、型を抜く。残りの生地は、再度手早くまとめ、型を抜く。
6 オーブンで約10~15分焼く。スコーンがふっくらとし、表面がうっすらとこんがりしてきたら、焼き上がり。
*オーブンをあらかじめ温めておくのはとても重要です。焼きすぎにも注意してください。
7 ジャムとクロテッド・クリーム(またはあわ立てたクリーム、バター)を盛る。