このケーキはイギリスの代表的なケーキの一つである、ビクトリア・スポンジ (Victoria Sponge またはVictoria Sandwich) をホールミール (Wholemeal=全粒) 粉 とブラウンシュガーを使って焼いたものです。そのため、薄力粉で焼くよりも少々生地が重めになりますが、一口一口がとても味わい深く感じます。材料と作り方は極めてシンプルですが、オーブンの具合や、混ぜ方などの微妙な違いで出来上がりもかわってくるので、ある意味奥が深いケーキともいえます。
ビクトリア・スポンジの起源は19世紀のビクトリア朝にさかのぼり、その名もビクトリア女王に由来するそうです。だいたいは、ラズベリージャムか苺ジャムをはさみます。バタークリームや、あわ立てた生クリームも一緒にはさんだものも人気がありますが、正統派としてはジャムのみ、だそうです。レモン風味やオレンジ風味にするなどして、このケーキを基本にいろいろなバリエーションのケーキを焼くこともできます。
材料
・セルフ・レイジングの全粒粉 125g
(または普通の全粒粉 125g+ベーキングパウダー 小さじ1と2分の1+塩 小さじ2分の1)
・バター(常温でやわらかくしたもの)125g
・ソフト・ブラウン・シュガー 125g
・卵 2個
(すべての分量は、卵の重さ=バターの重さ=粉の重さという図式になっているので、大きなケーキを作りたい場合は卵を増やして、それに従ってバターと粉の重さも増やしてください。)
・ジャム(ここではイチゴジャムを使っています。ラズベリーもとてもおいしく仕上がります。)大さじ2~3
*オプションとして
・飾りの粉砂糖 小さじ2分の1
作り方
1 オーブンを180度に温める。
2 直径20cmの浅いケーキ型2つの内側に薄くバターを塗って粉を薄くはたく。または側面にバターを薄くぬって、底にベーキングシートを敷く。
3 ボールにバターとブラウンシュガーを入れ、木べらでよく練り合わせる。
4 そこに卵を一つずつ入れて、再び混ぜ合わせる。(このとき一瞬バターがダマになったようになりますが、次に粉を入れるとまたなめらかになるので心配しないでください。)
5 粉を一気に入れて、さくっと混ぜ合わせる。
6 生地を半分に分け、2つの型に流し込み、スプンで表面をととのえて、オーブンで約25分焼く。生地の全体に張りがでて、型の側面にほんの少し隙間ができてきたのを確認したら焼き上がり。
7 型を金網の上で冷まして、型からケーキを出し、一つのケーキの表面にジャムを塗り、その上にもう一つのスポンジを載せる。このとき、出来のいいほうのスポンジを上にするのがいいでしょう。
8 (オプションとしてのデコレーション)茶こしなどを使って軽く表面全体に粉砂糖をふりかける。