ウェルシュ・ケーキ
今回紹介するウェルシュ・ケーキは、私にとってはなじみの薄いウェールズのレシピです。
ウェルシュ・ケーキはウェールズを代表するお菓子で、その存在は、おそらくスコットランドのショートブレッドのようなものだと思います。
ケーキという名はついているももの、実際はパンケーキ、または柔らかいビスケットのようなもので、その一番の特徴は、オーブンは使わずに、グリドルという鉄でできた厚いフライパンで焼く、ということです。
伝統的なウェールズの家庭では、このグリドルで焼きますが、グリドルがなくてもフライパンで焼くことができます。(火が均一に通る厚めのフライパンが理想です。)
歴史的には、19世紀後半頃から、ティータイムのお菓子、ランチボックスのおやつとして大変な人気を博し、現在に至っています。
リネットさんの庭でつんだダリア(Dahlia)
またウェールズといえば、最近まで炭鉱で有名だったように、ウェルシュ・ケーキは作業着のポケットに入れて簡単に持ち運び出来ることから、炭鉱労働者に愛され続けてきたそうです。
そのことから、Welsh Miner Cakes(ウェールズ炭鉱労働者のケーキ)とも呼ばれたりするそうです。
市販のものはきれいにパッケージされてますが、ウェルシュ・ケーキは見た目の素朴さからいっても、とても家庭的なお菓子という印象を受けます。
ミックス・スパイスがほんのり効いたバター風味の生地は、しっとり感があると同時にさくっとしています。
ついつい2つ、3つ…と手が伸びてしまいます。
作り方は、混ぜて焼くだけというきわめてシンプルなものなので、どんどん作ってみてください。
道端のブラック・ベリー(Black Berry)
材料
(直径5㎝のクッキー型;約18個分、直径7㎝のクッキー型;約12個分)
・バター 170g
・薄力粉 250g (全粒粉を使用する場合は、薄力粉220g、全粒粉30g)
・ベーキングパウダー 小さじ1/2
・ミックス・スパイス 小さじ1/2
・卵 1個
・ドライ・カレント 85g
・砂糖 (できればブラウンシュガー)85g
焼く直前
作り方
1 薄力粉にベーキングパウダー、ミックス・スパイスを均一になるように混ぜる。
2 大きめのボウルに1の粉とバターを入れ、指でバターをほぐすようにして、粉になじませる。
3 砂糖を入れさっと混ぜ、ドライ・カレントも入れさっと混ぜる。
4 3に溶いた卵を入れ、生地に均一にさっと混ぜる。*混ぜすぎないほうが生地がサクッと仕上がります。
焼きたて
5 平らな表面に薄く小麦粉を敷き、一掴みほどの生地を厚さ1~1.3㎝にのし棒で伸ばし、直径5㎝くらいのクッキー型で一つずつくりぬいていく。
6 フライパンを中火で温め、薄くサラダオイルを塗り、くりぬいた生地を両面約3分間ずつ焼く。
*バターの方がいい香りに出来るのですが、焦げやすくなってしまうので、リネットさんはサラダオイルを使いました。
*火加減を調節して、焦げないように注意しながら焼いてください。
7 両面こんがり焼けたら、金網の上に乗せる。