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Archive for 2014年7月

IMG_4132 イエロー・プラム・ケーキ

イエロー・プラムは、色が緑っぽい黄色なので、見た目は酸っぱそうなのですが、赤いプラムよりも酸味は強くありません。

ただ、果物として食べるには、イエロー・プラムは調理して食べたほうが、そのまま食べるよりもおいしいということから、ジャムにしたり、ケーキにしたりして食べるのが一般的だそうです。

(日本の梅酒を造る梅もこのプラムの仲間なのですが、ヨーロッパ原産のプラムとは別のグループに分けられています。)

イギリスのスーパーに並んでいるプラムは、ほとんどが赤いプラムですが、リネットさんの畑にはイエロー・プラムの木があって、今年はたくさん実をつけました。

プラムの収穫は一年おきに豊作が来るそうで、今年は豊作の年だそうです。

今回紹介しているレシピは、とても簡単に作れるもので、基本のスポンジにプラムを混ぜて焼いただけのものです。

このレシピは、スポンジの量に対して、果実がとてもたくさん入っているのが特徴です。(つまり、ヘルシーです。)

通常は、ケーキの生地に果実を大量に使うと水分が出て、生地が生焼けになりがちなのですが、平たい型を使うと、プラムがたくさん入っていても、生焼けになりません。

ほんのりバニラの香りがする素朴なスポンジと、プラムの果実はとても相性が良く、実においしいジューシーなケーキです。

もちろん、赤いプラムでもこのケーキを作れます。

IMG_4133 イエロー・プラム

材料

(約20cm×25cm×3cmの長方形のケーキ型)

・セルフ・レイジングの小麦粉 125g

(または普通の薄力粉+ベーキングパウダー 小さじ1/2)

・バター(常温で柔らかくしたもの) 125g

・砂糖 100g

・卵 (常温)2個

・バニラエッセンス 小さじ1/2

・イエロー・プラム(普通の赤いプラムでももちろんOKです。)種のついた状態で400g(約12個)

IMG_3881 リネットさんの庭の八重状のFuchsia

作り方

1 オーブンを180度に温め、型の内側をベーキングシートで覆う。

2 プラムを洗って半分に切り、種を取り除き、プラムを1/4に切ってお皿にのせておく。(皮はつけたままです。)

3 大きめのボウルに、砂糖とバターを入れ、あわたて器(出来ればハンドミキサーで)良くまぜる。

4 卵を一つずつ入れ、さらに良く混ぜ、バニラエッセンスも入れる。

5 小麦粉(とベーキングパウダー)をふるい入れ、大きなへらでさっくりと混ぜる。

6 最後に用意しておいらプラムを生地の中に入れ、さっとまぜる。

7 生地を型に入れ、表面を平らに整えて、オーブンで約40分焼いて、表面に張りがでて、竹串をさしてみて生地がついてこなかったら焼きあがりです。

8 ケーキをオーブンから出し、型のまま5~10分間置いた後、ベーキングシートごと金網の上に置き、冷ます。

IMG_4121 イエロー・プラム・ケーキ

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egg custard tart エッグ・カスタード・タルト 

エッグ・カスタード・タルト(または単にカスタード・タルト)は、私には、イギリスのデザートの真髄のように思われます。

というのは、ペイストリーの中に卵、砂糖、牛乳を混ぜたもの(まるでプリン)を入れて焼いただけという素朴さと、どことなくぼやけた感じの味がするからです。

イギリスの料理は、宮廷料理でも王室料理でもなく家庭料理なので、私にはこのタルトが、ホームベーキングのデザートを控えめにも象徴しているように思えるのです。

そして、ぼやけた味というのは、甘すぎず強すぎない味で、曇りや小雨が多いイギリスの天気と似合ってるような気がします。

また、表面ににちりばめられたナツメグの味は、ちょっとした驚きです。

(といっても、ナツメグはアクセントなだけで、全体にナツメグの味がするわけではありません。)

最近のイギリスの食事情の発達、グルメブームを考えると、このタルトは遅れをとっているようにも思われますが、エッグ・カスタード・タルトは、どこのスーパーにもほとんど置いてあります。

すごい人気の品ではないようですが、ひっそりとした人気は確実にあると思います。

しかも他のスーパーに売っているデザートに比べると、かなり安いのです。(=庶民の味方でしょうか)

リネットさんは、ショート・クラスト・ペイストリーを作るのに、とても慣れているのですぐに作ってしまいますが、慣れないと、手間どってしまうかもしれません。

冷蔵庫でペイストリーの生地を15~30分間冷やすと、少し固くなって扱いやすくなります。

ともあれ、イギリスの控えめな、ほんのり優しい味のカスタード・タルトは、食べてみる価値はあると思います。

日本のプリンととても似ているのですが、カラメルの味ではなく、ナツメグの味がしますし、ペイストリー生地に入っているのもプリンとの大きな違いです。

一口、二口食べていくうちに、ペイストリーの優しい甘みと、ぷるるんとした、なめらかなカスタードが口の中で融合して、イギリスの味発見の楽しさが味わえると思います。

ちなみに、エリザベス女王の80歳の誕生日の公式パーティーのデザートは、エッグ・カスタード・タルトだったそうです。

IMG_3640 削る前のナツメグ

材料

(直径約7cm×3.5cmのカップケーキ型6個分)

<スイート・ショートクラスト・ペーストリー>

・薄力粉 (全粒粉を使う場合は、1 3 )125g

・バター 65g

・砂糖 25g

・卵の黄身 1/2個分

・牛乳 大さじ1と1/2 (生地の加減をみながら調節してください。)

<カスタード・フィリング>

・卵 2個+卵黄1個

・砂糖 40g

・牛乳(出来れば乳脂肪の多いもの)275ml

・バニラエッセンス 小さじ1

・ナツメグ (なければミックススパイス)少量

IMG_3301 リネットさんの庭のFoxglove(日本名はジギタリス)

作り方

<ペイストリー>

1 ボウルに薄力粉とバターを入れ、指先を使って良くなじませる。

2 1に砂糖を入れ混ぜた後、卵の黄身を入れて生地のまとまりをみながら、牛乳を入れてさっと生地をまとめる。

3 生地がまとまったら、ラップにくるんで、冷蔵庫で15~30分冷やす。

4 オーブンを180度に温め、型の底と側面にバターを十分塗る。

(タルトを型から取りやすくするためなので、塗り残しがないようにしてください。)

5 冷蔵庫から生地を取り出し、生地を6個に分けて、小さく丸める。

7 約20cm×20cmのベーキングシートを2枚用意して、小さく丸めた生地をはさみ、ベーキングシートの上からのし棒で約3~4mmの厚さにのばす。

(ベーキングシートを使って1個ずつ生地をのばすのは、6個のパーストリーを作る場合は、大きく生地をのばすより簡単だからです。)

IMG_3738 6個に分けた生地一個分

8 丁寧に生地をベーキングシートからはがして、型にのせる。この作業を6個分行う。

IMG_3739 ペイストリーを型にのせる

9 型にのせたペイストリーを、指でできるだけ均一の厚さに整えて、淵をナイフで切り落とす。

IMG_3742 底、側面を整えて、淵のペイストリーを切る

10 ペイストリーをオーブンに入れ、うっすらと色がつくまで約15分間焼く。

・・・・・・・・・・ペイストリーを焼いている間にエッグ・カスタード・フィリングを作る・・・・・・・・・・

<エッグ・カスタード・フィリング>

11 卵、砂糖、バニラエッセンスを大きめの耐熱ボウルに入れ、混ぜる。

12 なべに牛乳を入れ中火にかけ沸騰直前で火を消す。(沸騰させないように注意してください。)

13 あつい牛乳を卵と砂糖のミックスのボウルに入れ、良く混ぜる。

14 ペイストリーがこんがりしてきたら、オーブンから取り出し、底が平らでなかったら、小さいスプンで、底が平らになるように、軽く押す。

10 カスタードミックスを丁寧に、こぼれないようにペイストリーの中にそそぎ入れ、ナツメグを表面に散らす。

(残ったカスタードミックスは、耐熱の小鉢に入れる。→プリンのようになります。)

11 オーブンに入れて約15~20分焼き、カスタードがぷるるんとした感じになったら、焼き上がりです。

(焼きすぎると、気泡が出来てなめらかな仕上がりにならないので、注意してください。)

11 型をオーブンから出し、型のまま完全に冷めるまで待ってから、注意深く側面にナイフを滑らせ、型からタルトを取り出す。

(冷めてからでないと、型から取り出すのが困難です。)

冷蔵庫で冷やしてもおいしいのですが、伝統的には常温でいただくそうです。

middle エッグ・カスタード・タルト断面

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