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Archive for 2015年7月

IMG_0307 ラズベリー・イートン・メス

イートン・メスは、苺またはラズベリー、泡立てた生クリーム、メレンゲを混ぜたイギリスのデザートで、その名はイギリスの名門校イートン・カレッジ(Eton College)に由来しています。

メス(Mess)は、ごちゃ混ぜといった意味合いがあり、材料を適当に気取らず混ぜるのがそもそもの意のようです。

その歴史は20世紀前半、少なくとも1930年代には、ライバルであるのハーロウ校(Harrow School)とクリケットの試合の際に、イートン・カレッジでこのデザートが出されていたそうです。

今回は、オーブン要らず、手間要らずの市販のメレンゲを使うレシピを紹介します。

そして、一般的にイートン・メスに使われる苺ではなくラズベリーを使いました。ラズベリーもイギリスで採れるのですが、ストロベリーほどの収穫量はありません。

IMG_0290 解凍した冷凍のラズベリー

なお、今回はあえて冷凍のラズベリーを使いました。というのは、冷凍だと使う分だけ解凍すればいいし、解凍の際にに赤いきれいな果汁が出ます。

盛り付けの際に、この果汁を小さじ1~2杯使うと、簡単にとてもきれいな演出ができます。

そして本題の味はというと、これは最高です。一口食べたらやめられません。メレンゲの甘味とラズベリーの酸味と、生クリームのまろやかさという絶妙な組み合わせがたまりません。

味といい盛り付けの適当さといい、とてもイギリスらしいデザートだと思います。

IMG_0293 市販のメレンゲネストのパッケージ(ネスト=巣:大きさも形も鳥の巣のよう)

なお、手作りでメレンゲを作る場合のレシピは、No.37のデメララ・メレンゲで紹介してあるので、よかったら参考にしてみてください。デメララ・シュガーではなく、白砂糖で作った方がイートン・メスには合うかと思います。

(手作りでのメレンゲの量は、卵白1個に砂糖60gです。)

IMG_0296 市販のメレンゲネスト

材料

(2~3人分:小さめのグラス2〜3個分→4~5人分必要なときは材料を倍にしてください。)

・生クリーム 150ml

・冷凍のラズベリー 100g(約20粒)

・市販のメレンゲネスト(直径約7.5cm) 2個

・粉砂糖 小さじ1弱

IMG_0004 リネットさんの庭で見つけたワイルド・ストロベリー 

作り方

1  冷凍のラズベリーを冷凍庫から出して解凍し、 盛り付けのグラスを冷蔵庫で30分〜1時間くらい冷やす。

2  大きめのボウルに生クリームと粉砂糖を入れ、泡立て器でなめらかに、角がやや立つまで泡立てる。

3  メレンゲネストを2cmほどの大きさに、適当に手で割って、泡立てたクリームにさっと混ぜる。(メレンゲは細かくしすぎないようにしてください。)

4  飾りつけのラズベリー数個を残して、それ以外のラズベリーをさっと混ぜる。(混ぜすぎない方が、ピンクと白のコントラストが残ってきれいです。)

IMG_0298 ラズベリーをさっと混ぜる

5  解凍により出たラズベリーの果汁も、全体の固さを見ながらさっ混ぜる。小さじ1〜2の果汁は盛り付けにとっておく。

6  冷蔵庫から冷えたグラスを出して、丁寧にスプーンで盛り付け、ラズベリーの果汁を少したらして、ラズベリーをのせる。

IMG_0301 アップ

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IMG_0088 エジンバラ・フォグ

スコットランドのエジンバラは、美しいお城を持った都市ですが、19世紀は、石炭を燃やした真っ黒い煙が煙突からもくもくと上がって、街全体が煙っていたということです。

その煙から、かつてエジンバラは Auld Reekie(アウルド・リーキー :Old Smokeという意味)というニックネームがついていたそうです。

今回紹介するエジンバラ・フォグは このAuld Reekie に由来したデザートで、厚い煙に包まれている19世紀のエジンバラを表しているそうです。

この空気汚染の雰囲気とは裏腹に、エジンバラ・フォグはとびきりエレガントで贅沢なデザートです。

スコットランドの特産品といえば、まず思い浮かぶものがウイスキーです。このウイスキーを惜しげなく使っているところが、まさにこのデザートの一番のユニークな特徴です。

Ratafias(ラタフィア)ビスケットとは、アーモンド風味のイタリアのビスケットなのですが、アマレット・ビスケットの一種です。

これが手に入らない場合は、カリカリしたマカロンがあればOKですし、ちょっと古くなって乾燥してきたケーキや、クッキーでも代用できます。(その場合はケーキ、クッキーの大きさを加減してください。)

IMG_0058  Ratafias Biscuits

ウイスキー風味の甘い生クリームと、水分を含んでふわっとしたビスケットとアーモンドの調和は、なんとも言えない高級感をかもします。

この贅沢な味と上品な見た目ではありますが、作り方はとてもシンプルで、あっという間に出来上がってしまいます。

お酒としてのウイスキーがあまり好きでない人も、このデザートはかなりいけるのではないかと思います。(私もそのくちです。)

レシピは、何年か前に古本屋で買ったThe Taste od Britain という本からです。

エジンバラ・フォグは、スコットランドでは、有名なのかもしれませんが、私にとってはこの本を見るまでは、まず聞いたことも見たこともありませでした。

オーブン要らずで簡単に作れて、見た目も素敵で…なんというのでしょうか、革命的なデザートだと思います。

IMG_0066 The Taste of Britain

材料

(小さなグラス4つ分)

・生クリーム 300g

・砂糖 大さじ1強

・バニラエッセンス 小さじ1/4

・ウイスキー 大さじ3(結構強いので、好みで減らしてください。)

・アーモンドスライス 大さじ4

・ラタフィア ビスケット(Ratafias Buscuits) 12個 (直径2.5㎝程度のカリカリしたアーモンド風味のビスケット) またはアマレット・ビスケット、マカロン、その他のビスケット

<飾り付け>

・ラタフィア・ビスケット 4個

・アーモンド・スライス 大さじ1

IMG_0023 リネットさんの庭のWhite currants

作り方

1 大き目のボウルに生クリーム、砂糖、バニラエッセンス、ウイスキーを入れて泡立てる。

(少し固めになってきた瞬間に、いったん手を止めて、泡立てすぎないように気を付けてください。)

2 そこにアーモンド・スライスを入れてさっと混ぜる。

3 グラスに均等に泡立てたものを丁寧に少しずつ入れ、ビスケットも途中で3つずつ、下中上に入れる。

4 冷蔵庫で5~6時間冷やす。

<飾り付け:食べる直前に>

5 アーモンドスライスを表面に散らし、ビスケットを添える。

IMG_0091 飾りつけ

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