イートン・メスは、苺またはラズベリー、泡立てた生クリーム、メレンゲを混ぜたイギリスのデザートで、その名はイギリスの名門校イートン・カレッジ(Eton College)に由来しています。
メス(Mess)は、ごちゃ混ぜといった意味合いがあり、材料を適当に気取らず混ぜるのがそもそもの意のようです。
その歴史は20世紀前半、少なくとも1930年代には、ライバルであるのハーロウ校(Harrow School)とクリケットの試合の際に、イートン・カレッジでこのデザートが出されていたそうです。
今回は、オーブン要らず、手間要らずの市販のメレンゲを使うレシピを紹介します。
そして、一般的にイートン・メスに使われる苺ではなくラズベリーを使いました。ラズベリーもイギリスで採れるのですが、ストロベリーほどの収穫量はありません。
解凍した冷凍のラズベリー
なお、今回はあえて冷凍のラズベリーを使いました。というのは、冷凍だと使う分だけ解凍すればいいし、解凍の際にに赤いきれいな果汁が出ます。
盛り付けの際に、この果汁を小さじ1~2杯使うと、簡単にとてもきれいな演出ができます。
そして本題の味はというと、これは最高です。一口食べたらやめられません。メレンゲの甘味とラズベリーの酸味と、生クリームのまろやかさという絶妙な組み合わせがたまりません。
味といい盛り付けの適当さといい、とてもイギリスらしいデザートだと思います。
市販のメレンゲネストのパッケージ(ネスト=巣:大きさも形も鳥の巣のよう)
なお、手作りでメレンゲを作る場合のレシピは、No.37のデメララ・メレンゲで紹介してあるので、よかったら参考にしてみてください。デメララ・シュガーではなく、白砂糖で作った方がイートン・メスには合うかと思います。
(手作りでのメレンゲの量は、卵白1個に砂糖60gです。)
市販のメレンゲネスト
材料
(2~3人分:小さめのグラス2〜3個分→4~5人分必要なときは材料を倍にしてください。)
・生クリーム 150ml
・冷凍のラズベリー 100g(約20粒)
・市販のメレンゲネスト(直径約7.5cm) 2個
・粉砂糖 小さじ1弱
作り方
1 冷凍のラズベリーを冷凍庫から出して解凍し、 盛り付けのグラスを冷蔵庫で30分〜1時間くらい冷やす。
2 大きめのボウルに生クリームと粉砂糖を入れ、泡立て器でなめらかに、角がやや立つまで泡立てる。
3 メレンゲネストを2cmほどの大きさに、適当に手で割って、泡立てたクリームにさっと混ぜる。(メレンゲは細かくしすぎないようにしてください。)
4 飾りつけのラズベリー数個を残して、それ以外のラズベリーをさっと混ぜる。(混ぜすぎない方が、ピンクと白のコントラストが残ってきれいです。)
5 解凍により出たラズベリーの果汁も、全体の固さを見ながらさっ混ぜる。小さじ1〜2の果汁は盛り付けにとっておく。
6 冷蔵庫から冷えたグラスを出して、丁寧にスプーンで盛り付け、ラズベリーの果汁を少したらして、ラズベリーをのせる。